【F1】中国GP決勝、全員ほぼ"未経験"のウエットタイヤで挑むことに
ピレリは中国GPに新しいウエットタイヤを用意したが、試したドライバーは少なく、ほぼ全員がぶっつけ本番で走行することになる。








ドライバー達は、ピレリのウエットタイヤをバルセロナテストでの人工的ウエットコンディションを試した。その後、ピレリはウエットタイヤの仕様に変更を加え、上海のような磨耗の少ないサーキットのためにより柔らかいコンパウンドのタイヤに仕上げた。そして今回の中国GPには、その新しいウエットタイヤが持ち込まれている。
中国初日のセッションで早速新しいウエットタイヤは数名のドライバーによって使用されたが、視界不良のせいで終日赤旗となり、ドライバー達が試せたのは数周だけだった。また、レッドブルとフォースインディア、ザウバーは、ウエットタイヤでトラックを1度も走っていない。
バルセロナテストから仕様を変えていないインターミディエイトタイヤに関しても、ほとんどのドライバーが走行を行えていない。
上海の決勝レースの天候は、警戒されていたほど悪天候にはならないと見られており、午前中に霧雨が降ったものの、午後にはウエットとドライが混合したコンディションになる可能性が高いという。
わずか数周になるだろうが、決勝の前にレコノサンスラップでタイヤのコンディションを確かめるチャンスがある。特にインターミディエイトタイヤとウエットタイヤを変えるタイミングを測るのに、そのデータは貴重なものになるだろう。
メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、次のように語った。
「我々はまだ完全にウエットなコンディションで走行していない」
「テストされたことのない新しいウエットタイヤを走らせることになるのだ。英語では”暗闇の中で魚を釣る”というだろう? とても面白いレースになりそうじゃないか!」
金曜日にウエットタイヤで最も長く走ったのはウイリアムズだった。彼らはふたりでそれぞれのタイプのタイヤを14周走らせている。ウイリアムズはバルセロナテストでのウエットテストの機会を逃したため、走行距離を稼ぐという目的があった。
ウイリアムズのテクニカル・チーフであるバティ・ロウは次のように語った。
「バルセロナでのウエットテストデーを逃した我々は、金曜日で走行距離を稼ごうとしていた。我々はマシンがウエットコンディションでどのように動くのか確かめてみたかった」
「わずかな走行距離だったが、非常に貴重なデータとなった。レースではどのように走るのか様子を見てみることにする。金曜日の段階では大きな問題はなかったのだが」
ドライバーも路面からの感触を元にピットインのタイミングを探るという。
予選13位で通過したマクラーレンのフェルナンド・アロンソは、次のように語った。
「路面状況を見て、逆転のチャンスを見計らってみよう。レースが完全にドライになれば、ポイントを獲得することが難しくなると思う。僕たちは他の要因から助けてもらわなくてはならない」
「レースがウエットのまま進行すれば、僕たちもトラブルを抱えると思う。僕はレースがウエットとドライが混在すると予測している。ピットストップを何度も行えば、誰にとっても賭けになる。しかし、そこに僕たちが勝つチャンスが生まれるかもしれない」
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この記事について
シリーズ | F1 |
イベント | 中国GP |
ロケーション | 上海国際サーキット |
チーム | メルセデス |
執筆者 | Adam Cooper |