【F1】元FIA会長モズレー「ルール変更がF1を悪くするかも」と危惧
元FIA会長のマックス・モズレーは、2017年に施行されるレギュレーション変更により、F1が間違った方向に行くことを危惧している。








今季のF1は、既報の通り大きなレギュレーション改定がなされ、2015年比で1周あたり5秒速く走ることが目指されている。しかしその一方でオーバーテイクが減少するという懸念も指摘されており、タイヤサプライヤーのピレリも、レースが動きの少ないものになる可能性があるという警告を発している。
元FIA会長のマックス・モズレーも、今回のレギュレーション変更がF1を良くすることにつながるかどうか、定かではないと語る。
「私の個人的な見解は、(F1が)間違った方向に行ってしまったかもしれないということだ」
モズレーは英国ITVのインタビューにそう答えた。
「私ならおそらく、空力効果が少なく、メカニカルグリップが高い規則を選択していただろう」
「意図的にクルマを速くしようとすることが正しいかどうかは、とても疑わしいことだ。過去40年〜50年の間にFIAによってもたらされた規則は、すべてクルマのスピードを遅くするためのものだった。遅くするのか、もしくは安全にするのか……スピードは明らかに危険と等しいからだ」
ロス・ブラウンがF1を”良くする”キーパーソン
今回のレギュレーションがうまく機能しなかった場合、F1の新たなオーナーであるリバティ・メディアは、F1をさらに変えていくための圧力を高める可能性が高い。そのためモズレーはリバティ・メディアに対し、F1の将来像については常にオープンにすべきだと考えている。
「何かが成功しただけで、もっと良くすることはできないということを意味するわけではない」
そう彼は語る。
もしリバティ・メディアがF1を良くするというチャレンジを過小評価していた場合について尋ねられたモズレーは、次のように語った。
「それを語るのは難しい。彼らは素晴らしいかもしれないし、全てを考え尽くしているのかもしれない。しかしその一方で、彼らは”思ったよりも難しい”と感じる可能性もある」
「私はいつも想像するのだ。もし、誰かが私に競馬を担当させ、『それを整理するように』と言った場合、それは外から見れば簡単そうに見えるかもしれない」
「全てのファイルと書類を手に入れれば、何が本当に起きているのかを知ることができるがね」
しかしモズレーは、ロス・ブラウンがスポーティング面の責任者に就任したことは、リバティ・メディアにとって大きな財産だと考えている。
「ロスはこのスポーツを完全に理解し、何をする必要があるのかを把握している。彼は間違いなく、”ファーストクラス”の分析能力がある頭脳の持ち主だ」
「ロスは彼ら(リバティ・メディア)にとって大きな資産となると思う。そしてその側面(スポーティング面)は、リバティが行うことではない。ロスは非常に優れているので、良い選択だっただろう」
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シリーズ | F1 |
執筆者 | Jonathan Noble |