【F1】全責任を認め謝罪したベッテル、FIAによる追加制裁はなし
FIAは、アゼルバイジャンGPでハミルトンにマシンを故意にぶつけたベッテルに対して追加の制裁措置をしないことに決定した。









アゼルバイジャンGPの決勝、セーフティカーラン中に先頭を走っていたルイス・ハミルトン(メルセデス)にブレーキテストをされたと感じ、激怒したセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は抗議とともにハミルトンに”体当たり”をした件について、FIAは彼に科した10秒のストップ&ゴーペナルティが妥当だったか再調査していたが、追加制裁は行われないことが決定した。
フェラーリのチーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネとともに、ベッテルはFIAのジャン・トッド会長や他のFIA上層部とバクーでの事件についてのミーティングを行った。
会議では議論を呼んだハミルトンへの”体当たり”事件を見直され、ベッテルは起きたことに対して全責任を認めたという。
その経緯と、これから個人的に若手レースドライバーの育成に携わっていくとした4度の世界チャンピオンの取り組みを踏まえ、FIAはこの問題に対するさらなる処置をとらないことを決めた。
FIAの声明によると「今回の出来事については、FIAのジャン・トッド会長は問題を終結させるべきだと決定した」という。
「それにもかかわらず、違反が重大でありネガティブな影響があるため、このような行動が繰り返されれば、すぐさまFIA国際裁判所に委ねられるとFIAのジャン・トッド会長は明確に示した」
インシデントの影響を懸念しているFIA
今回の会議では、FIAがハミルトンとベッテルの接触の背後にある状況を再検討し、その後の行動につながる根拠があったかどうかを調査するため、事件についての議論を行った。
トッドやスポーツ部門のFIA副会長グラハム・ストーカーや、書記長のピーター・バイエル、レースディレクターのチャーリー・ホワイティングや副レースディレクターのローレン・メキーズらが、今回の件の証拠を精査するパネルとして出席した。
彼らが、さらなる処置が必要だと判断していた場合、トッド会長はFIA国際裁判所にベッテルを告訴することもできた。
FIAは月曜日の”プラン”について黙秘をしていたが、月曜夜に声明が出された。FIAはバクー後、ベッテルの行動がジュニア・カテゴリーのドライバーたちに悪い影響を与えることを懸念していたという。
声明では「FIAは、このインシデントの影響が広がることを深く懸念している」と記されている。
「あのような行動が、世界中のファンや若いドライバーたちに与える影響を第一に考え、第二にFIAのイメージや、スポーツの名声へのダメージを考慮した」
トッド会長はこの件について「トップレベルのスポーツは、感情が爆発する可能性があるような、激しい環境で行なわれている」とコメントした。
「しかし、そのプレッシャーを冷静に対処し、スポーツのレギュレーションを尊重するだけでなく、彼らが楽しんでいる高いステータスに見合ったようなやり方で、自分たち自身を管理しなければならない」
ベッテルは若手ドライバーの育成に尽力するという提案を行ったが、一方でトッドは年末までのあらゆる交通安全活動から、彼を除外することを決定した。
また、ベッテルはFIAへの謝罪だけでなく、公式に謝罪を行うようだ。
フェラーリの声明
フェラーリは発表が行われた直後にウェブサイトで短い声明を発表。FIAの決定と、ベッテルがスポーツのイメージ向上に取り組んでいくことを歓迎した。
「本日パリで開かれた、FIAの代表者とスクーデリア・フェラーリのドライバーであるセバスチャン・ベッテルのミーティングは、アゼルバイジャンGPで起きた事件での位置付けを明確にする目的で行われた。スクーデリア・フェラーリはドライバーが謝罪すること、彼が個人的にスポーツのイメージ向上に取り組んでいくことを特筆する」
「スクーデリア・フェラーリは、FIAの主導権への支持を確認し、統治組織の価値と目標を共有する」
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この記事について
シリーズ | F1 |
ドライバー | セバスチャン ベッテル |
執筆者 | Jonathan Noble |