【F1】『友好的かつ貪欲』レッドブルの”キケン”なふたり

レッドブルのクリスチャン・ホーナーは、フェルスタッペンは”チームプレイヤー”であり、リカルドと友好的な関係を築いていると語った。

 2016年、マックス・フェルスタッペンはトロロッソのドライバーとして2年目のF1シーズンに臨んだ。ところがダニール・クビアトのトロロッソ降格により、彼はスペインGPを前にレッドブルに昇格することになった。

 突然の移籍にもかかわらず、ダニエル・リカルドと遜色ないペースでレッドブルのマシンを乗りこなしたフェルスタッペンは、レッドブル昇格直後のスペインGPで優勝を果たしたことで、スーパースターとしての地位を確立した。

 フェルスタッペンについて、レッドブルが知ったことがひとつあるとすれば、それは彼が現在の地位に全くのぼせ上がっていないということだろう。

 それゆえに、彼は起きたことに愚痴をこぼすことをしない。怒ったり折り合いをつけるよりも、もっと大事なことがあることに彼は気づいているのだ。

 フェルスタッペンの猛烈な速さに加えて、マシンに乗っていない時の彼の態度や熱意が、レッドブルの内部で彼の”ファン”を増やしている。レッドブルは、彼とリカルドのコンビで2017年のチャンピオンシップを戦っていく自信を深めているようだ。

 レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、motorsport.comに次のように語っている。

「マックスは非常に優れているし、全てにおいてとても熱心だ。彼はすべてのことに興味を持つ、ラブラドールの仔犬みたいだ」

「彼はレースが大好きなんだ。彼はF1ドライバーであることを光栄に感じている」

「ひとつ実例がある。今年のカナダGPの後、モントリオールからの飛行機でダブルブッキングが起きてしまい、ビジネスクラスの座席が取れていなかったことがあった。だから彼は結局エコノミークラスの、トイレの近くの座席に座ることになってしまった」

「他のドライバーなら大問題になっていただろうが、マックスは全く気にしていなかった。私たちに彼は『問題ない。ここが使えるなら、ここに座るよ』と言ったんだ。それが、彼に爽快さを感じる理由だと私は思う。彼はF1ドライバーであることに熱意を持っているし、やれることをやっている」

フェルスタッペンはチームプレイヤー

 もちろん、フェルスタッペンがどんな時でも扱いやすいドライバーかというと、そうではない。ヘルメットをかぶっている時の彼は闘争心がむき出しになるからだ。

 今年のハンガリーGPでは、事前の合意に従い2番手を走っていたリカルドの後ろにフェルスタッペンが留まり、先頭を走っていたメルセデスのルイス・ハミルトンから離されてしまうということがあった。

 フェルスタッペンはリカルドのすぐ後ろに張り付き、チームラジオで『リカルドは”おばあちゃん”のように走行している。これ以上遅くは走れない』と主張した。

 この出来事は当時のチームに緊張をもたらしたが、昨シーズンを通してフェルスタッペンとリカルドは自身がどのように振舞う必要があるかを学んだと、ホーナーは考えている。

「(ハンガリーは)それほど重要ではない」とホーナーは語った。

「つまり、彼らは共によく働いている。ホッケンハイムを思い出してみれば、我々はドライバーのポジションを入れ替え、リカルドをフェルスタッペンの前に出している。マックスはチームプレイヤーではないと皆が言う。しかし、その日彼は自分がチームプレイヤーだということを証明して見せた」

「彼らは今年も、同じようにレースをするだろう。(リカルドのインにフェルスタッペンが飛び込んだ)ホッケンハイムの1コーナーであろうと、他の多くのサーキットであろうと、彼らはこれまでクリーンでフェアなレースをしてきた」

「ルイスのエンジンブローの後で、ふたりのバトルが優勝争いに変わったマレーシアGPの時でさえ、私が安心していられたのはそれが理由だ。ふたりがお互いにレースをすることに関して、懸念は一切ない」

 レッドブルにとって最大の問題は、バルセロナでの戦略ミスやモナコでのピットストップミスの時のように、どちらかのドライバーがもう片方のドライバーより不利な状況に陥った時の対処だ。

「問題は起こるものだ」とホーナーは語った。

「私にとって、バルセロナは非常にわかりやすかった。なぜなら戦略は単純に上手くいく時とそうでない時があるからだ。モナコはもっと傷ついた。ダニエルと同じくらい、チームは傷ついていた」

「ダニエルは、あの事件にすごく前向きに対応した。あの後すぐにだ。あの件は彼のシーズンに全く影響しなかったと私は思う。彼はそれを乗り越え、その後も素晴らしいレースをした」

フェルスタッペンとリカルドの関係

 2016年シーズン、レッドブルはそれほど多くの困難には直面しなかったが、フェルスタッペンとリカルドがワールドチャンピオンを争うライバルになれば、状況はもっと厳しいものになってくるだろう。

 F1ではそういった例があまりにも多い。メルセデスのハミルトンとニコ・ロズベルグのコンビがそうだったように、チームメイトがタイトル争いのライバルになれば、どれだけふたりの仲が良かったとしても、それは崩壊してしまう可能性がある。

 ホーナーは、リカルドとフェルスタッペンの関係がそういった状況に耐えられるほど強固な関係であることを期待しているが、何も変わらないことを期待するのは愚かなことだと考えている。

 例えばリカルドとフェルスタッペンがタイトルを狙える状況の時、チームの雰囲気を平穏に保つことができるかと尋ねられると、ホーナーは「おそらく簡単ではないだろう。しかし、彼らはお互いに大きな敬意を払っている」と語った。

「それに加え、実際のところ彼らはお互いのことが大好きなんだ! 彼らはモナコの同じビルに住んでいる。これはチームの要求ではないんだ。ダニエルは、マシンを降りている時はマックスの兄のようなものなんだ」

「マシンに乗っている時は、彼らはどちらも同じくらいハングリーだし、勝ちたいと思っている。彼らは共に激しくレースをするんだ。それが公平である限りは、私たちにとっては問題ない」

 冒頭で話題に挙がった”飛行機座席事件”から判断する限りは、レッドブルはチーム内にトラブルメーカーを抱えているという心配をする必要はあまりないだろう。

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この記事について
シリーズ F1
ドライバー ダニエル リカルド , マックス フェルスタッペン
チーム レッドブル
記事タイプ 速報ニュース