【F1】将来のF1エンジンに関する協議開始。FIA会長「よりシンプルに」

FIA会長のジャン・トッドは、2020年以降のエンジンルールについて、よりシンプルで安く、信頼性の低いモノが望ましいと考えているようだ。

 FIAのジャン・トッド会長は、F1マシンのエンジンはよりシンプルで価格が安く、信頼性が低いモノである必要があると考えているようだ。

 現在、FIAは2021年以降のF1エンジンのルールについて、世界の有力自動車メーカーとパリで協議を行っている。この会議には、F1に参戦しているメーカーがすべて参加している上、F1に参戦していないメーカーも招待され、2021年のF1エンジンの方向性について話し合いが行われているようだ。

 スクーデリア・フェラーリでチーム代表を務めた経験がある、ランボルギーニCEOのステファノ・ドメニカリは、フォルクスワーゲン・グループの代表としてこの会議に参加していると考えられている。フォルクスワーゲンは、長らくF1のエンジンルールの行方を見守ってきた。

 F1エンジンに関する議論は、ターボ&ハイブリッドの”パワーユニット”を継続するか、よりシンプルで音が大きいエンジンに回帰すべきか意見が分かれており、一筋縄ではいかないようだ。

今は、”技術”が多すぎるとFIA会長

 しかしながらトッドは、F1が少し違う道を歩んでいくのを見たいと語り、あまりにも多くの”技術”がショーの改善を妨げていると考えているようだ。

「もし私がF1マシンに乗ったとしたら、マシンは洗練されすぎていると思うし、おそらく技術レベルが高すぎると思う。それは、スポーツには必要がないものだ」と彼は語った。

「非常に繊細なのは、自動車も進化しているということだ。モータースポーツの頂点であるF1が、自動車の進化を踏襲していないというのは、非常に難しいことだろう」

「コネクテッドカー(インターネットに接続されている車)や自動運転車が、F1に入ってくるとは思わないが、世界はそれに直面している。メーカーは、車やパワートレインに電気的な技術を導入している。それらは完全に異なる技術だから、我々はそれをどのように変換してモータースポーツに取り入れられるか、考えなければならない。もちろん、その中にはF1も含まれる」 

「それでもやはり、F1はコストが高すぎると感じるし、複雑すぎる。そしてある意味、信頼性が高すぎる。私は、バルセロナで行われたテスト初日を観て、ショックを受けた」

「私がF1に関わっていた時代には、マシンが5周の走行を完了できた時に『素晴らしい、我々は5周も出来た』と言っていた。私はマシンが70周や80周するのを見た。チームは、誰もアクセスできないファクトリーの中に、研究室を作っているんだ」

”10年前”には戻らない

 メーカーが決定しなければならない問題のひとつが、将来のF1エンジンにどの程度、電気的なパワーが採用されるかということだ。

 メーカーは電気の割合を増やしたいと考えているようだが、トッドはF1レースで100%電力駆動のマシンが適切だとは思っていないようだ。

「電気自動車の大きな限界は、その航続距離と再充電に要する時間だ。ベストな車でも航続距離は約200kmで、再充電には6~8時間かかる」とトッドは語った。

「私は、都市部の電気自動車には非常に良い未来が待っていると思う。そしてそれが、我々がシングルシーターの電気自動車で争うチャンピオンシップ(フォーミュラE)を市街地で主催している理由だ」

「多くの車はまだディーゼルやハイブリッド、ダウンサイジングエンジンとターボだ。私は将来、多くの車が燃料電池車になると思う」

「燃料電池車は多くの車とは完全に異なる技術で、おそらく600km~1000km走る。さらに、エネルギー補給は約3分で済む」

「将来我々は何らかのカテゴリーで燃料電池車を取り入れようと検討すると思う。しかしF1について話すなら、その時もまだ伝統的なエンジンで走っているだろう。ただそれは、我々が10年前に戻ろうと考えているということではない。それは、二度と起こらないことだ」

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シリーズ F1
記事タイプ 速報ニュース