小松エンジニア、F1参戦2年目のハースの内情を語る【チーム編】

F1参戦2年目のハースについて、チーフエンジニアを務める小松礼雄に話を訊いた。

 ハースF1チーム発足初年度よりチームに在籍し、チーフエンジニアとしてチームを率いてきた小松礼雄。昨年は非常に多忙なデビューイヤーとなったが、その甲斐もあって今季チームの成長を実感しているという。その彼に、現在のチームの内情や課題についてインタビューを行った。

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ーーチーム発足初年度と2年目の主な違いは?

「僕らはスタッフ同士お互いのことを理解しているので、協力し合うのが容易になったことです。また昨年の1年間を通して、組織やスタッフ、システムなどすべてのことをどのように改善したいのかということも分かってきました。だから今年に向けてその準備を行っていました。それが全て機能して、(昨年から今年にかけて)どれほどステップを踏むことができたのかというのを見ることができ、本当に良かったです。しかし同時に、今年は大勢のスタッフがチームに加入したので、来年に向けて再び準備しているところです」

ーー今年はマシンも変わりましたが、今年役立つようなデータは昨年のレースでどれほど集まりましたか?

「昨年のデータはとても役立っています。そもそも昨年はそれ以前のデータがなかったので。そういう意味では役立ってます。でもただのデータではないんです。スタッフが新しいチームで一緒に働き、1年やりきったものなんです。このすべての経験は非常に貴重なものです。例えば昨年と同じように、ドライバーや同じスタッフと仕事をします。昨年は問題も起きていましたが、今はそれぞれ何をすべきか分かっています。そういった経験は素晴らしいものです。だからこのデータは、ただのデータではありません。ただこのデータ自体を見るだけなら、役に立つものだと思いますが、大いに役に立つものではありません。ですがこれまでの経験があれば、大いに役に立つものです」

ーー昨年のマシンと今年のマシンの共通点は?

「サスペンション内部のパーツはいくつか同じものがありますが、それだけです」

ーーもしレギュレーションが変わらなかったら、もっと楽でしたか?

「もちろんそうです。僕らのような新しいチームにとって、2年目というのは非常に厳しいものです。しかも今季のために全く新しいレギュレーションのマシンを準備しなければいけなかったので、1年目は非常に忙しかったです。とてもハードでした」

ーー内心驚いたレース結果はありますか?

「いくつかあります。オーストリアは驚きでした。僕らは中団チームの中でも最速だったのですが、そんなこと全く予想もしていませんでした。でもバクーやモントリオールなど、いくつかのレースでは中団チームの中で最後尾でした。最低でも、僕らの目標は中団チームの中で真ん中につくことです。僕にとって、中団チームのトップを狙うということはただ夢を見ているようなものです。昨年はチャンピオンシップを8位で終えたのですが、今年は少なくとも順位を上げようと思っています。でも先ほど話したように、今年はレギュレーションが新しくなったので、昨年と同じ順位につけるというのは大きなチャレンジになると思います」

ーーマクラーレンとの位置関係は?

「いくつかのレースの予選を見れば、彼ら(マクラーレン)は僕らよりも速いです。それにもちろん、フォースインディアもうまくやっています。フォースインディアはかなり前を行っていて、その後ろにマクラーレンやルノー、ハース、トロロッソがいます。なので僕らもできる限り前に行こうとしています」

ーーチームの調子が良くなった理由は?

「繰り返しになりますが、チームが成熟したからだと思います。僕らはレース中に発覚した問題に早く反応できないという課題を抱えていて、それに対処すべく準備してきました。それでも3レースか4レースは、反応ができていませんでした」

「言うまでもないことですが、原因はリソース不足であり、分析ツールなども不足していました。そういった要素すべてが影響を及ぼします。予測や対応が十分に正確なものではない可能性もあります。全体的に昨年より良くなっていますが、レース前のマシンのセットアップの質をもっと良くしていけるようにすべきです。またレース中は、より柔軟に物事に対応できるようにしなければいけません。ですが僕が言及したようなことを常に行うことができたわけではなく、それができなかったレースもありました。それについては来年に向けて改善していきます」

ーーどのくらいの頻度でやり方を変えますか?

「常に様々なものを試しています。どのようにデータを見るか、どのようにレースにアプローチするか、特定の物事へどう取り組むかそういったものを中心に試行錯誤しています。時にはピットストップやシミュレーション、セッションの走り方、戦略もそうです」

ーーチームのレスポンスに満足していますか?

「とても満足しています。みんながどれほど忙しいのかということを考慮すれば、これ以上のことは頼めませんよ」

ドライバー編に続く。

Additional reporting by Oleg Karpov

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この記事について
シリーズ F1
チーム ハースF1チーム
記事タイプ インタビュー