引退を撤回したマッサだが、引退記念としてウイリアムズからプレゼントされた2016年ブラジルGPのマシンを、返却する必要はないようだ。
ウイリアムズのフェリペ・マッサは、2016年限りでF1を引退することを昨年のイタリアGPで発表した。チームは引退するマッサへの餞別として、最後の母国GPとなるはずだった2016年のブラジルGPで使ったマシンを、彼にプレゼントすることを決めていた。このマシンは、チームのスポンサーであるマルティニがマッサに敬意を表して、自社のロゴの代わりにマッサの名前を掲げた特別なものだ。
しかしその後、メルセデスのニコ・ロズベルグが突然の引退を発表。メルセデスに引き抜かれる形で、バルテリ・ボッタスがウイリアムズから移籍した。来季から新人のランス・ストロールを起用することもあって、ウイリアムズは経験豊富なドライバーを欠くわけにはいかず、マッサに白羽の矢を立て、引退を撤回させた。
マッサは結果として、もう一度母国GPを走る機会が得られたわけだが、この”プレゼント”がどうなるのかは不明だった。
マッサは、2016年ブラジルGPのマシンを保持することが、チームとの再契約の一部だと語った。
「それは僕のものだ、僕のものだよ」とマッサは、このマシンについて尋ねられた際に語った。
「僕は2日前にファクトリーでそのマシンを見たんだ。僕の名前がマシンのサイドに載っていたよ」
「昨年最後の2レース、特にブラジルで起きたことを考えると、素晴らしい気分だった。まさに完璧な引退という感じだった。それから大きな変化があり、僕の心は現役続行に傾いていった。僕はそれに従ったんだ」
「クレア(ウイリアムズ/チーム副代表)が電話をかけてきて、引退をやめるつもりはないか聞いてきたのはちょっとしたサプライズだったけど、僕は準備がしっかり整っていたし、意欲もあった。僕はレースから引退するつもりはなかったし、別のカテゴリーを考えていたんだけど、全てが変わった。僕はまだそんなに老ぼれてはいないと思っているし、もう一度カムバックする準備はできている」
ふたたび厳しいトレーニングに取り組むマッサ
マッサは、今週末にマイアミで行なわれているレース・オブ・チャンピオンズに参加し、市内のレストランを多く訪れるなど週末を”エンジョイ”する予定だった。しかしF1復帰に先立ち計画を変更、厳しい体調維持に再び取り組んでいるという。
「僕はマイアミで毎日トレーニングに励んでいる」とマッサは語り、新しいレギュレーションが導入される2017年のF1を楽しみにしているという。
「ルールが大きく変わるため、マシンも全く新しいものになる」
「(新マシンの)運転の仕方は、たった8日間のテストで学ばなければならない。できる限り競争力を発揮するため、僕の経験すべてをチームに捧げる準備はできている」
またマッサは、昨年のチームメイトであり、ロズベルグの後任としてチャンピオンチームのメルセデスに移籍するボッタスの成功を願っているという。
「本当に、バルテリがうまくいくように願っている。彼はメルセデスに行くチャンスが得られた」とマッサは語った。
「メルセデスは3年連続でチャンピオンになっているチームだ。そして今シーズンも、彼らには競争力があると僕は確信している」
「ニコが引退を決めたのはすごく驚いたけど、彼の引退が、僕がF1に戻ってきた唯一の原因でもある」
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