【F1】欧州議会、F1の分配金支払い構造の"迅速な"調査を要請

欧州議会はF1の分配金の支払い構造が独占禁止法に違反していないか、迅速に調査するよう求めている。

 欧州議会のイギリスメンバーであるアンネリーゼ・ドッズは、EUの執行機関である欧州委員会(EC)の競争総局(日本で言う公正取引委員会)に対し、F1の統治及び分配金の支払いの構造について調査するよう、長年求めてきた。

 F1の商業権保有者であるFOM(フォーミュラワン・マネジメント)は、管理する年間収益の中から、コンコルド協定に基づき各チームに分配金を支払っている。しかし現在、古参チームにはF1への貢献度によって加算される”特別な”分配金が配当されているため、各チームが受け取る金額には大きな差が生じている。

 フォースインディアとザウバーは、2015年にF1の分配金の支払い構造の不透明さが、独占禁止法の違反行為に該当するとの懸念を欧州議会に投げかけた。これを受け欧州議会はECに対し調査を要請した。

 EUはスポーツ関連の問題に対処するための内部部門を創設している。2チームからの訴訟はその対象のひとつではあるものの、正式な調査はまだ行われていない。

 1月に欧州議会は、ECに提出するための184項目に及ぶ、競技報告書を作成した。ドッズはこの報告書を修正案として、「F1の独占禁止法違反に対する迅速な調査の要請」を提出。火曜日にこの修正案が欧州議会で採択され、賛成467票、反対156票、棄権86票の賛成多数で承認された。この決議によってECに調査を開始する義務を発生させることはないが、その開始を強く促すことができるだろう。

「欧州会議にてF1の独占禁止法違反に対する迅速な調査要請の修正案が支持されたことを嬉しく思います」とドッズは語った。

「数週間前、イギリスを拠点にしていたマノーF1チームが、新たな出資者を見つけられなかったため倒産しました」

「例え全レースを最下位で終えたとしても、常にビッグチームへ多額の賞金を分配しているため、小規模なチームは分配金の激しい差により、不当な扱いを受けています」

「また独占禁止法違反の問題以外にも、F1はイギリス歳入関税庁に対する税率2%の支払い義務に重大な懸念事項が提起されています」

 独占禁止法違反や関税庁との契約違反の疑いの他にも、ドッズはリバティ・メディアへのF1商業権の売却時に、F1の売却を承認したFIAは財政的に利益を得たことから、独占禁止法の利益相反行為があったことを指摘している。

 以前リバティ・メディアによるF1買収は、独占禁止法に対する違反がないかどうか、英国の競争・市場庁(CMA)による調査を受けた。その調査の結果、独占禁止法規制当局からその取引が認められた上で、FIAと株主の承認を得る段階に入っていた。

「最近、F1の商業権はリバティ・メディアに売却されましたが、FIAがF1の売却を承認する際に、7950万ドル(約90.9億円)もの利益を受け取ったため、重大な利益相反行為に該当するのではないかとみています」

「私はECに対し、完全な調査を求める書簡を数通送付しています。また欧州会議でもこの私の声明に賛同していただけたことに感謝しております」

「我々は500万人ものファンに愛されているこのスポーツの競争力が失われないためにも、この分野でさらに高度で熟練した仕事を継続していく必要があります」

 いざECが調査に踏み出し、F1運営上に権力の乱用が認められた場合、F1は売上高の10%を罰金として支払う義務が発生する。つまり、F1の構造を大きく揺さぶるだけでなく、昨年であれば10億ポンド(約1427億円)を優に超える額をEUは徴収することになる。

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シリーズ F1
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