F1シンガポールGP予選:フェラーリが“予想外”の速さ。ルクレールPP、フェルスタッペン4番手
F1シンガポールGPの予選では、フェラーリのシャルル・ルクレールが3戦連続となるポールポジションを獲得した。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
F1第15戦シンガポールGPの予選が行われた。大方の予想に反してフェラーリが速さを見せ、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が3戦連続のポールポジションを獲得した。
F1ナイトレースの元祖と言えるシンガポールGP。ここまでのフリー走行ではレッドブルのマックス・フェルスタッペンが速さを見せていたが、直前に行われたFP3ではミスがあり6番手に。正確な勢力図が見えないまま、予選を迎えた。
Q1:メルセデスが速さを見せる。クビアト無念の脱落
シンガポール市街地コースはそのコース幅の狭さやコーナー数の多さもあり、トラフィックにかかって満足なタイムを刻めない可能性がある。そのため多くのマシンがセッション開始数分でコースインした。なお、FP3でオイル漏れのトラブルに見舞われていたダニール・クビアト(トロロッソ)もコースに向かっていった。
各車最初のアタックを終えた段階で、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が1分38秒014でトップに立った。2番手にはフェルスタッペンが入り、唯一ミディアムタイヤを履いたメルセデス勢は、バルテリ・ボッタスが3番手、ルイス・ハミルトンが4番手に入った。
1回目のアタックではタイムが上がらなかったセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は、同じタイヤで2回目のアタックを敢行。1分38秒374で2番手につけた。
残り3分となり、メルセデスの2台がソフトタイヤを履いてコースに。ボッタスが1分37秒317でトップに、ハミルトンが1分37秒565で2番手につけ、ライバルを大きく上回ってみせた。
セッション終了間際は、Q2進出を懸けた中団チームの争いに。ケビン・マグヌッセン(ハース)とキミ・ライコネン(アルファロメオ)がラストアタックで脱落圏から脱出。さらに最後の最後にアタックを行ったセルジオ・ペレス(レーシングポイント)が17番手から14番手に順位を上げたため、クビアトがノックアウトされてしまった。15番手のマグヌッセンとは0.015秒という僅差だった。
Q1脱落はクビアト以下、ランス・ストロール(レーシングポイント)、ロマン・グロージャン(ハース)、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)、ロバート・クビサ(ウイリアムズ)となった。
Q2:今度はフェラーリがワンツー。ガスリー敗退
15台全てがソフトタイヤを履いてコースイン。3強チームの中でも、ミディアムスタートを狙うマシンはいなかった。
上位陣ではまずボッタスが1分37秒142をマーク。ハミルトンが1分37秒061でそれを上回った。さらにルクレールが1分36秒930でトップに立ち、フェルスタッペンは1分37秒089でメルセデス2台の間に割って入った。この4台のギャップはコンマ2秒と、かなり接近している。
ベッテルはルクレールから0.375秒差の5番手、アレクサンダー・アルボン(レッドブル)はトップから約1秒遅れの7番手にとどまった。
セッションは残り3分となり、各車が最後のアタックに向かうため、続々とコースインしていった。
ここでベッテルが1分36秒720でトップに。さらにルクレールも負けじと1分36秒650でそれを上回り、フェラーリのワンツー体制となった。
ペレスはラストアタックで自己ベストを更新したものの、わずか0.040秒届かず11番手に終わった。ピエール・ガスリー(トロロッソ)もタイムをまとめることができず、13番手。フリー走行からコンスタントにトップ10入りしていたトロロッソだったが、Q2までに2台とも姿を消すこととなってしまった。
Q2敗退は11番手から順に、ペレス、アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)、ガスリー、キミ・ライコネン(アルファロメオ)、マグヌッセンとなった。
Q3:ルクレールが3戦連続PP。ベッテルはラストアタック失敗
メルセデスとフェラーリが“がっぷり四つ”という状態で迎えたQ3。まず最初のアタックではフェラーリが速さを見せた。
ベッテルが1分36秒437でトップに、さらにルクレールも1分36秒791で2番手につけた。一方のメルセデス勢はふたりともうまくタイムをまとめられず、ハミルトンが1分37秒447で4番手、ボッタスが1分37秒483で5番手となった。フェルスタッペンは1分36秒817で3番手につけた。
これまでのレースは残り2〜3分で各車が一気にコースインするが、今回はトラフィックのリスクを考慮してか、残り4分を切った段階で各チームが動きはじめた。
その中でもフェラーリが先立ってラストアタックに入った。第7戦カナダGP以来のポールポジションが欲しいベッテルだったが、このアタックをまとめられず、ピットへと戻ってしまった。
そのベッテルを尻目にルクレールが速いラップを刻み、1分36秒217をマーク。トップに立った。ハミルトンは1分36秒408でベッテルのタイムを上回るが、ルクレールには届かなかった。
これでルクレールはベルギー、イタリアに続き3戦連続のポールポジション。これまでとはコース特性の全く違うシンガポールで、予想外とも言える速さを見せた。2番手にはハミルトン、3番手にはベッテルとなった。
レッドブル・ホンダはフェルスタッペンが4番手、5番手のボッタスを挟んでアルボンが6番手となった。7番手以下はカルロス・サインツJr.(マクラーレン)、ダニエル・リカルド(ルノー)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)、ランド・ノリス(マクラーレン)となった。
【リザルト】F1第15戦シンガポールGP:予選結果
順位 | ドライバー | タイム | 差 | 平均速度 |
---|---|---|---|---|
1 | シャルル ルクレール | 1'36.217 | 189.434 | |
2 | ルイス ハミルトン | 1'36.408 | 0.191 | 189.058 |
3 | セバスチャン ベッテル | 1'36.437 | 0.220 | 189.002 |
4 | マックス フェルスタッペン | 1'36.813 | 0.596 | 188.268 |
5 | バルテリ ボッタス | 1'37.146 | 0.929 | 187.622 |
6 | アレクサンダー アルボン | 1'37.411 | 1.194 | 187.112 |
7 | カルロス サインツ Jr. | 1'37.818 | 1.601 | 186.333 |
8 | ダニエル リカルド | 1'38.095 | 1.878 | 185.807 |
9 | ニコ ヒュルケンベルグ | 1'38.264 | 2.047 | 185.488 |
10 | ランド ノリス | 1'38.329 | 2.112 | 185.365 |
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