2020年のF1はスタートがさらに難しく? クラッチパドルの制限が強化
FIAは、2020年に向けてF1マシンのクラッチに関して多くのレギュレーション変更を導入した。
写真:: Manuel Goria / Motorsport Images
FIAは2020年に向けて、技術規則の変更を行った。中でも、クラッチパドルについて多くの変更が行われ、ドライバーにとって来季のスタートはさらに難しくなりそうだ。
各ドライバーのステアリングホイールに搭載が義務化さたれているパドル操作式クラッチ。来季からは共通ECUによって扱われるクラッチパドルの信号もFIAによって厳しく監視され、クラッチパドルのマッピングによりアドバンテージを得ることが制限されることになる。
またチームがステアリングホイールにクラッチパドルを2つ搭載する場合は、各パドルの形状、動作が同一であり、マッピングも同じものを使用する必要がある。そしてドライバーは、2つのパドルが同じように機能すると実証することを求められる。
さらにパドルはクラッチと直接的に連動する必要がある。技術規則の9条2.1、セクションFには次のように記されている。
「FIAのECUが扱う信号がドライバーの行動を示していることを確実にするため、各コンペティターはECUによって計算されるパドルの信号が、クラッチの作動範囲全域において、物理的なポジションとプラスマイナス5%以上乖離していないことを実証する必要がある」
従来はクラッチのバイトポイント付近でより精密な操作が行えるように、クラッチパドルのマッピングを設定することもできたが、2020年からはこれが不可能となる。
つまり一連の変更により、スタート時などにクラッチを繋げる際ドライバーの責任がより大きくなるということを意味している。スタートに失敗するドライバーが出るなど、レース開始直後の”バリエーション”が増えることになるだろう。
その他には、エンジンオイルの不正燃焼による影響を抑制するため、さらに変更が加えられる。オイルタンクからパワーユニットへの、エンジンオイルの移動に関して、規則がより厳格となった。
この中には、補助オイルタンク(AOT)の定義も含まれている。AOTはマシンにひとつだけ搭載が許される。さらにAOTとエンジンを接続する配管を含めて、容量2.5リットルを超えてはならない。そして、それらはソレノイド制御(電気的な信号でオンオフを制御)しなければならない。
サバイバルセル外に存在が許される燃料も2リットルから0.25リットルまで減らされた。マシンの他のエリアでエンジンオイルと燃料を混ぜたり、燃料流量を偽ったりすることを防ぐためだ。
それに加えて、FIAはサイドミラーに関するレギュレーションも変更。ミラーの搭載位置に関する制限を強化し、ミラーから得られる空力面のメリットを最小限に抑えようとしている。
また、2019シーズンのミラーは視認性が限られているとされている。そのため2020年はミラーの位置が、サバイバルセルからの距離が30mm近く、高さが40mm低くなった。つまり2020年はミラーがよりドライバーに近い位置に搭載されることになる。
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