ホンダ”いつかの復帰”を期待するF1。その可能性はあるのか?
F1のロス・ブラウンは、2021年限りでF1活動を終了させるホンダについて、いつか戻って来て欲しいと発言。戻ってくる価値のある規則を作るを語っている。それにより、ホンダがF1に戻る可能性があるのか?

2021年限りでパワーユニット・サプライヤーとしてのF1参戦を終了することを発表したホンダ。この発表を行なった記者会見で、同社の八郷隆弘社長が「参戦終了」という言葉を使ったことに、世界中から注目が集まった。
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海外のメディアでは「これでホンダがF1に戻ってくることは、二度とないのだろう」という声も聞かれた。では、その真意はどこにあったのか? ホンダのブランド・コミュニケーション本部の渡辺康治本部長は、次のように説明した。
「今回は、自分たちのF1に対する活動を、”一旦止める”ということではないです。『休止』という言葉を使うと、次が必ずあるという前提になると思います。また『撤退』という言葉を使えば、戦略的に”少し後ろに下がる”というイメージがあると思います。今回のことは自分たちが決めて、活動を止めるという意味で『終了』という言葉を使ったつもりです」
そう渡辺本部長は語る。
「金輪際F1には戻らない、それを確約するために使っているわけではありません。しかし、今の時点では“いついつに戻ります”というスタンスではないということを、八郷が申し上げているのです」
既報の通り、ホンダがF1活動を終了する理由は、そのリソースを2050年のカーボンニュートラル実現に振り分けるため……ということである。そのためにF1の活動を活かすのは難しくとも、完全電動マシンで戦うフォーミュラEならば寄与するのではないか? そんな見方もある。事実、ホンダは以前から、フォーミュラEの行方について注目していることを公言している。
しかし渡辺本部長曰く、現時点でフォーミュラEに参戦することを目指すわけではないと語る。
「フォーミュラE参戦は、今のところまったく考えていません」
「F1を辞めて、何か別のモータースポーツをやるという、そういうスタンスではないということです。我々がやろうとしていることは、カーボンニュートラルへのシフトです。F1には魅力がないとか、F1はお金がかかりすぎるから……そういうことでは決してないんです」
「フォーミュラEを否定しているわけではありませんが、F1の代わりを探そうということでもありません。ですから、今はフォーミュラEをやるということはないんです」
「そして、今もF1は魅力あるものだと思っています」
F1参戦終了を発表したばかりにもかかわらず、F1の内部からはホンダのF1復帰を期待する声が早くも挙がっている。その筆頭が、F1のモータースポーツ部門のマネージングディレクターを務めるロス・ブラウンだ。
ブラウンは次のように語っている。
「F1が進化を遂げ、彼らの状況が変わった時には、再び彼らと仕事をすることができると楽観的に考えている。ホンダはF1コミュニティの重要な一員であり、歓迎するべき存在であるということは、これまでも、そしてこれからも変わらない」
「2026年までに導入予定の新しいパワーユニットの規則は、彼ら(ホンダ)が再び戻ってくることを促すと期待している」
こういった声が早くも挙がっていることについて、渡辺本部長は感謝していると語った。
「今までやってきたことを認めていただけたのは嬉しいですし、感謝しています。我々としてできるところまでは、一生懸命協力していきたいと思います」
ロス・ブラウンが言うように、次世代PUのレギュレーション次第で、ホンダがF1に復帰する可能性はあるのか? 渡辺本部長は次のように語る。
「今は、ないです」
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