美しきF1マシン:流れるようなクビレ、ボディライン……フェラーリ640
F1マシンは美しい。その中でもひときわ美しいマシンというモノがある。今回取り上げるフェラーリ640は、1989年にフェラーリが走らせたマシン。そのボディラインもさることながら、ハイテクデバイスも搭載した当時としては最先端の1台だった。
1989年のF1グランプリを戦った1台のマシン、フェラーリ640。このマシンもまた、実に美しいF1マシンである。
天才デザイナー、ジョン・バーナードの手による640。低く平たいノーズ、美しいラインを描くサイドポンツーン……コカ・コーラの瓶のような形状であるため、コークボトルと呼ばれた。
エンジンはフェラーリの3500cc V型12気筒。またセミ・オートマチック・トランスミッションを搭載しており、ハイテクデバイス搭載の走りともなった1台である。
ドライバーはナイジェル・マンセル(27号車)とゲルハルト・ベルガー(28号車)のコンビ。ただセミオートマはまだまだ熟成半ば。それ以外にも信頼性が大きく不足しており、数多くのリタイアを繰り返した。その数実に19回。他にも、マンセルがカナダGP(ピットレーン信号無視)とポルトガルGP(ピットレーンでのリバースギヤ使用)で失格、サンマリノGPで大クラッシュして炎に包まれたベルガーは続くモナコGPを欠場、またポルトガルで失格になったにも関わらずその指示を無視して走り続けたマンセルには、次戦出場停止の処分が下るなど、完走したのはわずか9回だった。
ただその9回はいずれも表彰台。マンセルは2勝、2位2回、3位2回でランキング4位に。ベルガーも初入賞は第12戦イタリアGPだったものの、1勝2位2回を記録してランキング7位となった。速いが脆い……そんな1台だったと言えるだろう。
2018年の鈴鹿モータースポーツファン感謝デーには、このフェラーリ640が登場。ジャンカルロ・フィジケラがドライブしている。
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