最終戦完勝も、ホンダ田辺TD「気持ち的にはまだまだメルセデスには敵わなかった」
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターが、アブダビGP決勝レース終了後にオンライン会見に応じ、最終戦は完勝したものの、まだまだシーズンを通しては、メルセデスに敵わなかったと語った。
2020年のF1最終戦アブダビGPで勝利を手にしたのは、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンだった。レッドブル+フェルスタッペンとしては、F1 70周年記念GPに次ぐ今季2勝目、ホンダとしてはピエール・ガスリー(アルファタウリ)が勝利したイタリアGPを加えた3勝目となった。
レース終了後、ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターがオンラインでの記者会見に応じ、優勝という結果で終えられたことを安堵すると共に、来季のさらなる活躍を誓った。
「昨日の予選でフェルスタッペン選手がポールポジションを獲得し、今日は優勝ということで、1年間を良い形で終えることができました」
田辺テクニカルディレクターはそう語った。
「終わりよければ全てよしと言いますが、我々はフォーミュラ1・チャンピオンシップに参戦している立場としては、チャンピオンをとってはじめて良かったということになります。気持ち的には、まだまだ王者メルセデスに、今年は敵わなかったということを胸に刻んで、来年はホンダF1参戦最後の年ということになりますが、悔いのない形で来年の最終戦を迎えられるようにしたいです。そのために明日からまた、開発を続けていきたいと思っています」
メルセデスはMGU-Kの信頼性に懸念があるとして、出力を落として最終戦に臨んだという話もある。田辺テクニカルディレクターは、メルセデスのことは分からないとしながらも、今回に限っては、パッケージとしてメルセデスを上回ることができたと語った。
「メルセデスの話は、我々には本当のところは分かりません。しかし昨日ポールポジションを獲れた、そして今日力強い勝ち方ができたということは、信頼性、PU(パワーユニット)の出力、ドライバー、タイヤマネジメント、戦略などパッケージとしてのパフォーマンスでは、今回はという限定的な話ではありますが、メルセデスを上回ることができたと思います」
なおレース中、「もう少しパワーを落としてもいいよ」というフェルスタッペンからの無線での申し出に対し、チームは「必要ない」と応えたシーンがあったが、これは余裕があったからというわけではなく、レギュレーションに関することだったと田辺テクニカルディレクターは説明した。
「今、レース中に”もういいから”ということでパワーを落とすと、レギュレーションで失格になってしまいますから。だから『それは必要ないよ』という無線でしたね」
田辺テクニカルディレクターは、コロナ禍で例年とは何もかもが違う中、シーズンを通じて尽力してきたスタッフとその家族を労うと共に、世界中のファンに対してもメッセージを送った。
「コロナ禍の中で1年間やってきた中で、我々のスタッフに対して感謝したいと思います」
「スタッフ本人のみならず、それを支えてくれた家族の皆さんにも、御礼を言いたいです。またフライトだったり、ホテルだったり、物流に関しても混乱しました……そういう中でもサポートをしてくれたロジスティクス担当の人たち、ホスピタリティの人たちもとても気を遣って我々の食事を提供してくれました……普段とは違う中で17戦を支えてくれた全ての人たちに御礼を言いたいと思います」
「世界中の多くのファンの皆さんには、生で観戦していただくことがほとんどできなかった。それについては申し訳なく思っています。特に我々ホンダにとっては、日本のファンのみなさんですね。鈴鹿でのレースがキャンセルになり、実際に目の前でレースを見ていただけなかった。今年は、フェルスタッペン選手の走りを、生で見てもらいたかったです。それも叶わなかったのは残念に思っています」
「来年はどうなるか分かりませんが、早く以前のようにレースが開催でき、ストレスのない環境で我々も仕事ができるようになればいいなと思っています」
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