今や中団の一角……前進した今季のウイリアムズ、弱点は”バトルでの弱さ”?
F1シュタイアーマルクGPの予選でQ2進出を果たしたウイリアムズのジョージ・ラッセル。彼はレース序盤のバトルの際にコースオフしてポジションを落としたが、今季マシンには手応えを感じているという。
George Russell, Williams FW43, leads Kevin Magnussen, Haas VF-20, and Daniil Kvyat, AlphaTauri AT01
Charles Coates / Motorsport Images
2020年のF1第2戦シュタイアーマルクGP決勝レースを、ウイリアムズのジョージ・ラッセルは16位でフィニッシュした。
ラッセルは前日に行なわれた豪雨の予選で12位、他車にペナルティが科されたこともあり、11番グリッドからレースをスタートさせた。入賞寸前のポジションからのスタート……これは大苦戦に陥っていた昨シーズンと比べれば、雲泥の差とも言える。
しかしレース序盤、セーフティカー走行が解除された直後の4周目、ケビン・マグヌッセン(ハース)とポジションを争っていた際にターン6でアウト側にコースオフ。ポジションを大きく落とすことになり、入賞の可能性はここでほぼ潰えた。
「僕の前にはランド(ノリス/マクラーレン)と(ランス)ストロール(レーシングポイント)がいた。そして僕は、ランドの真後ろにつけ、ターン3でイン側を走ろうとしていた。でもケビンが外側にいて、次のターン4のブレーキングで僕をオーバーテイクしていった」
ラッセルは当時の状況をそう説明する。
「でも彼はコーナーをワイドになったから、僕はコーナー出口でイン側のラインを取り、ターン6ではアウト側になりながら、ポジションを守ろうとした。でも、ブレーキングを遅らせすぎてしまった。リヤタイヤをロックさせたことでラインを外してしまい、グリップがなくなった……完全に僕のミスだ。チームに申し訳ない」
ただその後はレースペースでも苦戦することになった。ラッセル曰く、前を走るマシンに近づいた時に、かなり苦労するのだという。
「予選と比較して、レースペースでは大いに苦戦した。だからとても難しいレースになった」
「ひとつ言うと、前を走るマシンに近付くと、本当に苦労するんだ。マシンは空力的にとても敏感なように感じる。クリーンエアで走ると、マシンのフィーリングはとても良い。でも前のマシンの2秒以内に近付くと、大きな問題になるんだ」
「分析を進めていく必要がある。この2週間は、非常に興味深いモノだった。当初は予選でもう少し苦労し、比較的良いペースを手にレースに臨むものと思っていた。それはテストで学んだことだし、開幕戦の金曜日にも学んだことだった」
「でも、結局は2レースで状況が完全に異なってしまった。今回のレースでは予選で速かったけど、レースでは本当に苦労したんだ。F1は予選が鍵になるスポーツだけど、ここはレースできるサーキットだった」
「今日は僕のミスで台無しにしたから、あまりレースには参加できなかった。しかし僕らのペースを見ると、結局は同じようなポジションにいただろう」
このマシンの空力的な敏感さが緩和されることを願うと、ラッセルは語る。
「ポイントを獲得できるのは、日曜日のレースだ。でも多くのサーキットでは、予選の結果も重要になる。基本的には、前にマシンがいない状態では、比較的速いマシンを持っていると思う」
「他のチームと同様、まだマシンを学習している段階だ。空力の開発部門が問題を理解し、小さな変更を加えることで、他のマシンを追いかける時の挙動をもう少し安定させることができることを願っている」
またラッセル曰く、今年のメルセデス製パワーユニットは、大きな前進を遂げたように感じているという。
「メルセデスのパワーユニットは、大きく改善されたと思う。予選モードから、大きな恩恵を受けている。これは、間違いなく僕らを手助けすることになる。一歩後退したと言われるフェラーリ製のパワーユニットを使う、ハースやアルファロメオと比較してね」
ラッセルにとって良いレースとはならなかったシュタイアーマルクGP。しかし昨年とは異なり、中団グループを争えているということを、ラッセル自身は喜んでいる。
「正直に言って、良いスタートが切れ、そして良い1周目と走ることができて嬉しかった。それは、去年苦労したことだし、改善したいと思っていたモノだった。僕らはそれを実現したんだ」
そうラッセルは語る。
「昨年1年間、僕は戦うことができなかった。でも、今日は中団グループにいた。昨年、一度も経験したことがないことだった。他のドライバーを攻撃するのはどんな風に感じるのか、そして前にマシンがたくさん走っている時、ダウンフォースがどう不足するのか、そういう経験を積んでいる」
「学ぶためには、ミスを犯さなければいけないこともある。去年はあちこちでたくさんのミスを犯し、そこから学ぶことになった1年だった」
次のハンガリーGPでは、今回よりもさらに明るい見通しだと、ラッセルは考えている。
「データの上では、ハンガリーの方がマシンに合っていると思う。これはポジティブなことだ。僕らのマシンは、まだ空気抵抗が大きい。1周のアタックでは、パワーユニットでそれを補うけど、レースでは少し苦戦することになるんだ」
「ハンガロリンクは、ドライブするのが好きなサーキット。Q2進出が絶対的な目標になると思う」
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