「我々はまだ追いかける立場」ホンダ、ハンガリーGPでPUを”プッシュ気味”に使用
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、F1ハンガリーGPの決勝レースで2位入賞を果たした。田辺テクニカルディレクター曰く、このGPでホンダは、相対的な性能差を埋めるべく、パワーユニットを”プッシュ気味”に使ったという。
Max Verstappen, Red Bull Racing RB16
Andy Hone / Motorsport Images
F1第3戦ハンガリーGPの決勝レースで、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが2位、チームメイトのアレクサンダー・アルボンは5位に入賞を果たした。
この結果を見ると好成績だと言えるかもしれない。しかし、前日の予選でレッドブル勢はフェルスタッペンが7位、アルボンにいたっては13位と大いに苦しんだ。
「ハンガリーGPに入ってから、フリー走行〜予選と、非常に厳しい結果でした。でも今日のレッドブル2台のレース展開と結果は、非常に喜ぶべきことだと思っています」
ハンガリーGPの決勝レース終了後、ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、そう語った。確かに田辺テクニカルディレクターが言う通り、レッドブルにとってハンガリーGPの決勝レースは、非常にうまく行ったと言ってもいいだろう。
「レース前、マックスがコースに出ていって、ウォールにぶつかってしまいました。そして、足回りまで壊してしまった……どうなることかと思いましたが、グリッド上での懸命な作業の結果、スタートすることができました。チームの一体感という意味では、非常に良い出来事だったと思います。もちろん、ぶつからないのが一番良いですが……」
「レースでも、変わりやすい天候の中、タイヤのデグラデーションと当時履いていたコンパウンド、そしてポジションなどを見ながら、チームは臨機応変にピットインのタイミングを考えていた。結局レース中に雨は降りませんでしたが、チームのストラテジーが非常に良い形で機能したと思います」
なお同じホンダ製のパワーユニットを使うアルファタウリは、ハンガリーGPを無得点で終えた。中でもピエール・ガスリーは、予選でトラブルに見舞われたため、予定を前倒ししてパワーユニットを交換。しかし決勝レースでは、ギヤボックストラブルによりリタイアとなってしまった。ガスリーがマシンを止めた際、マシンからは大量の白煙が吹き上がっていたためにパワーユニットのトラブルのように見えたが、PUには問題なかったようだ。
「ガスリー選手は最近乗れていたので期待していたんですが、ギヤボックストラブルでリタイアと、またも残念な結果でした。彼のギヤボックスも、そしてPUも、ホンダとして解析します。来週はレースがありませんから、その間を使って解析と対応を進めていきたいと思います」
「トラブルの詳細までは掴んでいませんが、PUは大丈夫です。ご覧になったように白煙を吹き上げていますので、被害がないか確認しますが、PUの方は大丈夫だと思っています」
なおホンダは、今回のレースで”プッシュ気味”にPUを使っていたという。これは、相対的な戦闘力を上げるためだと、田辺テクニカルディレクターは語る。
「レースの状況を見ながらですが、少しプッシュ気味にPUを使いました、相対的な戦闘力を上げることが狙いでした」
「レッドブルは、(メルセデスに比べて)劣勢でした。だから、ホンダとして何ができるかということを考えた時に、プッシュして使いたいと考えました。無謀にやっているわけではありません」
「ここまで戦ってきた中で、エンジンの使い方、最初に想定していた使い方、実際に使ってのダメージなどを見ながら、この先の使い方を考えていく……貯金していたものとどう使っていくか、いつまでに使い切るかというのを考えたということです。今の状況を少しでも改善するために、PUをどう使ったらいいのかということを考えた結果、少しプッシュすることにしました」
ここまで戦って、王者たるメルセデスとの差をどう感じているか? 田辺テクニカルディレクターは、それについて、次のように語った。
「PUだけという言い方は、非常に難しいと思っています。しかしながら、まだ我々は追いかける立場。決して追いついていません。それはPUも、そして車体も含めたパッケージ全体もそうだと捉えています」
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