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アルボン、ムジェロで初表彰台。ホンダ田辺TD「表彰台を獲ってくれという想いだった」

ホンダのF1テクニカルディレクターである田辺豊治がトスカーナGP決勝終了後にオライン会見に応じ、ムジェロ・サーキットで開催されたトスカーナGPを振り返った。

Daniel Ricciardo, Renault F1 Team R.S.20 , battles with Alex Albon, Red Bull Racing RB16

Mark Sutton / Motorsport Images

 イタリアGPとはまた違った形の波乱のレースとなったトスカーナGP。舞台はF1初開催のムジェロ・サーキットである。度重なるクラッシュのせいで、多くのマシンがリタイア……2度の赤旗中断を伴う、完走わずか12台というサバイバルレースだった。

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 そんな中でホンダ製パワーユニット(PU)搭載マシンは、4台中2台が完走。レッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボンが自身初となる3位表彰台を獲得し、アルファタウリ・ホンダのダニール・クビアトは7位でフィニッシュしてポイントを持ち帰った。

「ムジェロでの初開催のレースは、赤旗2回という荒れたレースになりました。でもまずは、アルボン選手が自身初の3位表彰台を獲得したことにおめでとうと言いたいです」

 ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、トスカーナGP終了後に行なわれたオンライン記者会見でそう語った。

「クビアト選手は12番グリッドからスタートしながら、クラッシュやトラブルが多発したレースを最後まで走り切り、7位入賞……両チームの中で調子が悪いなと思われていたアルボン選手とクビアト選手が、きっちりとポイントを獲得しました。チーム、担当エンジニア、ドライバーのモチベーションという面で、後半戦に向けて良いベースになったと思います」

 初の表彰台獲得となったアルボンは、ルノーのダニエル・リカルドとのバトルを制してのフィニッシュを果たした。

「ルノーとの戦いは、簡単ではないと思っていましたが、結構良いペースで走ってくれていました。このコースは抜きどころが少ないという下馬評でした。実際に抜きにくいという事実はありましたが、高速コーナーではライン取りに自由が効くので、大外刈りのようなこともありました。だから、きっと抜けると思って見ていました……というより、行け、表彰台を獲ってくれという想いで見ていました」

 一方でマックス・フェルスタッペンとピエール・ガスリーは、レース序盤に揃って姿を消すことになった。しかもフェルスタッペンは、PUのトラブルにも見舞われていた。

「フェルスタッペン選手は、スタート直後にPUのトラブルによってポジションを落とし、この失速が原因でクラッシュに巻き込まれ、リタイアということになってしまいました。ガスリー選手もこのクラッシュに巻き込まれてしまい、1周目にして2台を失うことになってしまいました」

 フェルスタッペンはスタート前から、PUの不調を訴えていた。しかし、その問題とは別に、フォーメーションラップ開始時から不具合が確認できたという。

「彼がレース前に訴えていたのとは、全然違う問題です。止まったことの原因となった事象が起こりはじめたのは、フォーメーションラップに向けてグリッドを離れたところからです」

 なお前戦イタリアGPでも、フェルスタッペンはPUの不調に見舞われ、リタイアを喫している。すでに調査はスタートしているというが、イタリアでのトラブルとも別の問題だった可能性が高いと、田辺テクニカルディレクターは言う。

「エンジンの調子が悪くなった……ということ自体は一緒ですが、原因は違うのではないかと思います」

「(結果的にはクラッシュで止まってしまったが)走り切れないようなトラブルだったかどうかは、まだ解析しているところです。PUにダメージがあるのかどうかについても、まだ分かりません」

「日本では、原因究明を既に開始しています。徹底的に解析して、後半戦に一切持ち込まないよう、対応したいと思っています」

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