分析

F1 トスカーナ・フェラーリ1000・2020ムジェロGP

F1トスカーナGP決勝戦略予測:初開催ムジェロは1ストップ主流?

高速で、コース幅が狭いムジェロ……おそらくオーバーテイクは難しいだろうと考えられる中、各チームはトスカーナGPの決勝をどう戦うつもりなのか? 決勝で考えられる戦略を分析してみる。

田中 健一

編集: 2020/09/13 5:46

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Valtteri Bottas, Mercedes F1 W11

 まもなく決勝レースを迎える2020年のF1第9戦トスカーナGP。舞台はムジェロ・サーキット……おなじみの名前ではあるものの、F1グランプリは初開催であり、多くの未知な部分を孕んでいる。

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 このサーキットは、レイアウト的には高速コース。右に左にと高速でターンしていくコーナーの連続であり、マシンを押さえつけるために大きなダウンフォースが必要になる。つまりマシンには横方向の力がかかるため、タイヤにはかなり厳しいとの予測がなされていた。そのため、最も硬い組み合わせであるC1(ハード)、C2(ミディアム)、C3(ソフト)の3種類が持ち込まれている。

 ただ金曜日の走行を見る限り、タイヤの性能劣化はそれほど大きくなさそう。ソフトタイヤでもかなり長い距離を走ることができそうで、計算上はソフトタイヤを使った1ストップ作戦が中心となりそうだ。

 しかもここムジェロは、大きなブレーキングポイントがないこと、コース幅が狭いということもあり、オーバーテイクが難しい。つまり、追加のピットストップを行なうことでポジションを落とすことは極力避けたいのだ。これも、1ストップを後押しする要因のひとつとなっている。

 ただピレリの計算上では、ソフトタイヤを2スティントで使う2ストップ作戦が最も速いという。そのため、この作戦を採ってくるチームもあるかもしれない。そしてその可能性が最も高いのは、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンではないだろうか?

 フェルスタッペンは、実は予選をうまく戦ったことで、新品のソフトタイヤを1セット残した状況で、決勝レースに挑むことになる。そして、メルセデスの2台とこのフェルスタッペンのパフォーマンスは、4番手以下を大きく引き離しているため、もし3番手を走っていたのならば、ポジションを落とさずに新品タイヤを手にできるかもしれない。先頭に立っていたり、あるいはメルセデス勢2台の間に割って入るポジションにいるのなら、この2ストップ作戦にはあまりメリットが見出せないかもしれない。しかし、3番手だったならば、懸けてみる可能性もあるだろう。

 さてトップ3に次ぐ位置を争うことになると見られるのが、レッドブル・ホンダのもう1台であるアレクサンダー・アルボンと、レーシングポイント勢である。レーシングポイント勢は特にミディアムタイヤでのペースが優れている。デグラデーションは若干大きそうな状況だが、これまでの2戦よりも大きなダウンフォースが必要なムジェロのサーキット特性に、合っているようだ。

 一方でスパとモンツァで力を見せたルノー勢は若干苦戦。レーシングポイントとそのポジションが入れ替わった格好のように見える。その後方にはマクラーレンとアルファタウリが続く。アルファタウリは前戦イタリアGPで感動的なレースを見せたが、戦闘力的には今回は若干厳しい状況である。

 このレースでF1デビュー1000レース目を迎えるフェラーリは、予選ではシャルル・ルクレールが気を吐き、イエローフラッグにも助けられて5番グリッドを手にした。ただ決勝レースペースは、彼ら自身も指摘している通りそれほど良くはなく、後方から攻めてくるライバルたちをどう抑え込むかというレースになりそう。記念すべき節目のレースを迎えたフェラーリは、まだまだ苦しい戦いが続きそうである。

 劇的なレースから1週間後。初開催サーキットでの1戦は、どんな結末を迎えることになるのだろうか? F1トスカーナGPの決勝レースは、9月13日(日)の22時10分スタート予定だ。

F1トスカーナGPの各種データ

■タイヤのデグラデーション値
ソフトタイヤ:0.042秒/周
ミディアムタイヤ:0.006秒/周
ハードタイヤ:0.014秒/周

■ピットストップのロスタイム
22秒前後(最速21秒)

■タイヤの性能差
ソフト←(0.9秒)→ミディアム←(0.7秒)→ハード

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