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ホンダが目指す”カーボンニュートラル”とは?「近いうちに、具体例を示したい」

ホンダは、2050年にカーボンニュートラルを実現するため、2021年限りでF1活動を終了すると発表した。しかし、彼らが目指そうとしている”カーボンニュートラル”とは一体何なのか?

Honda Logo

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Andy Hone / Motorsport Images

 ホンダは、2021年限りで、パワーユニット(PU)サプライヤーとしてのF1活動を終了することを明らかにした。2015年からスタートしたホンダ”第4期”F1参戦。2019年にようやく初優勝を遂げ、今季はコンスタントに表彰台を争えるようになった。そして来年こそはタイトル争いに……と思った矢先の参戦終了の発表に、嘆く声が多く訊かれた。

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 ホンダが参戦を終了する理由として挙げたのは、これまでF1にかけてきたリソースを、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて振り分けたいということだった。

 ホンダが目指すカーボンニュートラルとは、一体どんなモノなのだろうか?

「我々としては、カーボン・ニュートラルだけを実現しようとしているわけではありません」

 ホンダの渡辺康治ブランド・コミュニケーション本部長は、そう前置きした上で次のように語った。

「世の中が求めるものが、もっと持続可能性のある方向に、急速にシフトしていってしまいました。もちろん、我々も以前から考えていたのですが、新型コロナウイルスを経験したことで、求められるスピードが加速してしまった。それが大きな変化点だと思います。我々がこんなスピードで開発していてはだめだということです」

 渡辺本部長はそう説明する。

「この持続可能というもののにひとつに、カーボンニュートラル=環境対応というのがあって、それをすごいスピードで進化させていかなければいけないんです。しかも我々はホンダ自動車じゃなくて、本田技研工業です。四輪だけじゃなく、二輪も汎用も、ジェット機もやっている。その全てのパワーユニットでしっかりと環境対応をしていかないと、社会の要請に応えられないと思いました」

「今F1を担当していただいている方々は、その領域のプロです。その人たちに先進パワーユニット・エネルギー研究所(本田技術研究所内に、今年の4月に新たに設けられた研究所)に異動していただき、カーボンニュートラルの世界をリードするような仕事をしていただくのが、我々にとって必要なことだと判断しました。そのためには、F1を続けることができないということです」

「F1に興味がないとか、F1がダメだとか、そういうこと(が参戦終了の理由)ではありません。我々としてやらなきゃけないことが別のところにあったというのが、今回の決断の理由です」

 ホンダとしての”独創性・独自性”を保つ上でも、この先進パワーユニット・エネルギー研究所を充実させることが必要だと、渡辺本部長は語る。

「本田技術研究所は、1960年に本田技研工業から独立しました。未知の世界を開拓し、新しい価値を創造するというのがこの研究所設営の趣旨であり、我々の独自性、独創性の源泉だったのです」

「しかし時代が進むにつれ、量産開発の研究が占める割合が増えていきました。この量産の開発は、100%成功しなければなりませんし、効率も求められることが増えました。未知の世界を開拓……という目標は薄れ、現実的な開発が主になっていったんです。その点について議論になり、今年の4月に『このままではダメだ』ということになりました」

「そのため、未知の世界の開発という部分を、研究所で強化しようということになりました。(創業者の)本田宗一郎がいた時の、99%の失敗と1%の成功……そういう研究ができるようにし、独自性、独創性を強化しようということになったのです」

「この独自性を取り戻すために、F1のスタッフを異動させようということです。それを実現しないと、企業としてエッジを取り戻せない。今回はその根本を取り戻すための経営判断だったと理解しています」

 F1も2030年を目指し、カーボンニュートラル実現への道のりを進めている。しかも、現在のF1が使っているPUは、超効率的なモノ。しかもそれを物凄い速さで開発しなければならない。そういう意味では、ホンダが目指すカーボンニュートラルを実現する上で、F1は絶好のプラットフォームであるようにも思える。しかしこれについて、渡辺本部長は次のように語った。

「F1の開発をやっていれば、カーボンニュートラルを全部達成できるかと言われれば、決してそうではないです。定められた開発の中身を、決められたタイムラインで実現していかなければいけません」

「だから相当な開発スピードが求められます。F1ではなくとも、スピード競争は経験できると思います」

 カーボンニュートラルの実現が必要な分野について、渡辺本部長は一例を明かしてくれた。

「汎用エンジン(GXエンジン)は、CO2の規制が非常に厳しくなります。これをクリアできないと、年間で数百万台のエンジンが売れなくなってしまいます。しかもこの汎用エンジンは、ものすごく安くなければいけません。環境対応もしながら、開発コストも下げなければいけないのです。全部を見て、対応していかなきゃいけないのです……ゆっくりやっていては間に合わない……後がないんですよね」

 とはいえ今後ホンダが何を目指していくつもりなのか、近いうちに具体例を発表したいと渡辺本部長は語る。

「カーボンニュートラルというのは、あくまで概念の話です。近いうちに機会を作って、具体的に何をしたいのか、それをお示ししたいと思っています。そうしないと、一般の方々にはご理解いただきにくい話だと思います。ですので、具体例をお見せしながら、意見交換をさせていただきたいと思います」

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