ホンダ田辺豊治テクニカルディレクター「ホンダ勢には厳しいイタリアGPになった」
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターが、イタリアGPの決勝レース終了後に会見に応じ、陣営にとっては厳しい結果となったイタリアGPを振り返った。
The damaged cars of Max Verstappen, Red Bull Racing RB16B, and Lewis Hamilton, Mercedes W12, are removed by marshals
Steve Etherington / Motorsport Images
2021年のF1イタリアGPは、ホンダ製パワーユニット勢にとっては厳しいレースとなった。
アルファタウリの角田裕毅はスタートできず、そのチームメイトであるピエール・ガスリーもレース開始後早々にリタイア。そしてレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、タイトルを争う最大のライバルであるメルセデスのルイス・ハミルトンと接触してリタイア……全4台中3台がリタイアとなったのだ。
唯一完走を果たしたセルジオ・ペレス(レッドブル)も、3番手でフィニッシュしながらタイム加算ペナルティにより5位に降格してしまった。
「今日のイタリアGPは、レッドブルのペレス選手のみが完走と、我々ホンダ勢にとっては非常に厳しい結果になりました」
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、そう語った。
「9番手からスタートしたペレス選手は粘り強く走って3番手でフィニッシュしましたが、レース中に5秒のペナルティを受けたことからレースリザルトとしては5位入賞となりました。コンストラクターズチャンピオンシップを争っているチームにとって、貴重なポイントを持ち帰ってくれました」
「アルファタウリは2台のマシンともにトラブルを抱え、角田選手がスタート前、ガスリー選手がスタート直後にリタイアすることとなってしまいました」
「中盤のフェルスタッペン選手とハミルトン選手との接触により、フェルスタッペン選手がリタイアを喫し、ホンダ勢としては3台がリタイアとなってしまいました」
イタリアGPの舞台となったモンツァ・サーキットは、世界屈指の超高速サーキット。そのためチームは以前から、メルセデスの方に分があるのではないかと語っていた。
その危惧は現実のモノとなり、予選ではメルセデス勢がフロントロウを独占。しかしハミルトンはスプリント予選レースでスタートに失敗してポジションを落とし、そのスプリント予選レースを勝ったバルテリ・ボッタスも、パワーユニット交換で最後尾グリッドに降格……その結果、フェルスタッペンが決勝レースをポールポジションからスタートすることになった。厳しい状況の中でも、レッドブル+ホンダ陣営には追い風が吹いたように見えた。
ただその流れも決勝レース中盤に潰えることになった。
「予選の結果が全てだと思います。今日のボッタス選手の走りを見ても、メルセデス完全優位だという状況だったと思います」
今回のメルセデスとのパフォーマンス差について尋ねられた田辺テクニカルディレクターはそう語った。
「そんな中、昨日のスプリント予選の結果、そしてボッタス選手がPUを交換したことにより、フェルスタッペン選手がPPからスタートすることになりました。昨日までは(そういう)いい形で歯車が回っていたのですが、流れが大きく崩れてしまい、接触リタイアということになってしまいました」
ハミルトンと接触したフェルスタッペンのマシンのPUについては、外見では大きなダメージはなさそうに見えるものの、しっかりとチェックを行なうと田辺テクニカルディレクターは語った。
「見た目はそれほどダメージはないと思います。しかしPUをマシンから下ろして、上から下から横から、前後含めて確認していきます」
「そしてファクトリーに戻し、全てを確認して、状況を判断します」
夏休み明け以降、3週連続でグランプリを開催してきた2021年のF1。このイタリアGPでその連戦も終わり、約2週間の間隔を経てロシアへと向かう。
「この先の残る後半戦、まだまだレースは続きます。ここからもチャンピオンシップ獲得に向けては厳しい戦いが続いていきますので、我々はすぐにこの先のレースに向けて準備に入ります」
「持っているハードウエアのパフォーマンスを、最大限発揮するつもりです。次は通常のレースフォーマットになりますので、パルクフェルメに入るまでセッションが3回あります。だからゆっくりできるわけではないですが、予選、レースに向けての最適化を進めていきます」
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