ハースF1小松礼雄エンジニア、新人シューマッハーを語る「彼は常に成長しようとしている」

F1トルコGPで予選Q2に進出するなど、厳しい状況にも関わらず輝きを見せるミック・シューマッハー。そんなシューマッハーについて、同チームのレースエンジニアである小松礼雄は「常に前進している」と語った。

ハースF1小松礼雄エンジニア、新人シューマッハーを語る「彼は常に成長しようとしている」

 ハースF1のチーフ・レースエンジニアである小松礼雄は、トルコGPで予選Q2進出を果たしたルーキーのミック・シューマッハーについて、「彼にはポテンシャルがあるので、驚きではない」と語るとともに、常に成長していると明かした。

 シューマッハーは、”ほぼ乾いた”難しい路面コンディションとなったF1トルコGPの予選Q1で、マクラーレンのダニエル・リカルドやアストンマーチンのセバスチャン・ベッテルを打ち負かし、14番手タイムを記録。Q2進出を果たした。

 これでシューマッハーは、フランスGPに続き今季2度目の予選Q1突破。フランスGPの時には、自身がクラッシュしたことにより後続のマシンがタイムを更新できずにポジションを確保できたという側面も強かったが、今回はまさにしっかりと戦い抜いてのQ2進出。今季のハースのマシンの戦闘力を考えれば、大健闘の結果だったと言えるだろう。

 しかしハースのチーフ・レースエンジニアである小松は、この結果は驚きではなかったという。

「それほど驚いたわけではありませんでした。彼は予選で、変化していくコンディションの中で非常に良い仕事をしました。今年の我々のマシンのペースは皆さんがご存知の通りですが、今回はライバルの何人かを凌ぐことができるコンディションでした」

 そう小松エンジニアは語る。

「彼は本当に良い仕事をしました。でも、本当の意味で驚かされたわけではありません。彼にはポテンシャルがあります。それを最大限に発揮できたわけです。彼は適切なタイミングで、全てをそのラップで発揮しました。素晴らしい結果だったと思います」

 今季F1デビューを果たしたシューマッハー。これまでの最高位はハンガリーGPでの12位と入賞には届いていないが、ロシアGPを除く全15戦を完走。厳しい時にも常に前を向き、自身を高めつつあると小松エンジニアは明かす。

「ミックは本当に一生懸命働いていると思います。そして良い週末でも悪い週末でも、良い意味で自己批判的なんです」

「彼は常に、改善すべきところを探しています。彼が『OK! 僕はここを絞り出した。でもこっちを改善する必要がある』というようなことを言った時には、落ち込んでいるわけではなく、モチベーションが高まっているんです。ですから彼は、常に自分のことだけでなく、自分が影響を与えることができる他の全てのことにも目を向けています。それは素晴らしいことですし、全ての努力がそれに費やされています」

「エンジニアとも、一生懸命働いています。彼の担当エンジニアは、ミックの態度からモチベーションを引き上げられています。従って、どちらにとっても効果的なんです」

 前述の通り、トルコGPの予選は路面が”ほぼ”乾いているという難しいコンディションだった。直前に行なわれたFP3はウエットコンディションであり、誰もがウエット系のタイヤでのみ走行。シューマッハー陣営は、金曜日の夜から土曜日にかけてマシンのセッティングを変更したものの、ドライ路面でそれを試すことができずに予選に臨んだ。そしてセッション中にもセッティング変更を施したことで、高いパフォーマンスを発揮することに成功……つまりドライバーとエンジニアのチームプレイにより、Q2進出という結果を手にしたわけだ。

「彼らは夜の間に、マシンにいくつかの変更を加えました。でももちろん、ドライコンディションでテストをする機会がなく、予選に臨みました」

「でも、以前ミックが競争力を発揮した時のセッティングがあったので、それを試してみました。そして、予選のセッション中にマシンのバランスを大きく改善することができたんです。それで、フロントのフィーリングで、彼に自信を持たせることができました」

 FIA F2に参戦していた当時も、レースごとに改善を見せ、参戦2年目には速さと安定性を兼ね備えてチャンピオンに輝いたシューマッハー。F1に昇格した後、その前進するためのモチベーションは、さらに高まっているようだ。そのため小松エンジニアは、成長のきっかけとなったレースなどはないと語る。

「彼は常に学び、改善し、吸収していると思います」

 そう小松は語る。

「フリー走行でクラッシュして、予選パフォーマンスに影響を及ぼしたということもありました。それについてはすぐに話したり、1週間後に改めて話したりします。でも、何も言わずに放置したり、見なかったふりをするようなことは決してありません」

「そして彼は、エンジニアと密に協力しています。私も、彼と緊密に協力して働いています。考え方だったり、週末へのアプローチの仕方だったり……間違ったことだったり、何かを実現するための考え方など、ネガティブなことでもポジティブなことでも、今後の週末に向けてポジティブな方向にまとめようとします」

「ですから、彼が一歩成長した週末を、正確に特定することはできません。彼は常に、改善しようとしていると思います」

 

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