ホンダF1、ドライバーズランキング”同点”でアブダビ最終レースへ……田辺テクニカルディレクター「最終戦も全力で」
F1サウジアラビアGPを終え、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとメルセデスのルイス・ハミルトンが、まったくの同点でランキング首位に並ぶことになった。田辺TDは王座獲得のため、最終戦に全力で挑むと語った。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
F1第21戦サウジアラビアGPを終えたホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、ドライバーズ及びコンストラクターズチャンピオンが決まる最終戦アブダビGPに向け、チーム一丸となって戦っていきたいと語った。
F1サウジアラビアGPでは、レース中盤をレッドブルのマックス・フェルスタッペンが首位を走ったものの、最終的にはメルセデスのルイス・ハミルトンに先行され、優勝されるという結果になった。
これによりドライバーズチャンピオンシップでは、フェルスタッペンとハミルトンがまったくの同ポイントで並び、最終戦を迎えることになった。またコンストラクターズタイトル争いでは、メルセデスが1位&3位でフィニッシュした一方で、レッドブルはセルジオ・ペレスがリタイア……28点差をつけられてしまった。
「初開催のサウジアラビアでのレースは、色々なことが起こりました。その波乱のレースの中で、最終的にフェルスタッペン選手が2位となり、ハミルトン選手と同一ポイントに並びました。とにかく最終戦も全力で戦い、チャンピオンを獲得できるように、我々としても準備して臨みたいと思います」
「ペレス選手は、リスタート後の混乱の中、他車と接触したことでリタイアとなってしまいました。これでコンストラクターズチャンピオン争いはかなり厳しい状況となってしまいましたが、まだ可能勢がゼロになったわけではないので、最後まで全力で、チーム一丸となって戦っていきたいと思います」
田辺テクニカルディレクターが言うように、ここまで21レースを戦ってきて同点。全ては、最終戦の結果次第ということになった。
「今年初戦からここまで戦ってきて、最終戦を前に同点に踏みとどまって戦いを挑めているということは、非常に良い形で進めてこられたのではないかと思います」
そう田辺テクニカルディレクターは続ける。
「過去数年を見ていくと、ここまでもつれるような形でのドライバーズチャンピオン争いは展開できていません。今年そこにチャレンジし続けて、そして今ここにいられるということは、我々としてはポジティブだと思います」
「当然あちら(メルセデス)も同じ心境でいると思いますので、精神戦と技術の両面で負けないように、最後のレースを迎えたいと思います」
なお今回のサウジアラビアGPでは、フェルスタッペンには審議対象になるような動きが多かった。これについて尋ねられた田辺テクニカルディレクターは、次のように語った。
「我々は最終戦も最善を尽くします。フェルスタッペン選手は常に最善を尽くしてくれていると思いますが、最終戦もそういう形で走ってくれればと思っています。私からは、特に言うことはありません」
また決勝レース中には、審議結果が出るのが遅れたり、判定に疑問が残る事例も散見された。田辺テクニカルディレクターは、今回のレースはF1にとっても学びの1戦となったのではないかと語った。
「クリーンで、きちんとした戦いができることを望んでいました。そんな中で適切な判断がなされたのかなと思うところも少しあります」
そう田辺テクニカルディレクターは語った。
「アクシデントがあったとしても、納得できる判断だったのかと言えば、それについては少し疑問が残ると思います。F1のレースを戦っている者のみならず、オーガナイズする側としても、初開催のこのレースで起きたことは、F1にとって良い学びになったと思います。少し偉そうな言い方かもしれませんが」
また山本雅史F1マネージングディレクターも、裁定に疑問が残るシーンがあったと語った。
「客観的に見ると、最初のセーフティカー中に、ボッタスがハミルトンとかなり間隔を開けて走ったのは、ペナルティ対象の審議になるのじゃないかなと思って見ていました」
そう山本マネージングディレクターは語った。
「フェルスタッペンにハミルトンが追突した件も、レッドブル側はポジションを明け渡すと言っているんだから、FIAから両チームにもっとアナウンスが徹底されるべきだったと思います」
「そういう色々なフラストレーションが溜まるレースだったというのが、個人的な印象です」
そう語る山本マネージングディレクターだが、最終戦をしっかり戦い、ホンダF1として最後のレースで全てを出し切りたいと誓った。
「同点にはなりましたが、フェルスタッペンがここまで9勝を挙げているので、勝率の面では一歩先行しています」
「最終戦で勝った方がチャンピオンです。ホンダF1としては後悔がないように、しっかりとやり切りたいと思います」
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