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ホンダF1、3連勝。田辺豊治テクニカルディレクター「戦略の成否は最後まで分からない……ものすごい緊張感」

F1フランスGPの決勝終了後に会見に応じたホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、優勝した喜びを語ると共に、ものすごい緊張感の中で戦っていることを明かした。

Max Verstappen, Red Bull Racing RB16B, 1st position, crosses the line to the delight of his team on the pit wall

写真:: Drew Gibson / Motorsport Images

 ポール・リカール・サーキットで行なわれたF1フランスGPで、レッドブル・ホンダはマックス・フェルスタッペンが優勝、セルジオ・ペレスが3位と、ダブル表彰台を手にした。ホンダがレッドブルと組んで以来、同チームがダブル表彰台を獲得するのは2020年のバーレーンGP以来だ。

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 またアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが7位、チームメイトの角田裕毅が13位と、ホンダPU(パワーユニット)勢は4台が揃って完走、そしてうち3台が入賞を果たした。

 ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターはこのフランスGPの結果について、「非常に満足できる結果だった」と振り返った。

「今回のグランプリは、ホンダPUを使う4人のドライバーが、それぞれ持てる力を十分に発揮してくれました」

 そう田辺テクニカルディレクターは語る。

「我々ホンダとしては、満足いく結果になったと思います。もちろん、まだまだ上を狙える余地はあります。でも、優勝したことも含めて満足いくフランスGPでした」

「金曜日から色々とデータを解析して、我々の強みと弱みを理解した上で、予選とレースに向けてセットアップを進めていきました。それがうまくいったんだと思います。また、レース前に雨が降ったことで路面のラバーが落ちてしまいましたが、レース中にラバーが乗っていくことを予想しながら、タイヤ戦略にうまく結びつけることができ、ドライバーもそれを理解しながらコントロールした……そういうところが今日の結果に結びついたと思います」

 レッドブル・ホンダとしては、初めて経験するタイトル争い。しかし田辺テクニカルディレクターは、ホンダのF1活動第2期(1983〜1992年)にタイトル争いを経験している。当時と比べてどんな違いがあるのか? そう尋ねられると、田辺テクニカルディレクターは次のように語った。

「とにかく持てる力を十分に発揮し、絶対にミスは犯さない……そういう気持ちとプレッシャーの中で、現場のメンバー全員が作業を行なっています。それは、基本的には今も昔も変わりません」

「今はコンストラクターズランキングでも、ドライバーズランキングでもトップに立っています。でもひとつ間違えれば、すぐに逆転されてしまうというような状況です。なので今のポジションをいかに維持するのか……そういうプレッシャーも上乗せされています。我々全員がそういう気持ちの中で仕事をしています」

「私個人で言えば、第二期の時はデータエンジニアだったり、ドライバー担当エンジニアだったりしましたが、今はホンダの現場の技術的な領域は全て見るというような立場です。それによりプラスアルファのプレッシャーがかかっています」

 今回のレースは、それに輪をかけて、手に汗握るような展開だった。1回のピットストップでレースを走り切るかと思いきや、フェルスタッペンは首位を走りながらも2回目のタイヤ交換を敢行。これでポジションを落としたばかりか、20秒もの差を削らなければならなくなった。最終的にはこの戦略が成功し、ハミルトンを抜いて優勝を手にしたわけだが、フェルスタッペンが首位に返り咲いたのは残り2周というところ……チーム内の緊張感たるや、想像するのも難しい。

「エキサイティングなレースだったとみなさんに見ていただけているのなら、我々には真反対のプレッシャーがかかっていると言えると思います」

 そう田辺テクニカルディレクターは説明する。

「戦略を2ストップに切り替えたチームの判断、それを主導した人、その変更を許可した人……全員の思いをかけてやっています。それが成功するかしないかは、最後の1周というところまで分からなかった。その緊張感や想いは、物凄いモノがあります」

 ただこの戦略を成功させた中には、ペレスの存在が大きい。ペレスが上位で走っていたからこそ、フェルスタッペンが2回目のピットストップをしたのを見ながらも、メルセデス陣営は容易に動くことができなかった。もしペレスがあの位置にいなければ、メルセデスはフェルスタッペン攻略のために様々な戦略を打ち立てることができたはずだ。ペレスがレッドブルのマシンに慣れ、高いパフォーマンスを発揮し始めたこと、これはタイトル争いを繰り広げていく上でも、強力な武器となるだろう。

「アゼルバイジャンGPの時にも顕著に現れていたと思います」

 ペレスの”効果”について、田辺テクニカルディレクターはそう語る。

「我々がレッドブルと組んでから、フェルスタッペンひとりでメルセデス2台に対峙するということが続いてきたと言えると思います。でも今年はペレスが加入し、彼が徐々にペースを上げてきています。彼の走りは手堅く、予選で失敗してもレースでは良いところまで上がってくる。しかし常に上位を走れるようになってきました。アゼルバイジャンではフェルスタッペンがリタイアしてしまいましたが、それまで2番手を走っていたペレスが優勝してくれました」

「これまではフェルスタッペンvsメルセデス勢2台という状況が多かった。もし今回のレースもそういう状況であれば、ハミルトンにポジションを落とさずにピットストップできる余裕を与えてしまっていたはずです。でもペレスが上位で走っていたから、彼ら(メルセデス)も容易には動けなかった。そういう意味では、2台体制が活かせるようになってきました」

「これから先、チャンピオンを争っていくためには、これが非常に重要です。その強みを発揮するレースが、今後もできればいいと思っています」

 

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