ホンダF1、4連勝。山本雅史マネージングディレクター「黄金時代を少し思い出した……記憶に残る、有終の美となるシーズンにしたい」
ホンダF1の山本雅史マネージングディレクターがF1シュタイアーマルクGP決勝後に取材に応じ、4連勝を挙げたことについて、1988年や1991年といった「ホンダF1黄金時代を少し思い出した」と語った。
写真:: Glenn Dunbar / Motorsport Images
レッドブルリンクで行なわれた、F1シュタイアーマルクGP。勝利を手にしたのは、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンだった。
この勝利で、レッドブル・ホンダはモナコ、アゼルバイジャン、フランス、シュタイアーマルクと4連勝。ホンダにとっては、マクラーレンと組み、アイルトン・セナを擁した1991年以来の4連勝である。
ホンダのF1マネージングディレクターを務める山本雅史は、シュタイアーマルクGPの決勝終了後にオンライン記者会見に出席し、今回の勝利について次のように語った。
「予選の時から、今回はレッドブルのホームコースであったということもあり、緊張感がありました。しかしフェルスタッペン選手については、ひと言で圧巻でした」
山本マネージングディレクターはそう語った。
「フェルスタッペン選手は、予選で2番手を0.2秒引き離す圧巻の走りを見せました。レースもポール・トゥ・ウインで、完璧なレースだったと思います。レッドブルはもちろん、ホンダの現場のエンジニア、メカニックの全員にも感謝したいと思います」
「とはいえ、ハミルトン(ルイス・ハミルトン/メルセデス)は手強いです。メルセデスの(トト)ウルフ代表には先ほど会いまして、ホンダは非常に良くなったと褒めていただきましたが、拮抗した状況であるのはその通り。1戦1戦しっかりと戦っていかなきゃいけないと思います」
「来週も同じサーキットでのレースですが、しっかりやっていきます。タイヤは1段階柔らかくなりますが、その条件はみなさんと同じ。また面白いレースができるんじゃないかと思います」
「ホンダとしては、1991年以来の4連勝。良い方向に来ていると思っています。まずは1991年の記録に並んだので、次は1988年(最強マシンであるマクラーレンMP4/4と、アイルトン・セナ&アラン・プロストを擁して年間16戦15勝を達成)でしょうか……黄金時代のことを少し思い出してしまいますが、引き続きしっかりとやっていきます」
ホンダは今季限りでF1活動を終了する。そんな中でこの好調ぶり……社内からはどんな反応が上がっているのだろうか? そう尋ねられた山本マネージングディレクターは、次のように語った。
「最近は、さまざまなカテゴリーでホンダが勝っています。先週はMotoGP(ドイツGP/マルク・マルケス/レプソル・ホンダ)でも久々に勝ち、スーパーフォーミュラ(SUGO/福住仁嶺/DOCOMO TEAM DANDELION RACING)やインディカー(ロードアメリカ/アレックス・パロウ/チップ・ガナッシ)でも勝った。あちこちのレースでホンダが勝っています。なので青山のウエルカムプラザには、レッドブル・ホンダとMotoGPマシンが飾られるなどしました」
そう山本マネージングディレクターは語る。
「またF1の優勝記念ポスターが、役員フロアや私の席があるフロアにたくさん貼ってあったり……そういう写真が送られてきています」
「このまま突き進んで欲しいというメッセージもたくさんいただいていますし、これで辞めちゃうのは勿体ないねというコメントもいただいています。また、モータースポーツ部長の長井(昌也)とも連絡を取り合っていて、鈴鹿での日本GPに向けて色々と準備をしてくれています。ホンダの社内は、この7年間の間で一番盛り上がっていますよ」
「しかし我々は、田辺(豊治F1テクニカルディレクター)共々戦場で戦って、有終の美を飾って、記憶に残るシーズンにしたいと思っています」
その鈴鹿サーキットでの日本GPに向けては、鈴鹿サーキットやFIA、FOMなどもなんとか開催すべく準備を進めている。これに向けて山本マネージングディレクターは、次のように語った。
「レッドブルのホームコースであるレッドブルリンクで優勝できたことで、チームとしての一体感はさらに強くなると思います。来週(オーストリアGP)も勝つことができれば、さらにそれは強固なモノになれると思います」
「先日クリスチャン(ホーナー/レッドブルのチーム代表)とコーヒーを飲んでいた時、彼が『鈴鹿でのレースは絶対やりたいね』と言ってくれました。そういう意味では、鈴鹿に向けての非常に良い関係を強化できると思っています。本当に、鈴鹿でレースをやりたいですね」
また山本マネージングディレクターは、シュタイアーマルクGPで今季3回目の入賞を果たした角田裕毅(アルファタウリ)についてもコメント。今回のグランプリをノーミスで終えられたことで、学ぶことができたはずだと語った。
「厳しいご意見をお持ちの方がいらっしゃるのは承知の上ですが、今回のグランプリでは3日間本人のミスなく終えることができました。ボッタス(バルテリ・ボッタス/メルセデス)を予選で邪魔したという一件はありましたが、チームとの無線交信など、厳しい判定でした」
そう山本マネージングディレクターは語る。
「ミスなく終えられたことで、週末の過ごし方を勉強できたのかなと思います。レースは11番手からスタートし、10位でゴールして1ポイントを獲得しました。予選ではQ3にも進みましたし、来週も楽しみになりました」
「頑張りすぎて、やらかしてしまうという悪い癖をなくせば、3日間うまく過ごせるということを学べたと思います。今後も、しっかり応援していきたいと思います」
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