角田裕毅、シュタイアーマルクGPでの10位に満足も「より良いポジションにたどり着く別の方法もあった」
アルファタウリ・ホンダの角田裕毅は、F1シュタイアーマルクGPを10位でフィニッシュした。角田は今回の結果に満足しており、次も同じアプローチをして、ミスのない週末を目指すと語った。
写真:: Sam Bloxham / Motorsport Images
アルファタウリ・ホンダの角田裕毅は、F1シュタイアーマルクGPの決勝レースを10位でフィニッシュした。
角田は予選で8番手タイムを記録したものの、3グリッド降格ペナルティを受け、11番グリッドからのスタートとなった。スタート直後は他車の脱落もありポジションを上げたが、その後は前を行くジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)やフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)をなかなか攻略できず、最終的にはアロンソの後ろ、10位でのフィニッシュとなった。
ただ角田は、これで今季3度目の入賞。前回のフランスGPでは、自身の予選でのミスもあり入賞に辿り着けなかった。しかし今回はノーミスでチェッカーフラッグを受けた。
「レースにはとても満足しています。先週から、良い一歩を踏み出すことができました」
角田はレース後にそう語ったが、さらに上の順位も狙えたはずだと悔しがる。
「でも正直なところ、10位よりも良いポジションに辿り着く別の方法もあったと思います。それでも良い一歩だったと思いますし、ここオーストリアでのペースが良いことは既に分かりました。だから来週に向け、全てをまとめ上げて良いポイントを獲得する準備をしたいと思います」
これまで、スタート後にはポジションを落とすことが多かった角田。しかし今回のレースでは、前述のようにポジションを上げることができた。
「運が良かったです。これまでの僕は、ポジションを落としてしまうことが多かったですが、今回はキープすることができました。これまでのレースよりも、アグレッシブにしてみたんです。それで、ポジションを守ることができました。良かったです」
角田はグリッド降格ペナルティを受けたがこの影響は大きく、さらに今後は同じようなことを繰り返さないようにしたいと語った。
「ペナルティは、本当に痛かったです。二度と同じようなことをしないようにしなければいけません。僕とエンジニアの無線交信には、誤解もありました。だから同じことが起きるのを避けるために、分析する必要があると思います」
角田はレース中の無線でのコミュニケーションも改善したいと考えている。
「無線交信を改善しなければいけません。タイヤのフィードバックを、あまり伝えることができなかったと思います。だからチームは、僕の状態を把握できていなかった」
「チームは僕にプッシュさせようとしました。その結果、タイヤを序盤に使いすぎてしまい、前の2台を抜くだけのグリップが失われてしまっていました。1周ごとのフィードバックを増やせば、チームは僕が置かれている状態を正確に把握できると思います。序盤に別の形で話し合うことができていれば、8位になることもできたかもしれません」
「小さなことが、大きな違いを生み出すこともあります。だから、次に向けて改善しなければいけません」
モナコGP以降、角田はヨーロッパでの拠点をチームのファクトリーがあるイタリアのファエンツァに移し、チーム代表のフランツ・トストが組み立てたスケジュールに沿って日々を過ごしている。今回の結果も、この効果が出たためと言えそうだ。
「フランツは今週を迎える前に、間違いなくプレッシャーをかけました。『今週末はミスをしないようにしろ』と僕に言ったんです。僕はそれを成し遂げました。だから、満足してくれていると思います。でも、彼をもっと満足させるやり方もあったと思います。だから来週はもっと彼を喜ばせるようにしたいと思っています」
次戦も舞台は今回と同じレッドブルリンクで行なわれるオーストリアGPである。今週末を通じて競争力を発揮したことで、次戦に向けた期待感が高まっている。
「ポール・リカールに比べて、タイヤマネジメントはうまくいったと思います。ポール・リカールではタイヤを完全に使い果たしてしまいましたが、ここではタイヤマネジメントがうまくいったんです」
「でも、フェラーリとは比較できませんね。今日、彼らのペースは非常に力強かったです。だから選手権の順位をかけ、今後はフェラーリと戦っていくことになると思います。もっとプッシュする必要があると思いますが、予選のペースはあります。だから来週は、もっとうまくやれるようにしたいと思います」
そのオーストリアGPでも、ミスをしないように務めると角田は語る。
「僕は同じアプローチをしなければいけません。もしまたプッシュしてしまえば、ポール・リカールと同じような形で終わってしまうかもしれません」
「ミスをしない週末を2週続けることは、基本を作り、自信を築いていく上で僕にとっては重要です。だから次も、同じアプローチをしていくつもりです。気を楽にして臨み、ポイント獲得を目指します」
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