フェラーリのサインツJr.、ハードタイヤを”フル活用”しオーストリアGPで5位「だんだん楽しくなりつつある」
フェラーリのカルロス・サインツJr.は、F1オーストリアGPで5位入賞。ハードタイヤでスタートする戦略が大当たりしたわけだが、自分にできることを証明しつつあると、手応えも感じているようだ。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
フェラーリのカルロス・サインツJr.は、F1オーストリアGPの決勝レースを5位で終えた。これでサインツJr.は、レッドブルリンク連戦でいずれもポイントを獲得したということになる。
ただサインツJr.は、予選では11番手となり、Q3進出を逃した。しかしセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)がフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)のアタックを妨害したとして3グリッド降格となったため、10番グリッドからスタートすることになった。
なおQ2を突破したドライバーは、そのQ2で最速タイムを記録した際に履いていたタイヤで決勝レースをスタートすることが義務付けられている。しかしサインツJr.はQ2での敗退となったため、決勝スタート時のタイヤを自由に選択することができ、なおかつトップ10圏内からスタートするという権利を手にしたのだ。
サインツJr.がスタートで選択したタイヤはハード。スタート直後こそ苦しんだものの、最終的にはこの選択が功を奏することになった。
「特にスタート直後は、ハードタイヤを履いたということもあり、予想していたよりもかなり厳しいレースになった。ソフトタイヤやミディアムタイヤを履くライバルたちに比べて、グリップがまったくなかったんだ」
そう語るサインツJr.は、スタート直後に4つポジションを落とすことになった。
「でも、なんとか落ち着くことができ、最初のスティントを長く伸ばすことができた。そのことが、後半にミディアムタイヤを履く1ストップ戦略という選択肢を与えてくれた」
「レース後半は楽しかった。レース前半には大したことができていないと思っていたのに、結局はうまくいったんだ」
セーフティカーが出なかったことも、サインツJr.にとっては幸運だったようだ。
「最初のストップをせずに48周も走るなんて思っていなかった。セーフティカーが出動するだろうと思っていたから、この戦略はうまくいかないと考えていたんだ」
「でもペースを組み立て、ユーズドタイヤを使ったにも関わらず良いペースで走ることができ、シャルル(ルクレール/フェラーリ)、ダニエル(リカルド/マクラーレン)を抜くことができたんだ」
「楽しかった。戦略とペースが、レースごとに改善しているのを確認できたからね。そしてゆっくりとだけど、『カルロスは日曜日になにができるのか』ということを示すことができ始めている」
「スタート直後にあんなに苦しむとは思わなかった。そんな代償を払わなければいけないとは知らなかった。でもそれを除けば、なんとか落ち着いていくことができたし、2レース連続でマシンを最大限に活用できた。どんどん楽しいという気持ちが大きくなり始めているんだ」
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