角田裕毅の鮮烈なデビュー戦をF1公式YouTubeも紹介! 得意のブレーキングで王者を次々パス
F1開幕戦バーレーンGPで9位入賞を果たした角田裕毅。数々のオーバーテイクを成功させた角田裕毅の鮮烈なデビュー戦は、F1公式YouTubeチャンネルでもハイライトとして特集されている。

F1開幕戦バーレーンGPでデビューを果たしたアルファタウリ・ホンダの角田裕毅。彼は13番グリッドからスタートして9位入賞を果たしたが、レース中にはオーバーテイクを数々披露。F1ルーキーのデビュー戦としても強烈なインパクトを残した。
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そんな角田の鮮烈なデビューレースは、F1公式YouTubeチャンネルでも動画として特集されるほど。『Yuki Tsunoda's Stunning F1 Debut(角田裕毅の鮮烈なF1デビュー)』と題されたその動画では、スタートに失敗してポジションを落とした角田がみるみるとポジションを上げていく様が克明に記録されている。
16番手を走っていた角田はジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)を交わして15番手に上がった後、9周目のターン1でセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)をパスして14番手に浮上した。角田はブレーキングゾーンに入った時点ではベッテルに並びかけられていないが、そこから絶妙なブレーキングでベッテルとの間合いを詰め、ターン1のエイペックスでオーバーテイクに成功した。
1回目のタイヤ交換を終えた角田は21周目、今度はエステバン・オコン(アルピーヌ)に迫る。イン側から抜きにかかる角田に対してオコンは牽制をかけるが、角田はそれをうまくいなして13番手に上がった。
次の標的はステイアウトを選択して角田の前に立っていたベッテル。24周目のターン1で楽々パスした。そして26周目のメインストレートではフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)に接近。こちらもターン1へ向けたブレーキング開始時はかなりの距離があったにも関わらず、そこから一気に差を詰めて交わしてみせた。自らの幼少期から既にスターであったアロンソをオーバーテイクした角田は無線で思わず「フー!」と一言。レース後には次のように語っていた。
「フェルナンドを抜いた時、僕はかなり感動しました」
「僕の父はフェルナンドのファンで、彼のドライビングスタイルが大好きなんです。父は鈴鹿でフェルナンドを見て、そして最終コーナーとその立ち上がりの速さが、彼を最高のドライバーに押し上げたと言っていました」
「ターン1では彼のスキルを信頼し、オーバーテイクしました。僕はデビューしたばかりのルーキーですから。結構距離のあるところから抜いたので、ちょっと申し訳なかったですが……抜くことができて嬉しかったです」
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その後2度目のタイヤ交換を終えた角田は、11番手で38周目を迎えた。彼の前に立ちはだかるのはまたしてもF1チャンピオン経験者。キミ・ライコネン(アルファロメオ)だ。ターン1への飛込みではライコネンがイン側にラインを変更したこともあり抜きあぐねた角田だが、続く短いストレートでDRSを使用すると、ターン4手前で簡単にパスしてポイント圏内の10番手に浮上した。
56周目のターン1でランス・ストロールをオーバーテイクした際も、やはり距離のあるところから得意のブレーキングで鼻先をねじ込んだ。9番手でチェッカーを受けた角田は、チームから無線で「ユウキ、チェッカーフラッグだ! 9位だよ! 素晴らしいレースだった。今年は楽しめそうだね」と声をかけられると、こう返した。
「今週末、僕たちは良くやったね。簡単な週末ではなかったけど、本当に良いF1デビューになったと思うし、みんなのことを誇りに思うよ! 本当にありがとう」
本人も自らの武器と自負するブレーキングの巧さを存分に見せつけた今回のデビューレースのパフォーマンスには、各所から称賛の声が寄せられている。F1のモータースポーツ部門を取り仕切るロス・ブラウンは角田を「ここ数年のF1で最高のルーキー」と評し、最大限の賛辞を送った。角田の第2戦以降に向けた期待は高まるばかりだ。
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