片山右京、角田裕毅を語る「慣れるまでにはもう少し……でも楽しみにしていた日が近付いているはず」

今季アルファタウリ・ホンダからF1デビューを果たした角田裕毅は、開幕戦こそ入賞したものの、その後は苦しいレースが続いている。しかし元F1ドライバーの片山右京は、角田の活躍を心から期待していると語る。

片山右京、角田裕毅を語る「慣れるまでにはもう少し……でも楽しみにしていた日が近付いているはず」

 1992年にヴェンチュリのドライバーとしてF1デビューを果たした片山右京。その後ティレル、ミナルディと渡り歩き、1997年までF1に参戦したが、結局表彰台には届かなかった。最高位は、1994年のブラジルGPとサンマリノGPの5位である。

 その片山に、今季F1デビューを果たした角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)について聞くと、「楽しみにしていた日が、疑いの余地なく近づいている」と語った。

 角田はここまでF1で4レースを走った。開幕戦では9位入賞を果たしたものの、その後は自身のミスやマシントラブルが重なり、無得点のレースが続いている。

 ただ片山は、角田の活躍を心から期待しているひとりだ。

「テストの時、いきなりトップタイムを出したじゃないですか。最終的にはマックス(フェルスタッペン/レッドブル)に抜かれてしまったけど、その瞬間にもうやられました。言葉はないですよ。泣きそうになりましたもん」

 そう片山は語った。

「良い車、例えばメルセデスに乗れれば何勝もするだろうし、チャンピオンだって獲れるかもしれない。そういう存在だと思います」

「もちろんアルファタウリも悪いマシンじゃないけど、ナンバー1のマシンではないですからね。それなのに一時トップタイムを出すとは……F2でライバルと同じマシンに乗った中で、ひとつ頭を出せる才能を持ったドライバーが、あの若さで出てくるような時代に、日本もなったんだなと感じました」

「それには(佐藤)琢磨がインディに勝ったり、いろんな積み重ねがあったからなんだけど、ついにその時代が来たと思いました」

 実戦では苦戦が続く角田だが、F1は簡単な世界ではない……慣れるにはもう少し時間がかかると片山は言う。

「慣れるまでには、もう少し時間がかかると思います。F1って、そんなに甘いモノじゃないですからね。ライバルたちも、これまで以上の強者だらけ。世界中から集まったトップの20人ですからね。でも、彼にはずば抜けた速さがある。その速さと、良いマシンが噛み合ったら、ついにこの日が来るかもしれない……。いつかこの日が来るはずだと、疑いながらも楽しみにしていたその日が……もう疑いの余地もなく近づいていると思います」

 角田は、日本大学第三高等学校に入学し、その後和光高等学校に編入している。実は片山も、日大三高の出身。つまり角田は、片山の後輩ということになる(ちなみに和光高校は、佐藤琢磨の出身校。つまり角田は、佐藤の後輩でもあるのだ)。

「彼は僕と同じ相模原出身で、日大三高が産んだヒーロー。そういう後輩が出てきて、これ以上嬉しいことはないですよ。”俺のおかげだ!”と言いたいところだけど、全然関係ないんだよね」

 角田が”楽しみにしていたその日”、つまり優勝する日が来たら、泣いてしまうだろうと片山は語る。

「(角田が勝ったら)泣くね。想像しただけで、泣きそうになってしまう。それがモナコだったりしたらどうする?? そんな日が来たら、この前のマスターズ(松山英樹が優勝)と同じで、僕らはみんな”ありがとう”しか言えないと思う」

「僕が現役の時は、結果が伴わなかった。その汚名を返上してくれるかもしれない」

 片山は1994年にティレルで光る速さを見せ、翌年ベネトンに誘われたが、これを片山が断ったという逸話が残っている。結果として1995年のベネトンは、ミハエル・シューマッハーのチームメイトに、ジョニー・ハーバートを起用。シューマッハーがタイトルを獲得し、ハーバートは2勝を挙げた。つまり片山が誘いに乗ってベネトンのシートを手にしていれば、勝っていた可能性がある。つまり、日本人のF1初優勝は、その時に達成されていた可能性があったのだ。

 角田がこのまま順調にキャリアを進めていけば、その片山が残した”忘れ物”を手にしてくれるかもしれない。そんな期待感を多くの人が持っている。

「もうね、そういう負け惜しみを言う必要はなくなったと思うよ。その時を楽しみに、(角田の活躍を)見ていようと思います」

 

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