レッドブル重鎮ヘルムート・マルコ、ホンダのサポート継続を喜ぶ「状況が変わったことを、神に感謝する」

ホンダ(HRC)からのサポートが2025年まで延長されたことについて、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは、「神に感謝している」と語った。

Helmut Marko, Consultant, Red Bull Racing

Helmut Marko, Consultant, Red Bull Racing

Carl Bingham / Motorsport Images

 レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは、ホンダと2025年まで仕事ができるようになったことを、「神に感謝している」と語った。

 ホンダは昨年限りでF1活動を終了させ、レッドブルとアルファタウリは、レッドブル・パワートレインズのパワーユニットを使うことになった。当初の予定では、2022年はホンダが全面的にサポートするものの、2023年からはレッドブル・パワートレインズが、ホンダが設計したパワーユニットを製造、組み立てなければならない予定だった。

 しかし8月2日、ホンダはレッドブル・グループの要請を受け、HRC(ホンダ・レーシング)を通じてレッドブル・パワートレインズに向けたF1用パワーユニットの技術サポートを2025年シーズン末まで続けることを発表。今後もHRC Sakuraで、PUの各コンポーネントの組み立てや運用、メンテナンス、開発凍結はされているものの可能な範囲の開発を続けていくことになった。

 レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは、motorsport.comの姉妹媒体であるmotorsport-total.comの独占取材に応じ、ホンダのサポートを継続して受けられることに感謝していると語った。

「ありがたいことに、日本側で方針を変更してくれた。本来であれば、2023年からはパワーユニットを自分たちで組み立てる必要があった。しかしそのためにはスペアパーツが必要であり、そのサプライヤーの90%は日本企業だったんだ」

「技術的、技術的、さらには言語的なことが問題になるだろう。だから、状況が変わったことを神に感謝する。現在、ホンダは2025年末までパワーユニットを製造してくれることになっている」

 今後もレッドブル・パワートレインズのパワーユニットは、HRCのメカニックのみが作業を担うことになるという。

「パワーユニットは箱に入って配送され、問題があればホンダ(HRC)のメカニックのみが、作業することができるようになっている」

 マルコはそう説明するが、そうなればレッドブル・パワートレインズではどんな仕事が進められているのだろうか? これについてマルコは、次のように続けた。

「(レッドブル・パワートレインズには)現在は300人の従業員がいる。彼らは2026年からのレギュレーションに向けて取り組んでいる。つまり新しいメーカーが入って来れば、協力することができるのだ」

 そうマルコは説明する。

「彼らは、我々の施設を利用することもできる。これもひとつのボーナスポイントだ。しかも、6つのテストベンチを備えた、新しいファクトリーを使うこともできるのだ。全てが最高の基準にある」

 2026年以降、レッドブル傘下のチームであるアルファタウリは、レッドブルとは異なるパワーユニットを使うとの噂もあった。しかしマルコはこの噂を否定した。

 2026年以降も、アルファタウリもレッドブルと同じパワーユニットを使うのかと尋ねられと、マルコは次のように語った。

「そうだ。その通りだ」

 モロッコの反カルテル機関が公開した書類によれば、レッドブルはポルシェとの提携を既に決定済みであると言われる。その書類には、8月4日にも正式に発表される予定だとも記されていたが、まだ発表には至っていに。これについてマルコは、次のように語っている。

「状況は非常にシンプルだ。フォルクスワーゲンの上層部の決定は、テクニカルレギュレーションが基準を満たしていれば、彼らはF1に参加する義務を負っているということだ」

「これには、コスト上限や持続可能性、炭素を排出しない燃料、新規参入メーカーとしての条件……そういうものに影響を与える。しかしその新しいレギュレーションは、厳密にはまだ存在していない」

「言及された基準が、全てレギュレーションに反映されなければいけない。そうでなければ、全てが意味をなさないだろう」

 レギュレーション決定の障壁になっているのは、新規参入メーカーとしての優遇措置であると、マルコは明らかにする。

「新規参入メーカーが得られる、テストベンチの稼働時間が障壁のひとつだ。他のレギュレーション同様、新規参入メーカーの準備期間が少なければ少ないほど、既存メーカーにとっては良いことだろう。コスト上限によって、投資できる額は限られているからね」

 レッドブルが2026年から組むメーカーを新規参入メーカーと認めさせるためにも、ホンダのサポートを2025年まで受けられることになったのは、レッドブルにとっては重要だとマルコは語る。

「このことは、2026年に新規参入というステータスを得るためにも、とても重要なことなんだ」

 
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