ミック・シューマッハー、フェラーリとの契約を終了。来季メルセデスのリザーブドライバーに就任「彼らのパフォーマンスに貢献するため、全力を尽くす」
フェラーリのドライバー・アカデミーに4年にわたって所属してきたミック・シューマッハーが、同プログラムから離れることを、フェラーリが正式に発表。そして来季はメルセデスのリザーブドライバーを務めることになった。
フェラーリとミック・シューマッハーは、今季限りで協力関係を解消することを発表した。その直後にメルセデスもリリースを発表し、来季シューマッハーをリザーブドライバーとして起用することを明らかにした。
シューマッハーは2019年からフェラーリの若手ドライバー・プログラムに参加。FDA(フェラーリ・ドライバー・アカデミー)のドライバーとして、2019年と2020年のFIA F2にプレマから参戦し、2020年にはシリーズチャンピオンに輝いた。
その後、2021年にはハースからF1デビュー。初年度は厳しいシーズンとなり無得点に終わったが、2022年にはイギリスGPで8位に入り初入賞を果たすと、続くオーストリアGPでも6位入賞。合計12ポイントを獲得し、ドライバーズランキング16位に入った。しかし、25ポイントを獲得したケビン・マグヌッセンには大きな差をつけられることになった。
フェラーリは12月15日、オフィシャルサイトに短い声明を発表し、シューマッハーとの契約を今季限りで終了させることを明らかにした。
フェラーリはこの声明の中で、シューマッハーに対して短いメッセージを送っている。
「スクーデリア・フェラーリは、この4年間何kmもの距離を共に走ってきたミックに感謝すると共に、彼の将来の成功を祈っている」
このフェラーリの発表の直後、メルセデスがシューマッハーをリザーブドライバーとして起用することを明らかにした。メルセデスのリリースに、シューマッハーは次のようにコメントを寄せた。
「2023年のリザーブドライバーとして、メルセデスの一員になれることにワクワクしているし、この非常に競争の激しいプロフェッショナルな環境で、彼らのパフォーマンスに貢献するために全力を尽くすことを約束する」
そうシューマッハーは語る。
「僕はこれを、新たなスタートと考えており、トト(ウルフ/チーム代表)と僕に信頼を寄せてくれた関係者全員に感謝している」
「F1はとても魅力的な世界であり、学びが止まることはない。より多くの知識を吸収し、メルセデスの利益のために全力を尽くすのを楽しみにしている」
またメルセデスのウルフ代表も次のように語り、シューマッハーの加入を歓迎した。
「ミックは才能ある若いドライバーであり、彼がチームに加わってくれることを嬉しく思う」
そうウルフ代表は語った。
「彼は勤勉で冷静で、几帳面なアプローチを取る。ドライバーとして学び、向上していくことに貪欲なんだ」
「これは全て重要な特性であり、彼が『W14』の開発をサポートしてくれることを楽しみにしている。またF1での2年間の経験により、必要に応じてルイス(ハミルトン)またはジョージ(ラッセル)の代役としてすぐにマシンに乗り込む準備ができているということも分かっている」
ウルフ代表は以前から、シューマッハーをリザーブドライバーとして起用することに興味を持っている旨を明かしていた。
ミック・シューマッハーの父親であるミハエル・シューマッハーは、F1デビュー以前にはメルセデスの育成ドライバーとしてスポーツカーレースを戦ってきた。F1デビュー後はジョーダン、ベネトンと渡り歩き、フェラーリでタイトル5連覇を果たすなど”皇帝”として君臨。2006年限りでF1を一旦引退する。その後2010年にF1復帰を果たしたが、その時の所属チームは新生メルセデスであり、恩返しをした格好となった。
ウルフ代表は以前、次のように語っていた。
「ミハエルの息子でシューマッハー家のミックは、我々にとって常に親しい存在だった」
「我々はもしもの時にも彼をサポートできるし、彼もチームにふさわしい」
「彼は馴染むと思うし、私はオープンに考えている。もし彼が望むなら、サビーネ(ケーム/シューマッハーのマネージャー)が望むなら、我々は成り行きを見守ることになる」
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