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F1分析|レッドブルも困惑。強みだったはずの”タイヤマネジメント”が発揮できず敗戦……そのペースを振り返る

レッドブルはお膝元であるレッドブルリンクでのオーストリアGPで敗戦。強みだったはずのタイヤマネジメントを活かせず、大きなデグラデーションに苦しめられた。そのペースがどんなモノだったのかを振り返ってみる。

Max Verstappen, Red Bull Racing RB18

写真:: Alessio Morgese

 F1オーストリアGPは、フェラーリ勢の圧勝に終わった。

 戦前には、今回もレッドブルのマックス・フェルスタッペン有利という見方が強かった今回のグランプリ。実際、予選でもフェルスタッペンがポールポジションを獲得し、スプリントでもトップチェッカー……勢いそのままに、決勝も逃げ切るのではないか……多くの人がそう思ったのではないだろうか。

 しかし実際には様相は大きく違った。決勝レースがスタートすると、フェルスタッペンはタイヤのデグラデーションに苦しみ、ペースがみるみるうちに下落。フェラーリ勢にオーバーテイクされてしまい、すぐにピットインすることになった。

 その後はフェラーリ勢よりも早め早めにピットインする作戦を展開。これにより苦境を打破しようとしたが、サインツJr.がリタイアしたことで2位を手にするのが精一杯。昨年は1ストップだったオーストリアGPを、3ストップで走破したのだ。

 フェルスタッペンがどれほど苦しんだのか、レースペースを分析してみよう。まずは、スプリントのレースペースである。

F1オーストリアGPスプリント ペース推移

F1オーストリアGPスプリント ペース推移

Photo by: Motorsport.com / Japan

 スプリントでフェルスタッペンは、ポールポジションからスタート。チームメイト同士でバトルを繰り広げるフェラーリ勢を尻目に、23周を逃げ切ってみせた。そのレースペースの推移を見ると、多少のデグラデーションの傾向は見られるものの、実に安定したものだった。対するフェラーリ勢も基本的には安定しているものの、チーム内バトルがあったとはいえ、ペースが上下動。フェルスタッペンにプレッシャーをかけることができなかった。

 なお、このスプリントでのデグラデーション値を算出すると、フェルスタッペンは1周あたり0.043秒。対するルクレールも0.043秒……つまりほぼ互角だったわけだ。

 スプリントの後、フェルスタッペンは「決勝ではタイトなレースになると思う」と慎重なコメントを発した一方、ルクレールは「マックスはずっと前を走っていたから、タイヤをコントロールしやすかったはず。僕らが負けたということではない」と決勝に向け楽観的なことを言っても、フェルスタッペンが優勢であるという見方を崩す材料とはならなかった。

F1オーストリアGP 決勝レースペース推移

F1オーストリアGP 決勝レースペース推移

Photo by: Motorsport.com / Japan

 しかし決勝レースになると、その様相が一変する。上のグラフが、オーストリアGPの決勝レースのペース推移である。

 第一スティントでのフェルスタッペンは、走れば走るほどペースが低下。そのデグラデーション値は1周あたり0.112と、スプリントよりも3倍弱酷いものだった。対するルクレールは0.064秒/周、サインツJr.は0.036秒/周と、スプリント同様だったのである。

 第2スティントでは、レースペース推移を見ると、フェルスタッペンは序盤かなりペースをコントロールしていたようで、デグラデーションがほぼ見られない。しかしこのスティントの8周目頃からはやはりペースが落ち始め、早々にピットストップせざるを得なくなってしまった。

 ただ第3スティントでは、少し傾向が異なる。前の2スティント同様、確かに前半はデグラデーションの傾向があるが、スティント終盤にはペースが戻りつつある。この段階でセーフティカーが入ったため、その真相は分からないが、そのまままずまずのペースを維持できた可能性も否定できない。ただ、フェラーリ勢はそれ以上に力強いペースで走っていたため、挽回するのは簡単ではなかっただろう。

 しかもセーフティカー後の第4スティントは、フェラーリのルクレールはスロットルにトラブルを抱えていた。しかしそれでも、フェルスタッペンは攻略することができなかった。もしルクレールにトラブルがなければ、その差はより大きかったと言えよう。

 今季はここまで、デグラデーションの面ではレッドブルが優勢。フェラーリ勢は予選では速いものの、決勝ではデグラデーションに苦しみ、レッドブルの後塵を拝してきた。しかし今回はその勢力図が大逆転することになった。

 決勝日の朝には雨が降ったこともあり、路面コンディションは前日までとは確かに違っていたかもしれない。しかしレッドブルとしても、なぜ今回これほどまでに苦戦した理由を理解できていないという。

 マシンに何らかのトラブルがあったのか? それとも、何らかの理由で決勝日の路面がRB18に極端に合わないモノになっていたのか……それを解明することが、今季のチャンピオンシップを優位に展開していく上で、重要なものとなるだろう。

 一方フェラーリ勢は、今回はルクレールが勝利したものの、相変わらず信頼性の面に苦しめられた。勝利のチャンスがありながら、あわや全滅という状況であったわけだ。いかに速いマシンを手にしていたとしても、レースを走りきれなければ意味がない。これが、今後に向けた大きな課題となろう。

 さて前回のイギリスGPで復活の兆しを見せたメルセデス勢は、レッドブルリンクではシルバーストンのようなパフォーマンスを披露できなかった。中団グループからは完全に抜け出したとはいえ、上位2チームはまだまだ先。コース特性によって、そのパフォーマンスの浮き沈みがありそうだ。夏休みまではあと2戦。ポール・リカールとハンガロリングでのメルセデスは、上位を脅かす存在となるのか? それとも3番手チームのままなのか。これも気になるところだ。

 
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