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F1分析|フェラーリの”不思議”なレースペース。SCのタイミングはフェルスタッペンの助けになった?

レッドブルのマックス・フェルスタッペンが勝利を手にしたF1フランスGP。そのレースペースを見てみると、リタイアに終わったシャルル・ルクレール(フェラーリ)に気になる傾向があることがわかった。

Charles Leclerc, Ferrari F1-75, Max Verstappen, Red Bull Racing RB18

写真:: Steven Tee / Motorsport Images

 2022年のF1第12戦フランスGPは、ある意味不思議なレースだったと言えよう。

 このレースでポールポジションからスタートしたのは、フェラーリのシャルル・ルクレールだった。好スタートを決め、先頭でレースを進めていったルクレールだったが、後続を引き離すことができず、苦しいレースになったかに見えた。レッドブルのマックス・フェルスタッペンが真後ろにつき、プレッシャーをかけ続けているように見えたのだ。

 ルクレールのペースは徐々に下落し、これに付き合わされるようにフェルスタッペンのペースも落ちていった。当初は後続よりも1周につき1秒ほど速かったふたりのペースは、7周目には後続と同じペースになったのだ。

 当時多くの人は、フェルスタッペンがいつ仕掛けるのか……そういう想いでレースを見守っていたことだろう。しかし13周目頃から様相が一変する。ルクレールとフェルスタッペンの差が開き始めたのだ。

F1フランスGP 決勝レースペース分析:図1

F1フランスGP 決勝レースペース分析:図1

Photo by: Motorsport.com / Japan

 当時のレースペースの推移を見ると、フェルスタッペンのペースが落ちたのではなく、ルクレールのペースが”回復”しているのが分かる。

 1分39秒台になっていたルクレールのペースは、13周目に1分38秒658に上がり、14周目こそ1分39秒台だったが、15〜17周目はいずれも1分38秒8〜9を記録している。対するフェルスタッペンは、1分38秒台に戻すことができなかった。

F1フランスGP フリー走行2回目ロングラン分析:図2

F1フランスGP フリー走行2回目ロングラン分析:図2

Photo by: Motorsport.com / Japan

 実はルクレールのこのペース傾向は、金曜日のフリー走行2回目(FP2)の段階でも見られていた。図2が、フランスGP金曜日FP2のロングランペースの推移である。

 ルクレールはFP2で、ミディアムタイヤによるロングランを実施。9周連続でタイム計測を行なった。この時1分37秒台で周回をスタートし、ペースが徐々に下落。6周目には1分39秒371と最も遅いラップタイムを記録した。しかしその後は徐々にペースを上げ、1分38秒台に戻したのだった。

 このペース傾向はまさに決勝レースでのそれと実によく似ている。一方でフェルスタッペンもFP2でミディアムタイヤを履いてロングランを行なったが、周回数が5周と少なかったため、全体的な傾向は掴めなかった。

 このFP2では、多くのマシンがミディアムタイヤでロングランを行なった。しかしルクレールのようにペースが”復活”したドライバーは皆無。これは、フェラーリのマシンのなんらかの特性がタイヤへの影響として表れたのか、あるいはルクレールが非常に優れたタイヤマネジメントを成功させた証拠なのか……そのどちらかであろう。

 決勝レースでルクレールに引き離されてしまったフェルスタッペンは、16周目にピットイン。早々にハードタイヤに交換。ルクレールをアンダーカットすることを狙った。しかしルクレールはこれに反応せずにステイアウト。走行を続けた。この間のルクレールのペースは安定しており、下落の傾向はみられない。

 ただ直後、ルクレールはクラッシュしてしまいリタイア。その後のラップタイムの推移がどのようなモノになったのか分からない。しかしグラフ全体を見ると、あることに気付く。

 このグラフ(図1)は、上位6台のレースペースをグラフ化したものである。これを見ると、各マシンのデグラデーションが想定以上に小さいのが分かる。特にハードタイヤを履いたマシンのデグラデーションは、燃料消費による車重の低下に伴うペースの上昇と相殺され、ほぼゼロと言って差し支えないだろう。

 第1スティントでミディアムタイヤを履いた各マシン、そして第2スティントでミディアムを履いたカルロス・サインツJr.については、若干のペースの下落が見られるが、それでも戦前の想定と比べると小さい。そういう意味では、各車とも第1スティントをもう少し引っ張ることもできたはずだ。

 もし想定通りの展開となっていたら、早めにピットストップを行なったフェルスタッペンとしては、レース終盤厳しい展開になっていたかもしれない。使い古したタイヤで、新しいタイヤを履いたルイス・ハミルトン(メルセデス)以下に対峙しなければならなかったはずだ。

 しかしフェルスタッペンがタイヤを交換した後、セーフティカーが出たことで各車がピットインし、タイヤを交換。全車のタイヤの使用履歴にほとんど差のない状況で、レース終盤を迎えることができたわけだ。しかもそのセーフティカーの原因となったのは、最大のライバルだったルクレール。フェルスタッペンにとっては実に幸運な展開だったと言えよう。

 一方でルクレールのチームメイトであるサインツJr.にとっては、最悪のタイミングでのセーフティカーだった。サインツJr.はパワーユニット交換によるペナルティで最後尾からスタート……追い上げるため、ハードタイヤを履いてレースをスタートした。そのため、最初のスティントをもっと長く引っ張りたかったはずだ。しかしセーフティカー出動のため早々にミディアムタイヤに交換しなければならず、結果的に2ストップを強いられることになった。もしセーフティカーの出動がレースの中間地点を過ぎた後であれば、サインツJr.もフェルスタッペンにとっての脅威となったかもしれない。

 
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