レッドブルはシーズン前半に比べて、タイヤをうまく使えるようになっている……ピレリが語るRB18とフェルスタッペンの”進化”
レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、F1メキシコシティGPの決勝レースを1ストップで走り切ったが、ピレリのモータースポーツディレクターであるマリオ・イゾラによれば、レッドブルはシーズン序盤よりもタイヤをうまく使えるようになったという。
ピレリのモータースポーツディレクターであるマリオ・イゾラは、シーズン後半のレッドブルは、特にタイヤマネジメントに優れているように見えると語った。
先日行なわれたF1メキシコシティGPでは、多くのマシンが1ストップ作戦を選択。中にはソフトとミディアムという柔らかい2種類のタイヤでレースを走り切ったマシンもいた。
イゾラ曰く、メキシコシティGPの舞台であるエルマノス・ロドリゲス・サーキットはタイヤの摩耗が少ないサーキットであり、1ストップが多かったことは特に驚くべきことではないと語った。
「金曜日と土曜日のフリー走行で、摩耗が少ないことが分かった。それはメキシコではごく普通のことだ」
そうイゾラは語った。
「重要だったのは、メキシコは標高が高いためダウンフォースレベルが低く、またアスファルトの特性により、特にフロントタイヤにグレイニング(ささくれ摩耗)が発生するということだ」
「今年のマシンは基本的にアンダーステア傾向にあるので、特にソフトタイヤにグレイニングが発生する可能性があると確信していた。しかし、ソフトタイヤは非常によく機能した。しかし金曜日と土曜日のFPで、少し摩耗はしていたものの、グレイニングはなかった」
「ハードタイヤに関しては、金曜日にロングランをしたチームはほとんどなかった。そのため、そのパフォーマンスには少し疑問符がついていた。ただ今回は今季すでに20戦目……ハードタイヤは彼らがすでによく理解しているC2コンパウンドだ」
「ただここはまた別のサーキットであるため、多くの情報はなかった。一貫性があることは分かっていたが、グリップのレベルは分からなかったんだ」
「結果的には、ミディアムが最適なタイヤだったということだ。1台を除く全てのマシンで、ミディアムが戦略の中心になった」
「マシンの特性にとって、戦略を変える可能性もあった。例えばタイヤに優しいマシンもあれば、負荷がかかるマシンもある。そのため、第2スティントでハードを使うというより保守的な戦略を採った人もいれば、ソフトタイヤを使って長いスティントを走ることに挑戦したドライバーもいた」
そんな中でレッドブルは、前述のソフト→ミディアムという柔らかい組み合わせでレースを走り切った。これについてイゾラは、レッドブルは特にシーズン後半、タイヤをうまく使っているようだと評価した。
「シーズン後半、レッドブルはタイヤを非常に良い形で使っていることが分かった。彼らがマシンに何をしたのかは分からないが、おそらくシーズン中に何度かアップデートが行なわれたのだろう」
イゾラはそう語った。
「シーズン序盤、レッドブルはタイヤのマネジメントがうまくいっていなかった。そのため、シーズン前半に比べて大きな進歩を遂げていることが、今のタイヤに見られる。彼らはおそらく、それに集中していたのだろう」
「そしてメルセデスは、何らかの形でハードタイヤをうまく使うことができることを我々は理解している。彼らは、ミディアムタイヤは最後に崖のようにタイムが落ちると踏んでいたが、そうはならなかった」
なおフェルスタッペンの左フロントタイヤにはグレイニングの兆候が見られたが、それはパフォーマンスには影響しなかったとイゾラは説明する。
「確かにマックスの左フロントには、多少のグレイニングが生じていた。しかしパフォーマンスには実際には影響はしなかった」
「彼はソフトタイヤでスタートした。つまり100kg以上の燃料を搭載していたということを意味している。それが、グレイニングのレベルに影響を及ぼした。フリー走行では、満タンにした状態でのソフトタイヤでの走行データは非常に限られていた。10周程度走っただけでは、その後のグレイニングの状況を適切に予測するのは難しい」
「フリー走行では、12周しか走れなかった。しかしレースでの第1スティントは25周ほどだ。つまり二倍なんだ。これらの全ての要素の症状は、直線的だというわけではないんだ。グレイニングが生じ始めると大きく増加していく場合もあるし、逆に綺麗に消滅する可能性もある」
Reported by Alex Kalinauckas
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