F1日本GP直前!〜角田裕毅にエール〜|“校長”として角田の才能を見抜いていた中嶋悟。感情昂る檜舞台にも「普通にやればいい」

F1ドライバーとして初めての日本GPを迎える角田裕毅へのエールを、彼と関係の深い人物からもらう本企画。当時角田が在籍したSRSで校長を務めていた中嶋悟は、母国レースであってもいつも通りの面持ちで臨んで欲しいと語った。

Satoru Nakajima, #64 Modulo NSX-GT

Satoru Nakajima, #64 Modulo NSX-GT

Masahide Kamio

 F1日本GPの開幕が迫っている。コロナ禍による2年の中断を経て3年ぶりに開催されるという点も去ることながら、日本人ドライバーである角田裕毅が初の母国レースに挑むという点も、ファンの期待と注目を集めている。

 今回はそんな角田と縁の深い人物にインタビュー。久々の日本人F1ドライバーとして日本GPに臨む角田にエールを送ってもらった。今回は角田がSRS(鈴鹿サーキット・レーシングスクール/現ホンダ・レーシングスクール鈴鹿)在籍時に校長を務めていた中嶋悟のインタビューをお届けする。

 角田と言えば、2016年に受講したSRS-フォーミュラでは大湯都史樹が首席、笹原右京が次席となったためスカラシップを得られなかったものの、当時校長であった中嶋の推薦もあって翌年のFIA F4のシートを得られたというエピソードが知られている。

「推薦というか……講師にこうだよと自分のジャッジを伝えただけですよ」と語る中嶋。では、中嶋は角田のどういった部分に才能を感じたのか?

「自分の意思でクルマを動かしている、というのをより感じましたね」

「レーシングカーはどちらかというと能動的に動かさないといけません。色んなコーナーで走っているのを見て、そういった部分がハッキリ感じられました」

「僕はクルマしか見ないから、そこに誰が乗っているかは気にしていません。『ゼッケン〜番良いんじゃない』と言ったらそれが角田くんだったんです」

 そう淡々と語る中嶋。角田は既にF1での2年目を迎え、先日は3シーズン目もアルファタウリに残留することが発表されたばかりだが、そんな角田のここまでの活躍については次のように語った。

Yuki Tsunoda, AlphaTauri

Yuki Tsunoda, AlphaTauri

Photo by: Red Bull Content Pool

「今の置かれた立場の中で、頑張ってるんじゃないかと思いますよ」

「ポカもあるだろうし全部が全部良いところじゃないかもしれないけど、悪いところが減っていけば良いんじゃないですかね」

 中嶋と言えば、日本人として初めてフルタイムのF1ドライバーとなった人物であり、言わば角田の“先輩”でもある。中嶋にとって鈴鹿サーキットはF1参戦前から幾度となく走ったサーキットではあるが、F1ドライバーとしてそこに戻ってきた時の意気込み、そしてかかるプレッシャーも相当なものだったはずだ。

「(母国レースであることを)気にしない訳にはいかないでしょう。大半の人が応援してくれているから。気にしたところで速くなる訳じゃないんだけど」と中嶋は笑う。

「できるだけいつも通りに、とは思っていましたが、そりゃあ良いところ見せたいよね」と続けた中嶋。だからこそ角田には、日本GPでもいつも通りに戦ってほしいと、エールを送ってインタビューを締め括った。

「(感情が)昂ってくるだろうけど、普通にやってくれればいいと思います」

 
 
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