ラップタイムは0.5秒遅くなる? FIA、2023年のフロア変更で性能低下を予想も「F1チームは開発で上回ってくる」
ポーパシング低減を目的とした技術規定の変更により、F1チームは2023年に向けて約0.5秒のラップタイムを挽回する必要があるとFIAは考えている。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
F1にグラウンドエフェクトカーが復活することとなった新テクニカルレギュレーション。導入1年目となった2022年シーズンでは、多くのチームが過度なポーパシングに直面し、FIAはこの現象を根絶するためにレギュレーションへ介入することを決めた。
FIAはシーズン途中から垂直振動に許容値を定めるエアロダイナミック・オシレーション・メトリック(AOM)を短期的な解決策として導入すると共に、2023年のテクニカルレギュレーションに調整を加えた。
フロア端の高さが15mm引き上げられ、ディフューザーの立ち上がり部分が高く設定されることになる。ここには、車高を過度に下げることでパフォーマンスを追求しようとするF1チームの意欲を削ぐ目的がある。
FIAでシングルシーター部門のテクニカルディレクターを務めるニコラス・トンバジスは、レギュレーション調整によってチームが被りかねないパフォーマンス低下について口を開いた。
「我々が正しいことをしたのは間違いない」
そうトンバジスは語る。
「我々は現実的かつ短期的な解決策と、中期的な解決策を見出そうとしたのだ。必ずしも(ポーパシングが)完全になくなる訳ではないが、ある程度は落ち着くだろう」
レギュレーション変更によってチームが失うこととなるダウンフォース量を尋ねると、トンバジスは次のように答えた。
「15~20ポイントくらいのダウンフォースを失うことになると思う。0.5秒くらいに相当すると思う。多分ね」
「でももちろん、開発はそれを上回ってくるだろうね」
Carlos Sainz, Ferrari F1-75, Lewis Hamilton, Mercedes W13
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
また、2022年型F1マシンのポーパシングの多さに戸惑ったチームも少なくないが、トンバジス曰く、誰もこの問題の深刻さを予想していなかったという。
「みんなちょっとビックリしていたよ」と彼は言う。
「ヒストリック部門や昔の人などから、自画自賛するようなコメントもあったがね。でも実際には、誰もそのことを予想していなかったのだ」
「しかし問題がどのように発生するかがよく理解できたので、いくつかの対策を講じた。その間に、チームも多くのことを学んだ。例えばバクー以降、何が起こったのかが分かった時点で、明らかに大きな、大きな変化があったと思う」
またチームとFIAは、ポーパシングの問題をより良く把握できるようになったものの、トンバジスはこの問題が完全になくなると考えるのは間違いだという。
「変化によって、本質的には減少すると思う」と彼は言う。
「しかし、その最大値から大きく離れていくのか、それとも時折現れてくるのか、それは見てみないと分からない」
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