2022年のデータから予想する新シーズン:後半戦失速したハース。2023年はマネーグラム”マネー”でシーズン通じてパフォーマンスを維持できるかが鍵
ハースは2022年、予算が上限額に遠く及ばなかったという。その結果、シーズン中のアップデートが思うように進まず……それは、パフォーマンスの推移を見ると明らかだ。

ハースが2023年用マシンVF-23のカラーリングを発表した。チームはカラーリングのみの発表と謳っているが、公開された画像には、昨年マシンまでとは異なる部分が多数存在しており、VF-23の姿の一部を踏襲したものであるのかもしれない。
そのハースにとって2023年シーズンで最も重要なこと、そしてシーズン中にマシンの戦闘力を引き上げることができるかということだ。昨年は合計37ポイントを獲得したハースだが、そのうち34ポイントはシーズン前半に集中。夏休み明け以降をみると、僅か3ポイントしか獲得できなかった。

2022年:ハースF1パフォーマンス推移
Photo by: Motorsport.com / Japan
シーズン中のマシンパフォーマンスの推移を見ると、ハースのマシンは、各グランプリで最速だったマシンから1〜3%の間に留まっている。大きな変動はなく、ある意味安定していいたと言えよう。ここから見るに、最速マシンと同じ割合ではパフォーマンスを向上させることができていたと言える。
しかしその一方で、相対的な順位を見てみると、徐々に後退しているのが分かる。

2022年F1 予選パフォーマンスランキングの推移
Photo by: Motorsport.com / Japan
ここでは便宜的に、予選パフォーマンスの推移を見てみたいと思う。グラフの中、ピンク色の線で示されているのが、ハースの予算パフォーマンスの相対的順位の推移だ。
開幕戦でのハースのパフォーマンスは、全体の5番手だった。その後はオーストラリアGPやマイアミGP、アゼルバイジャンGP、イギリスGPでは9番手に後退したものの、前半戦は概ね5〜7番手で推移。オーストリアGPでは4番手の速さだった。
しかしそれ以降は相対的なパフォーマンスが下落。シーズン後半を見ると、トップ5に入ったのは、各チームが天候に翻弄される中、抜群のタイミングでアタックしたケビン・マグヌッセンがポールポジションを獲得したサンパウロGPのみ。それ以外は最高でも7番手だった。ベルギー、日本、アメリカの各GPでは最下位だったのだ。
これは、シーズン序盤に苦戦したマクラーレンやアストンマーチン、そしてウイリアムズらがパフォーマンスを向上させたからに他ならず、開発競争に敗れた証拠だと言えるだろう。
チーム代表のギュンター・シュタイナーは、シーズン中にアップデートできなかった理由について、予算が不足していたと示唆している。2021年からF1には予算上限が設けられたが、シュタイナー代表曰く、ハースの予算額はその上限額に遠く及ばなかったという。
しかし今シーズンは、マネーグラムという新たなタイトルスポンサーを獲得。シュタイナー代表によれば、予算上限額近くまで使うことができるはずだという。
そうなれば、シーズン中のパフォーマンス向上は必至。あとはニューマシンVF-23のベースとなるパフォーマンスがどれほどかという部分が鍵となってくる。
VF-23は2月11日にシルバーストン・サーキットでシェイクダウンが行なわれ、その後、バーレーンでの合同プレシーズンテストに臨むことになる。
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