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F1分析|抜けないモナコに見るレースペースの差……このままでは今季のフェラーリは未勝利かも

F1モナコGPの各車のレースペースを分析していくと、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がいかに盤石だったかがよく分かる。そして厳しいフェラーリの状況も見えてくる。

Charles Leclerc, Ferrari SF-23

写真:: Zak Mauger / Motorsport Images

 先日行なわれたF1モナコGPの決勝レースを圧倒的な強さで制したのは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンだった。これで今季4勝目。まさに圧倒的な強さで、他車を圧倒し続けている。

 モナコは狭く曲がりくねったモンテカルロ市街地コースが舞台であるため、いつものサーキットとは異なり、タイヤのデグラデーションよりもコース上でのポジションが重視される。それでも、レース中のペース推移を分析していくと、いかにレッドブルが強いのかがよく分かる。

 下のグラフは、スタートからレースの51周目までのペース推移をグラフ化したもの……つまりドライコンディション時のペースの推移を表したものだ。ひと目で、フェルスタッペン(青線)が圧倒しているのがお分かりいただけよう。

F1モナコGP レースペース推移:ドライコンディション

F1モナコGP レースペース推移:ドライコンディション

Photo by: Motorsport.com / Japan

 レースがスタートした直後、フェルスタッペンはアストンマーチンのフェルナンド・アロンソを従えて、3番手のエステバン・オコン(アルピーヌ)を引き離した。前の2台は飛び抜けて速く、後続との差があっという間に開いていく。

 しかし9周目頃から、アロンソのペースとフェルスタッペンのペースの差が開き始める。とは言っても、アロンソが遅くなったわけでは全然ない。後続と比べれば1周1秒前後速いのだが、フェルスタッペンはその上を行き、ある意味ここで勝負あった。たしかにアロンソは、一時マシンに不具合があることを訴えていた。それが解消しペースを戻した後も、フェルスタッペンとの差は歴然。レース後アロンソは、「ペースの面では全然負けている」と語ったが、まさにその通りだろう。

 25周目を過ぎると、フェルスタッペンのペースが著しく落ちているが、これは周回遅れのマシンに追いついてしまったことが表れている。実際、その数周後にアロンソも周回遅れに追い付き、同じようにペースダウンしている。

 さてそのアロンソは、ヒヤリとする場面もあった。それはレース中盤に雨が降った際、結果的にタイヤの選択を”誤り”、2周続けてピットストップをしなければならなかったそのシーンだ。

 雨が降ってきたそのタイミングで、アストンマーチンはアロンソをピットに呼び込んだ。すでにフェルスタッペンはメインストレートを走っていたため、優勝を争うライバルよりも1周早くインターミディエイトに換えるという好判断……というように見えた。

F1モナコGP レースギャップ推移

F1モナコGP レースギャップ推移

Photo by: Motorsport.com / Japan

 しかしアストンマーチンは雨は強くならないと判断。アロンソにスリックのミディアムタイヤを履かせ、コースに送り出した。しかし雨脚は強くなるばかり。翌周にはフェルスタッペンがピットに入りインターミディエイトタイヤに履き替えると、アロンソも再びピットインし、インターミディエイトタイヤを履いた。

 アロンソは2周連続でのピットインで、大きくタイムを失った。結果的には2番手のポジションをキープしたわけだが、実はこれはギリギリのタイミングだった。それは、上のグラフを見ても一目瞭然であろう。

 アロンソがインターミディエイトタイヤに履き替え、コースに戻った際、実は3番手のオコンは、そのわずか3.9秒後ろまで迫っていたのだ。なんとかオコンの前でコースに戻ることができたから良かったが、もしちょっとしたミスでもあれば、オコンやルイス・ハミルトン(メルセデス)が先行し、2位フィニッシュが危うくなった可能性もある。ここは抜けないモンテカルロなのだから……。

F1モナコGP レースペース推移:ウエットコンディション

F1モナコGP レースペース推移:ウエットコンディション

Photo by: Motorsport.com / Japan

 さてもうひとつ心配なデータがある。それはフェラーリに関するものだ。

 フェラーリはレース序盤こそカルロス・サインツJr.がオコンを追い回したが、雨が降ってきた際にオーバーランしたことでサインツJr.は大きく遅れ、シャルル・ルクレールが6位、サインツJr.が8位でフィニッシュと、アルピーヌよりも低い成績しか残すことができなかった。そんな中で心配を称したのは、レース最終盤のペースだ。

 レース序盤にサインツJr.と3番手を争ったオコンは、ハミルトンの追撃を凌ぎ3位表彰台を獲得。終盤のふたりのペースは、すでにクルージングに入っていたと思われるフェルスタッペンやアロンソのペースをも凌ぐ速さだった。

 一方フェラーリの2台は、間にもう1台のアルピーヌであるピエール・ガスリーを挟んで接近戦を展開。しかしペースはまるで上がらなかった。

 その時のペース推移を示したのが上のグラフだが、路面が乾くに連れて各車ともにペースこそ上がっているが、フェラーリ2台のそれは、オコンやハミルトンよりも1周につき1〜2秒遅かった。

 これはおそらく、フェラーリが今季ずっと苦しんできたデグラデーションの影響によるものだと推測できる。インターミディエイトタイヤを痛めつけてしまったため、ライバルのようなペースで走ることは叶わなかったということだろう。

 フェラーリは今週末のスペインGPで、対策のためにサスペンションなどをアップデートする予定だ。その効果がどんなモノであるのかに注目が集まるが、もしその効果が限定的であったならば、今シーズンの跳ね馬が未勝利で終わる可能性が高くなる。そして、最終的にはアルピーヌにまで先行されてしまうかもしれない。

 
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