F1新車”雑感”解説2024「アストンマーティンAMR24」過激なデザインになったサイドポンツーンなど、確かに多くの進歩を遂げた1台
2月12日に公開されたアストンマーティンF1のAMR24について、テクニカルディレクターのダン・ファロウズはマシンの多くの部分を変えたと説明したが、様々な変更点が見えてくる。
アストンマーティンが、ニューマシンAMR24を公開。サイドポンツーンのインテークなど、多くの変更が加えられているようだ。
2023年シーズンは、フェルナンド・アロンソが8回の表彰台を獲得するなど、躍進を遂げたアストンマーティン。シーズン序盤はレッドブルに次ぐ2番手チームという立場だったが、中盤〜終盤にかけてはマクラーレンやメルセデス、さらにフェラーリがパフォーマンスを上げ、さらにアストンマーティン自体も躓くレースがあり、結局最終的にはランキング5番手となった。
今シーズンはそれ以上の成績を目指すことになるが、チームのテクニカルディレクターであるダン・ファロウズは、マシンのほとんどを変更したと語る。しかしイギリス時間の12日8時(日本時間の12日17時)に公開されたニューマシンのレンダリング画像やその直後に走行した際の写真を見ると、確かにAMR23から多くの部分が変更されているようだ。
Photo by: Aston Martin Racing
最も大きく変わったのは、サイドポンツーンのインテーク部分だろう。
このインテークの下端が前方へ大きく伸び、受け口のような格好となっている。これは昨年のレッドブルが取り入れた形であり、各チームも追従するいわばトレンドとも言える処理。これに伴い、サイドポンツーン下はきつく抉られ、上面を下ってきたダウンウォッシュの流れと合流してディフューザー上に抜けるような形になっている。
このアストンマーティンAMR24のサイドポンツーンインテーク下端の前方への延びは実に過激であり、ここ単体でもウイングになっているように見える。
なおこのデザインが取り入れられたことで、インテークは横に長細い形状となっている。
フロントサスペンションは、トレンドとなりつつあるプルロッドではなく、従来のプッシュロッドを採用。レイアウト自体も大きく変更はされていない印象だ。リヤサスペンションは昨年に続きメルセデスから供給を受けたモノを使用しており、こちらはプルロッドからプッシュロッドとなるようだ。
なおテクニカルディレクターのファロウズは、ノーズとフロントウイングは大きく変更したと説明する。その言葉の通り、確かに大きく変わった。
昨年はノーズが長く、フロントウイングのメインプレーンも直接ノーズに接続されていた。しかしAMR24ではノーズが短くなり、フロントウイングのメインプレーンは接続せず、独立して存在する格好となった。これも空力コンセプトが大きく変わっていることを示しているだろう。
Photo by: Aston Martin Racing
リヤサスペンションも、AMR23のプルロッドから、プッシュロッドへと変更されたようだ。これによりマシンの下部にスペースを確保し、ディフューザーのデザインの自由度が増しているだろう。ただ実際に走行したマシンを見ると、アッパーウイッシュボーンの前方アームは、まるでプルロッドのように斜めに配置されている。このリヤサスペンションはメルセデス製であり、メルセデスの2024年マシンも同様の構成になっているはず。これはかなり攻めたデザインになったと言えよう。
外から見える以外にも、内部に多くの変化が加えられたとファロウズは説明する。昨年以上の成績を残すことができるだろうか?
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