F1

レッドブルRB20の”超攻めた”デザインに、ホンダ/HRCが果たした役割。角田哲史LPL「エンジンの熱限界を上げることで、間接的に貢献できているはず」

レッドブルの2024年マシンRB20は、大胆に攻めたデザインで話題となっているが、その実現にはホンダ/HRCが成し遂げた開発が少なからず寄与しているようだ。

田中 健一

編集: 2024/02/28 12:05

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

Max Verstappen, Red Bull Racing RB20

 ホンダ・レーシング(HRC)でF1プロジェクトのLPL(ラージ・プロジェクトリーダー)を務める角田哲史エクゼクティブ・チーフエンジニアが、2024年シーズンに向けてパワーユニット(PU)の面で行なってきた開発について解説。運転する際の限界温度を引き上げてきたと明かした。

 昨年圧倒的な強さを見せ、22戦21勝という年間勝率の新記録を樹立したレッドブル。彼らはそこにあぐらをかくことなく、革新的な2024年用マシンRB20を登場させ、多くの人々の度肝を抜いた。サイドポンツーンの開口部が非常に小さくなり、ヘイローの付け根に新たな開口部を準備。そして先日まで行なわれたバーレーンでのプレシーズンテストでも順調すぎる走りを見せた。

「あそこまで昨年と違うコンセプトのクルマを作っているということ自体は、我々も最近まで知りませんでした」

 HRCの角田LPLはそうRB20について語ったが、あの攻めたデザインには、ホンダ/HRCとしても大きく貢献しているのは間違いないようだ。

「一番大事なのは、信頼性開発という名の、ポテンシャルを最大限に発揮するという競争があることです。耐久テストを行なうことで、運転限界……つまり”どこまで使って大丈夫なのか”という確認領域を広げています。それにより、最大限のポテンシャルを出し切るという開発をしています」

 そう角田LPLは語る。

「エンジンが熱くなってしまうと、部品の強度限界がやってきて、壊れてしまいます。ですので、エンジンが熱くなりすぎてしまった場合には、出力を下げざるを得ません。そのバランス点、出力を下げずにどこまで運転温度を上げられるかを確認していった結果として、チームに『ここまでは使っていいですよ』ということを言えるんです」

 エンジンの運転温度の限界点を上げることができれば、求められる冷却性能が小さくなるということを意味する。つまりラジエーターを小型化、ひいてはボディワークの小型化にも寄与するわけだ。角田LPLは続ける。

「例えば100℃以下で運用してくださいと言って出来たラジエーターと、110℃まで使っていいですよと言って出来たラジエーターのサイズは違うんです。そういう限界値を上げていくことで、車体の設計自由度を増やしていくという意味で、我々は間接的にではありますが、車体のパフォーマンス向上に貢献したい。そういう活動をしています」

 そして2024年シーズンに向けては、車体の開発途上の段階から、熱限界を引き上げられるという情報を、レッドブルに伝えていたのだと角田LPLは語る。

「冷却器の設計が出来上がった段階でそういう話をしても、排熱に伴うエアロパッケージについては大きな貢献はできません」

「ですが今回は冷却器を設計する前の段階で我々からそういう情報を伝えられました。その情報は、チーム内部でフィードバックされていると思います。それで今年の新車が出来上がっているということです」

「先日のテストに登場したレッドブルの新車は、大幅にコンセプトを変え、より攻めたデザインになってきました。まさにこれがF1だと思ったし、やっぱりレッドブルはチャンピオンになるのに相応しいチームなんだなと、私は改めて感じました。タイムの結果だけでは、他チームとの相対的な勢力図は分かりませんが、HRCとしては準備万端の状態で今シーズンを始められると思っています」

 そのRB20の”攻めた”デザインに、HRCは相当貢献したのではないか? そう尋ねると角田LPLは、控え目にこう答えた。

「いやいや。我々の立場で”相当貢献した”と言うのは難しいです。でも、少なからず貢献はできていると思いたいです」

 なおテストで走ったRB20はまだ仮の姿であり、日本GPあたりには大規模アップデートを投入することでさらに攻めたデザイン……一説には昨年途中までメルセデスが使っていたような”ゼロポッド”のような姿になるのではないかという噂もある。

 それを実現するためには、ラジエターをさらに小さくする必要があるはずだ。現時点で熱限界に”余裕”があるのではないかと角田LPLに尋ねると、彼はこう答えた。

「マシンをどうしていくかということは、チームの問題です。でも、走る時には最大限のパフォーマンスを出そうとしますから、開幕戦のバーレーンGPと第2戦のサウジアラビアGPで最大限のメリットを出すように使うはずです。つまり、我々の温度限界を前提としたエアロパッケージで、勝負してくると思います」

「ただ、シーズン中に大きな変更を行なうというのは、コストキャップの問題もあるでしょうから、よく分かりません。とはいえどうなるのは、私も楽しみにしています」

 ちなみにエンジンの吸気に関しては、新たにヘイロー付け根に開けられた開口部ではなく、従来と同じように、ロールフープの開口部で行なっているという。

 

あなたの意見が聞きたい!

Motorsport.comで何を見たいですか?

5分間のアンケートにご協力ください。

- Motorsport.comチーム

関連ニュース :

記事をシェアもしくは保存

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

前の記事 F1日本GP、鈴鹿のターン7にレッドブルの”VIPラウンジ”誕生。観戦ツアーが当たるキャンペーンがスタート

次の記事 調査結果は“潔白”。レッドブルのホーナー代表、従業員に対する不適切行為の証拠見つからず

More from

田中 健一



メキシコシティGPはわずか5周で終戦、大惨敗アストンマーティン・ホンダ。気になる2年前”RB20”との乖離……キーワードは『運転限界』

F1

F1

メキシコシティGP

4 分前

メキシコシティGPはわずか5周で終戦、大惨敗アストンマーティン・ホンダ。気になる2年前”RB20”との乖離……キーワードは『運転限界』



NTT、マクラーレンF1とのパートナーシップ締結を発表。島田明社長「マクラーレンとNTTには多くの共通点がある」

F1

F1 1 時間前

NTT、マクラーレンF1とのパートナーシップ締結を発表。島田明社長「マクラーレンとNTTには多くの共通点がある」



F1分析|フェラーリ、メキシコで勝利逃す……ピットストップ戦略は正しかったのか?

F1

F1

メキシコシティGP

23 時間前

F1分析|フェラーリ、メキシコで勝利逃す……ピットストップ戦略は正しかったのか?

More from

レッドブル



フェルスタッペン、若き新王者アントネッリに賛辞「あの年齢で成し遂げるなんて、本当に素晴らしい」

F1

F1

メキシコシティGP

2 日前

フェルスタッペン、若き新王者アントネッリに賛辞「あの年齢で成し遂げるなんて、本当に素晴らしい」



フェルスタッペン、FP2で因縁のローソンから謝罪受ける。来季レーシングブルズのシート争いに意見求められるも「それはチームの判断に任せるよ」

F1

F1

メキシコシティGP

3 日前

フェルスタッペン、FP2で因縁のローソンから謝罪受ける。来季レーシングブルズのシート争いに意見求められるも「それはチームの判断に任せるよ」



アイザック・ハジャー、ファンを押し退け”警告”を受ける……当該ファンの非も認め、ペナルティは軽減

F1

F1

メキシコシティGP

3 日前

アイザック・ハジャー、ファンを押し退け”警告”を受ける……当該ファンの非も認め、ペナルティは軽減

最新ニュース



メキシコシティGPはわずか5周で終戦、大惨敗アストンマーティン・ホンダ。気になる2年前”RB20”との乖離……キーワードは『運転限界』

F1

F1 F1

メキシコシティGP

4 分前

メキシコシティGPはわずか5周で終戦、大惨敗アストンマーティン・ホンダ。気になる2年前”RB20”との乖離……キーワードは『運転限界』



とにかくナチュラルに速い! 国内トップカテゴリー1年目から予選上位常連の野村勇斗「特別なことは何もしていないです」

スーパーGT

SGT スーパーGT 26 分前

とにかくナチュラルに速い! 国内トップカテゴリー1年目から予選上位常連の野村勇斗「特別なことは何もしていないです」



バニャイヤ、ドゥカティでの残り3戦は「生き残ること」が目標に。期待したマレーシア大苦戦で希望失う

MotoGP

MGP MotoGP

マレーシアGP

1 時間前

バニャイヤ、ドゥカティでの残り3戦は「生き残ること」が目標に。期待したマレーシア大苦戦で希望失う



NTT、マクラーレンF1とのパートナーシップ締結を発表。島田明社長「マクラーレンとNTTには多くの共通点がある」

F1

F1 F1 1 時間前

NTT、マクラーレンF1とのパートナーシップ締結を発表。島田明社長「マクラーレンとNTTには多くの共通点がある」

Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.

フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。

次の 2 つのオプションがあります。

購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします

広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード

お知らせの管理

登録