運が悪かったなんて言いたくない……シーズン前半苦戦し、来季シートを失ったマグヌッセン「結果は僕らの顔。だから仕方ないんだ」
今季前半戦をなかなかポイントを獲得できずに終えたハースのケビン・マグヌッセンは、運が悪かったと言いたくはないと語った。
Kevin Magnussen, Haas F1 Team
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
ハースのケビン・マグヌッセンは、今季限りでハースのシートを失うことが決まった。今季ここまで、なかなか好成績を残せなかったことがこのシート喪失に繋がったものとみられる。
しかし当のマグヌッセンは、今季ここまでの不調を「運が悪かった」と片付けるのは正しいことではないと語った。
2024年のハースは、年明けにチーム代表がギュンター・シュタイナーから小松礼雄に突如変わるなど、激動のスタートを切った。そして小松新代表は当初から、今シーズンのパフォーマンスが厳しいものとなるだろうと語っていた。また開幕当初はトップ5チーム(レッドブル、フェラーリ、マクラーレン、メルセデス、アストンマーティン)が確固たるパフォーマンスを発揮していたため、それ以外のチームがポイントを手にするのは難しいと考えられていた。
そんな状況であるため、トップ5チームに何らかのトラブルがあり、入賞のチャンスが訪れた際には、是が非でもポイントを獲得する……下位チームにはそんな戦い方が強いられた。それを最初にモノにしたのがハースだった。
サウジアラビアGPでのことである。ハースのケビン・マグヌッセンは、自身がペナルティを受けても、後続のマシンを徹底的にブロック。チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグをサポートし、1ポイントをもぎ取ったのだった。続くオーストラリアGPでもマグヌッセンは、より新しいタイヤを履いたヒュルケンベルグの邪魔を一切せずに先行させ、RBの角田裕毅を攻略させようとした。
この献身ぶりには、小松新代表も感激。「チームにとって1ポイントがどれだけ大きな意味を持つのかが分かっている。だから、ジェッダでああいう闘い方をしろと言っても、完璧にやってくれるわけです。すごいでしょ?」と語っていた。
しかしヒュルケンベルグが着実にポイントを積み重ね、シーズン前半を終えた段階で22ポイントを獲得したのに対し、マグヌッセンは5ポイントの獲得にとどまった。その結果、ヒュルケンベルグは2026年からアウディのワークスチームになることが決まっているザウバーへの移籍が決まった一方で、マグヌッセンは来季のハースのシートを失うことが決まった。ハースは来季のドライバーとして、エステバン・オコンとオリバー・ベアマンを起用することにしたのだ。
今季ここまで、うまくいかなかったのはなぜなのか? そう尋ねられたマグヌッセンは、「僕の場合、ミスが多すぎただけだと思う」と語った。
「もっと可能性があったと思う。予選では、トラフィックに見舞われることが多かった。それが繰り返されると、結局疲れてしまうんだ」
「正直言って何度も、もし時間を戻せたら……もちろん違うことをしただろうと断言できる。でもその時は、運が悪かったとか、そういう悪い言葉で終わっていただろうね」
「でも本当はそう言うべきじゃない。少なくとも僕の意見では、運が悪かったと言っても、何の役にも立たない。だって、もっとうまくできたことはたくさんあったんだから」
「ただ予選では、Q3に進出すべきだったのに、Q1で脱落してしまうような、本当に難しい状況に陥るということがよくあった。だからフラストレーションが溜まるよ。それでも一方で、マシンは強くて、スタートポジションが悪くても日曜日のレースでポジションを上げられたことも何度かあった。そういう意味では今年はポジティブな年だった」
しかしハースのシートを失うことになってしまったマグヌッセン。結果が出なかったことが誇張されてしまっているように感じているのではないかと尋ねると、マグヌッセンは次のように語った。
「いや、そんなことはない。これは現実なんだ」
そうマグヌッセンは言う。
「『実力は最後のレースで決まる』とか、『F1は容赦ない』という点では、状況は多面的あるいは複雑かもしれない。でも結局のところ、ドライバーとしては結果は僕らの顔なんだ。うまくいけば、全ての功績が僕らのモノになる。だから、結果次第でどっちにも転ぶんだ。それがF1の性質なんだ」
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