公道コースでの開催グランプリが増えるF1。しかし”多すぎるわけじゃない”とドメニカリCEO自信「歴史が全てではない」

近年のF1では、市街地サーキットでのレースが多すぎるという批判も聞かれる。しかしドメニカリCEOはそうは感じていないようだ。

Charles Leclerc, Ferrari SF-23, George Russell, Mercedes F1 W14

Max Verstappen, Red Bull Racing RB19

写真:: Simon Galloway / Motorsport Images

 F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、市街地コースでのレースと常設コースでのバランスを取りたいと考えており、歴史だけを重視することはないと明言した。

 近年のF1では、市街地コースでのレースが多くなっている。近年ではラスベガス、マイアミ、サウジアラビアなどが市街地コースのグランプリとしてカレンダーに加わり、2026年からカレンダー入りすることが決まっているマドリード(スペイン)も市街地だ。

 この他にも、モナコやシンガポール、アゼルバイジャンなどのグランプリが市街地。かつては珍しかった市街地コースの数は年々多くなっている。

 市街地でレースを行なうということは、地方にあるサーキットと比べて集客が容易であるということもあり、新たなファンを惹きつけるという面では実に効果的だ。しかし旧来のファンやドライバーなどからは、批判的が声が挙がることも多い。

 しかしドメニカリCEOは、市街地コースでのレースの数が多すぎるとは考えていないようだ。

「私はバランスを取りたいと思っていると言うべきだろう」

 そうドメニカリCEOは言う。

「ある一方の状況から、別の状況に移ろうと考えているわけじゃない。しかし我々にとって重要なのは、良いレースをすることなんだ」

「ラスベガスGPの前に出ていた最大の批判のひとつが、『おいおい、待ってくれよ。オーバーテイクも何のドラマもないレースをするなんてマジかよ!』というようなモノだった。それを覚えている」

「でも実際には、イベントが終わるまでそういう発言をするのを待たなかった人たちが、完全に間違っていたことが証明されてしまった。我々はラスベガスで、素晴らしいレースをしたんだ」

「歴史的なサーキットを尊重することは確かに重要だ。しかし、歴史が全てではない。歴史は、将来に向けた投資の良い基盤にすぎないんだ」

「我々は適切な解決策を見出すこと、適切なエンターテインメント、適切なファンを持つことに不安はない。そして誰もが、異なる意見を持つことができる。常設サーキットが好きなドライバーもいれば、街の中を走るのが好きなドライバーもいるんだ」

「先ほども申し上げたように、正しい答えは常にバランスをとることだ、そしてそれこそが、私が取るべきアプローチだ」

 なおF1新規開催を目指すと表明しているタイのバンコクや韓国の仁川も市街地コースを使う計画。また日本・大阪もF1誘致する活動を開始しているが、サーキットが市街地となるのか、それとも常設なるのかはまだ明言していない。

 

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