F1 アゼルバイジャンGP

輝きを取り戻したように見えるペレス……しかし”最も接触したくない”サインツJr.とのクラッシュで終戦「酷い結果だけど、ペースが戻ってきたのは良いこと」

レッドブルのセルジオ・ペレスは、F1アゼルバイジャンGPの決勝でカルロス・サインツJr.(フェラーリ)とクラッシュしたことには肩を落としつつも、ペースが戻ってきたことには満足しているという。

Sergio Perez, Red Bull Racing

Sergio Perez, Red Bull Racing

写真:: Andrew Ferraro / Motorsport Images

 レッドブルのセルジオ・ペレスは、F1アゼルバイジャンGPで久々に表彰台を獲得……するように見えたが、残り2周というところでフェラーリのカルロス・サインツJr.とクラッシュし、好結果を持ち帰ることができなかった。

 ペレスは表彰台という結果は逃したものの、週末を通じて好パフォーマンスを発揮できたことは、苦戦が続いていた自身にとって励みになると語った。

「間違いなく励みになるね」

 ペレスはレース後にそう語った。

「でも、まだまだやるべきことがたくさんあることは分かっている。マックスが今週末どれだけ苦労したかということを見ると、おそらく最適なセットアップから1タッチか2タッチ外れていたんだと思う。それが、週末の結果という点では大きな違いを生んだんだと思う」

「つまり、マシンが敏感すぎるということなんだと思う。まだまだすべきことがあるよ。良いステップを踏んだけど、あと2ステップは今回と同じような前進が必要だね」

「でも自分としては自信になったと思う。今週末は強かった。予選は強かったし、今日のレースでも強かった。多くのポジティブな部分があるよ」

 しかしレースでは、まずはマクラーレンのランド・ノリスに翻弄された。ノリスは予選で黄旗を含む混乱に巻き込まれ、Q1敗退。後方からの追い上げを強いられたため、多くのマシンがミディアムタイヤを履いてスタートする中、ハードタイヤを履いてスタートし、ピットストップのタイミングを遅らせる戦略を採った。

 一方でペレスは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)とオスカー・ピアストリ(マクラーレン)を追いかけ、3番手を走っていた。そこでこの2台、少なくともピアストリをアンダーカットしようと、上位3台の中では最も早くピットストップを行なった。そしてコースに復帰した時には、まだタイヤ交換をしていないノリスの後ろだった。

 ノリスはピアストリをサポートするためにペレスを徹底ブロックし、アンダーカットを阻止することに成功したのだ。対してペレスにとっては、これでピアストリ攻略のチャンスを削がれた格好だ。

「ランドに抑えられたことで、2秒か2秒半くらい失ったと思う。そのせいで、アンダーカットもできなかったし、ピアストリを攻めることもできなかった」

「空気が乱れたところを走るとグリップが低くて、それは理想的ではなかった。だから、間違いなくもっと良いレースができたはずだと思う。今日は勝てるだけのペースがあったんだ」

 そして最終的には、前述の通りサインツJr.とクラッシュしてレースを終えることになった。審議の結果、いずれのドライバーにもペナルティが科されないことになった。

「おそらく僕らはふたりとも、週末がああいう形で終わってしまったことについてものすごくいらいらしていると思う。本当に酷い結果だ」

 そうペレスは語った。

「カルロスがシャルルのトウを使おうとしたことは理解しているけど、僕はそこにいたんだ。そして、全てのことが一瞬で起きてしまった。スピードが上がっているところだったから、彼の動きによって僕らは……彼が僕の右フロントに、一瞬で接触してきたんだ」

 ペレス曰く、マシンを降りた直後にサインツJr.と話をしたという。その時サインツJr.は、ペレスがそこにいることに気付いていなかったようだ。

「基本的には、彼は僕がそこにいることに気付いていなかったように感じた」

「残念だ。カルロスは間違いなく、僕が最も接触したくない相手だ。だから残念だよ。そして僕らふたりの週末を台無しにしてしまったんだから」

 今回のレースにより、コンストラクターズランキングではレッドブルがついに首位陥落。マクラーレンが首位に立ち、レッドブルに対して20ポイントのリードを築いた。

 ペレスはランキング首位を失ったことは残念だとしながらも、ペースが戻ってきたことは好材料だと語った。

「チームにとってもとても悲しい。ご存知のように、マクラーレンがチャンピオンシップで僕らを抜いたんだからね」

 そうペレスは言う。

「でも、ペースが戻ってきたのは良いことだ。アップデートによって、僕らは競争力を増すことができたと思う。これは、満足できる結果だよ」

 

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