レースレポート
F1 サウジアラビアGP

レッドブルが盤石のワンツー制覇! 新人ベアマン奮闘7位。RB角田裕毅はペースに苦しみ14位|F1サウジアラビアGP決勝

F1サウジアラビアGPの決勝では、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝。RBの角田裕毅は14位だった。

Max Verstappen, Red Bull Racing, 1st position, lifts the winners trophy on the podium

 闇夜に浮かび上がったジェッダ市街地サーキットを舞台に開催されたF1の2024年シーズン第2戦サウジアラビアGP。現地時間3月9日(土)に行なわれた決勝レースは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝。RBの角田裕毅は14位だった。

 開幕戦バーレーンGPに続き、ラマダンの関係で木曜日、金曜日、土曜日の開催となった今回のサウジアラビアGP。中東らしく3日間を通して晴れ、すっかり夜も暮れた中でも気温25と暖かかったが、路面温度は32度と日中に行なわれたFIA F2フィーチャーレース時と比較すると大きく下がった。

 現地は時刻20時00分を回り、ポールシッターのフェルスタッペンを先頭にフォーメーションラップへ。正グリッドのフロントロウではフェルスタッペンの隣にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が並び、残る18台がそれに続いた。

 赤く灯った5つのシグナルが消え、全50周の決勝レースがスタート! フェルスタッペンは順当にトップをキープ。2番手ルクレールには蹴り出しの良かったもう1台のレッドブル、セルジオ・ペレスに食らいつかれたが1周目では2番手を守った。なおアルピーヌのピエール・ガスリーはギヤボックスのトラブルによりこの1周にリタイアした。

 3周目の最終コーナーでペレスがルクレールにロックオン。DRSを活用して翌周のターン1で2番手に浮上し、序盤でレッドブルがワンツー体制を築いた。

 後方ではランス・ストロール(アストンマーティン)、角田、そして今回がF1デビューのオリバー・ベアマン(フェラーリ)らの激しい9番手争いが繰り広げられた。虫垂炎を患ったカルロス・サインツJr.の代役として急遽参戦となったベアマンは、ほとんどのドライバーがミディアムタイヤをスタートで履く中、ソフトタイヤを使用してスタートに臨んだ。

 9番手ストロールから各車が数珠繫ぎとなったが、そのストロールは7周目にターン22のウォールに左フロントタイヤを接触させてしまい、サスペンションを破損。これによりコントロールを失い、バリアにクラッシュした。この事故でセーフティカーが出動することになった。

 これを受けてほとんどのドライバーが早々と1セット目のタイヤを捨ててハードタイヤにスイッチ。一方でランド・ノリス(マクラーレン)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)、周冠宇(キック・ザウバー)4台がステイアウトを選択した。

 これによりノリスが首位浮上。そこにフェルスタッペン、ハミルトン、ペレス、ルクレールが続くトップ5となった。

 レースは10周目から再開。ノリスは後続を抑えて首位をキープしたが、12周目にはフェルスタッペンがノリスを射程圏内に捉え、翌周のホームストレートでノリスに並びかけると難なく首位を奪い返した。

 レースが14周を迎える頃にはステイアウト組のペースに陰りが見え始め、ノリス、ハミルトンらは防戦一方となった。ペレスは19周目にノリスから2番手を奪い返し、再びレッドブルがワンツーとなったが、ペレスはピットストップ時のアンセーフリリースにより5秒のタイムペナルディが科されてしまった。しかしそれを帳消しにするかのように、ペレスは首位のフェルスタッペンと共に後方を寄せ付けないペースで飛ばしていった。

 ベアマンは再スタート直後のターン1で角田のインを差して11番手に上がると、その後も周やヒュルケンベルグとのバトルも制して、9番手となった。

 その後ろではケビン・マグヌッセン(ハース)が角田を交わしたものの、コース外でアドバンテージを得たとして10秒のタイムペナルティが科された。マグヌッセンは再スタート時のアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)との接触により、既に10秒のタイムペナルティが科されており、合計で20秒という大きなペナルティを背負ってしまった。

 角田はマグヌッセンを1秒圏内に捉えるも抜ききれない周回が続き、その後ろにはエステバン・オコン(アルピーヌ)、アルボン、ローガン・サージェント(ウイリアムズ)のDRSトレインが形勢された。

 角田は29周目のターン1でようやくマグヌッセンの前に出るも、ターン3でアウト側にマシンを振ったマグヌッセンに行く手を阻まれ失速。逆にオコンに先行を許し、その後アルボンにもポジションを明け渡してしまった。

 ハースはステイアウトを選んだヒュルケンベルグがトラックポジションを大きく失うことなくピットストップを完了して確実にポイント獲得を狙うため、ペナルティがあるマグヌッセンを利用して後続を抑え込む戦略を採っていたようだ。

 そのヒュルケンベルグを含め、42周目の終わりには全車がタイヤ交換義務を消化。その時点でフェルスタッペン、ペレス、ルクレール、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)、アロンソ、ラッセル、ベアマン、ノリス、ハミルトン、ヒュルケンベルグというトップ10。7番手ベアマンの後ろではノリスとハミルトンの2台がソフトタイヤで飛ばした。チーム側はベアマンを鼓舞し、それに応えるように自己ベストタイムを更新して走った。またハースは”抑え込み戦略”が成功した形となった。

 先頭に目を移すとフェルスタッペンがファイナルラップも危なげなく周回してトップチェッカー。開幕戦から2戦連続でのポール・トゥ・ウィンを達成した。

 ペレスが2位に入ったことでレッドブルとしてはまたもワンツーフィニッシュ。開幕戦ではフェルスタッペンとペレスのタイム差が22秒だったことを考えると、今回の13.643秒(ペナルティの5秒加算も込み)という差は、ペレスが健闘した結果と言えるだろう。

 表彰台の最後の1席にはルクレール。ファイナルラップで1分31秒632のファステストラップを記録した。

 ピアストリが4位に入り、アロンソがラッセルの攻撃を凌ぎきって5位を掴んだ。ベアマンは最後まで7位を守りきり、いきなりのF1デビューだったにも関わらずポイントを掴んで見せた。その走りをファンも称え、48%という支持率でドライバー・オブ・ザ・デイを獲得した。

 8位にノリス、ハミルトンが9位、ハースの戦略がハマり、ヒュルケンベルグが10位の1ポイントを掴んだ。

 結果的に角田は14位フィニッシュ。ハースの作戦に打ち砕かれ、入賞圏内9番手からスタートしたもののポイントには手が届かなかった。なおチームメイトのリカルドは16位に終わった。

 
   
1
 - 
5
   
   
1
 - 
2
   
順位 ドライバー # 周回数 タイム 前車との差 平均速度 ピット ポイント リタイア原因 シャシー エンジン
1 Netherlands マックス フェルスタッペン レッドブル 1 50

1:20'43.273

    1 25   Red Bull Red Bull
2 Mexico セルジオ ペレス レッドブル 11 50

+13.643

1:20'56.916

13.643   1 18   Red Bull Red Bull
3 Monaco シャルル ルクレール フェラーリ 16 50

+18.639

1:21'01.912

4.996   1 16   Ferrari Ferrari

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