F1での”勝ち”を見据える角田裕毅。RBメキーズ代表「我々もそういう方向に成長できるよう、手助けする」
今季前半活躍した角田裕毅は、来季もRBに残留することが決まっている。しかしRBとしては、角田が勝てるようになるよう、全力でサポートする意向のようだ。
RBのチーム代表であるローレン・メキーズは、角田裕毅にレッドブルにステップアップしたいという野心がなければ、それは誤ったことだと語った。
2024年の前半戦を終え、角田は22ポイントを獲得。ドライバーズランキングで12番手につけている。トップ4チームが抜け出し、その後ろにアストンマーティン勢が続く中では、絶好のパフォーマンスであると言える。
所属チームであるRBのチーム代表を今年から務めているメキーズは、角田がいつか勝てるようになるため、チームとしてサポートしていると語った。
「正直に言って、今年の成長は驚異的だ。もちろんそれを軽視することだって、強調することだってできるが、個人的にはこのステップアップは驚異的だと思う。だって4年目なんだよ」
メキーズ代表はそう語った。
「1年目から2年目、あるいは2年目から3年目については、若いドライバーには大きく成長することを期待する。でも3年目から4年目っていうのは、そんなに驚異的なステップアップは期待しないものなんだ」
「確かに彼は速くなっているし、落ち着いてきている。チームにもうまく溶け込んでいるし、フィードバックもいい」
「でも真面目な話、彼は金曜日のFP1でガレージから出る時、既に基準を持っているんだ。そして、1周目にそこに到達している。チームにとっては、それがとても重要なんだ。元来持っていた純粋なスピードと、ダニエル(リカルド)から得られた経験の組み合わせが、今年の前半のパフォーマンスに繋がり、多くのポイントを獲得できたことの一部だった」
前半14戦を終えた段階で、RBはコンストラクターズランキング6番手。7番手のハースに接近されつつあるが、うまくいけばランキング5番手のアストンマーティンを凌駕できるかもしれない。そういう意味では、ポイント獲得頭の角田を、RBとしてはチームに引き留めておきたい。一方で角田は、そろそろトップチームに移籍したいと願う。その両者の想いが、そのうち相反するモノになる可能性があるのは確かだ。
この状況をどうマネジメントするのか? そう尋ねられたメキーズ代表は、次のように語った。
「ユウキはレッドブルのドライバーだ。彼にはレッドブル・レーシングで走りたいという野心があるはずだ。それを無視するなら……あるいはその気持ちが彼にないのなら、それは間違っている」
「だから私は、”願わくば”という言葉は使いたくない。彼がレッドブルのマシンをドライブして、レースに勝ちたいと思っていると、私は信じているし、そうであって欲しいと願っている」
「そして我々は、そいう方向に彼を成長させる手助けをしようともしている。それが仕事なんだ」
角田はRBに対し、自分の強い野心について語ったという。
「彼は来年も我々のチームで走る。そのことに満足しているかどうかは、彼に尋ねてみるしかない。しかし彼が我々に語ったのは、非常に高い野心を持っていて、チームも大きな野心を持っていて、それがうまく機能していることを彼が理解しているということなんだ。それが彼の成長を助け、彼は素晴らしいレベルのパフォーマンスで我々に恩返しをしてくれた。それが事実だ」
「ドライバー市場が何か他のモノを求めているのなら、彼にはできるだけ早くそこに行くという野心を持っている。そういうことは当然だと思う」
RBは前進のアルファタウリ時代も、トロロッソ時代も、レッドブルのための”若手ドライバー育成”という重要な役割を担ってきた。その間、セバスチャン・ベッテルやマックス・フェルスタッペンをはじめとして、数多くのグランプリウイナーを輩出してきた。
今のRBの役割は何なのか? メキーズ代表に改めて尋ねると、次のように語った。
「それについてお答えしましょう。評価基準のひとつは、競争力、そして中団グループのトップに立つということだ。そしてふたつ目の評価基準は、レッドブル・ファミリーの若手ドライバーを育成するということだ」
「ご存知の通り、経営陣として、そしてチームとしては、それが我々の方針だ。つまり競争力を身につけ、そしてレッドブル・ファミリーの若手ドライバーを育成しなければいけない」
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