元F1王者ビルヌーブ、不振続くペレスに厳しい評価「彼はチームに損害を与えている……私なら角田を昇格させるよ。それが理論的だ」
元F1王者のジャック・ビルヌーブは、レッドブルのセルジオ・ペレスについても厳しい評価を下しており、「私なら角田を昇格させる」と語った。
Jacques Villeneuve
写真:: Erik Junius
歯に衣着せぬ発言でお馴染みとなっている元F1王者のジャック・ビルヌーブは、今季前半戦厳しい戦いを強いられたレッドブルのセルジオ・ペレスについても、厳しい評価を下している。
伝説的なF1ドライバーであるジル・ビルヌーブを父に持ち、インディカー・シリーズでチャンピオンに輝いた後、鳴物入りでF1デビューを果たしたジャック・ビルヌーブ。いきなり当時のトップチームであるウイリアムズのシートを掴むと、デビュー戦でいきなりポールポジションを獲得し、決勝でも2位。同年は4勝を挙げるもチャンピオンには届かなかったが、参戦2年目の1997年に王者に輝いた。ただその後はマシンに恵まれず、BARやルノー、ザウバーなどを転々としたが、チャンピオンとなった1997年を最後に勝利には手が届かなかった。
そのビルヌーブは今はコメンテーターとして活躍。歯に衣着せぬ物言いを披露している。今年のカナダGPの際にはRBのダニエル・リカルドについて「なんでまだ彼はF1にいるんだ?」と語り、論争の火付け役となった。
そのビルヌーブは、今季大いに苦しむレッドブルのペレスについても厳しい評価をしている。
ペレスはシーズン前半戦を終えた段階でドライバーズランキング7番手。チームメイトのマックス・フェルスタッペンに大きく水を開けられている。ドライバー交代の可能性も囁かれていたが、前半戦最後のベルギーGPを終えた翌日、レッドブルの首脳陣は将来についての話し合いを行ない、今後もペレスを起用し続けることを決めたと見られている。
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコも、自身のコラムに「ペレスは夏休み明けもレッドブルのマシンに乗ることになるだろう」と記している。
しかしビルヌーブは、現在のペレスのパフォーマンスに異議を唱えている。
「問題は、今彼がチームに損害を与えているということだ」
7月下旬の時点で、ビルヌーブはペレスについてそう語っていた。
「レッドブルはコンストラクターズチャンピオンを失う可能性がある。それは彼がもたらすスポンサーフィーよりも、価値があるものだ。そして、チームがマシンの開発に取り組むのを手助けできていない。だから、本当に良い状況ではないと思うよ」
ビルヌーブが語った当時は、まだレッドブルの”決断”が明らかになっていない頃だった。しかし自分だったらシーズン後半のラインアップはどうするかと尋ねられたビルヌーブは、次のように語っていた。
「場合によるだろうね。レッドブルのやり方で考えると、ジュニアチームから昇格させるのが常だ。私なら、角田(裕毅)を昇格させるだろうね。彼は、すでに契約も結んでいるんだから」
「(ダニエル)リカルドはまだ契約を結んでいない。彼は十分な実力を発揮できていないからだ。そういう状況で、なぜ彼をビッグチームに移籍させるのだろうか? 理論的には角田だろうし、角田が抜けたRBにはリアム(ローソン)を置く。そして(F2参戦中のアイザック)ハジャーをもう1台のマシンに乗せるだろうね」
なお当時はまだ、カルロス・サインツJr.のウイリアムズ入りが発表されていない段階だった。ルイス・ハミルトンの加入により、今季限りでフェラーリを離れることにが決まっていたサインツJr.も、ペレスの後任候補のひとりと目されていた存在だ。しかしビルヌーブは当時から、サインツJr.のレッドブル入りの可能性はないと断言していた。
「いや、サインツの入る余地はないだろう。サインツはナンバー1、もしくは同等の条件を求めているはずだ。しかしレッドブルは、マックスのチームだからね」
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