”ワンチーム”としてまとまるハースF1とトヨタ、富士でのTPCが実現「今は一緒に、文化を作り上げている」
トヨタとテクニカルパートナーシップを締結しているハースF1。しかし両者はその垣根を越え、共にひとつのチームとして団結し、文化を形作っているところだという。
Ayao Komatsu, Team Principal of Haas F1, Masaya Kaji, TOYOTA GAZOO Racing
写真:: Kan Namekawa
ハースF1の富士スピードウェイでのTPCがついに実現した。初日となった8月6日(水)には、平川亮がVF-23のステアリングを握って走行。7日(木)には坪井翔がドライブする予定となっている。
昨年10月にハースF1はTOYOTA GAZOO Racingとテクニカル・パートナーシップを締結。以後ハースF1のマシンにTGRのロゴが入れられたり、TGRのドライバー(中嶋一貴、小林可夢偉、平川、宮田莉朋)が次々にハースF1マシンをドライブしたりと、ハースF1とトヨタの関係は、日に日に密になっているように見える。
TGRのグローバル・モータースポーツディレクターを務める加地雅哉氏は今年の1月、F1について「2026年の技術も今の技術も、もちろん勉強しています。F1は少しずつ、トヨタにとって”トライする価値”のあるモノになってきていると思います」と語っていた。あれから半年強が経ち、F1の2026年レギュレーションの輪郭がさらに明確なりつつあり、さらにその先にはV8やV10エンジンを導入する案についても議論がされ始めている。
自然吸気エンジンに回帰する形は、その音など”迫力”という面では、確かに効果的であるかもしれない。しかしいくら2026年から持続可能燃料を導入すると言えど、自然吸気多気筒エンジンが、技術の最先端を行っているとは言い難い部分もある。
Ayao Komatsu, Team Principal of Haas F1, Masaya Kaji, TOYOTA GAZOO Racing
写真: Kan Namekawa
それも含め、今そして将来のF1の状況を、トヨタとしてはどう見ているのか? そう加地ディレクターに尋ねると、彼は次のように語った。
「まだパワーユニットの議論とか、新しいレギュレーションだとか、安定していない時期ですので、我々がここでコメントすべきではないと思います」
「でもいずれにしても、モータースポーツのトップカテゴリーは、環境貢献だとか技術革新を伴うべきだと思います。F1というカテゴリーは、きっとそれを見て物事を決めていくでしょうし、そこに参戦するマニュファクチャラーの皆さんも、そういうファクターなしでは、参戦を継続することはきっとできないと思います」
「そういう意味で、トヨタがどうこうということではなく、きっとF1はそういう(環境貢献や技術革新を伴う)方向に進んでいくんだろうと、当然思っています。今の我々は、何もコメントする立場にはいないと思いますが、しっかりとその状況を見守っていきたいです」
今のトヨタは、F1のパワーユニットをハースに供給しているわけでも、シャシーを製造しているわけではない。しかし、ハースと共に”F1に参戦している”という立場であるということを加地ディレクターは明確にし、さらに次のように語った。
「今僕らがやるべきことは、ハースと一緒に強いチームを作っていくことなんです。それに注力するのは、これからも変わらないと思います」
「今は、いろいろなことをひとつひとつ進めている状況です。少しずつ成果が現れてきていると思いますので、それがだんだん皆さんの目にも見えてくると思います」
「文化みたいなモノを一緒に作れているというか、そこに役立っているのはすごく良い。ワンチームというか、一緒にやれていると思います。小松さんもそうですし、ハースのメンバーの皆さんもポジティブに色々なことを考えて一緒にやろうとしてくれています。それは僕らとしてはめちゃくちゃありがたいですし、そういう形で今後も進めていければと思います」
Ryo Hirakawa, Haas VF-23
写真: Kan Namekawa
ハースF1の小松礼雄代表も「今も正式に、トヨタと一緒に参戦している」と語り、その効果について次のように語った。
「今回のようなテストチーム、我々はヘリテージチームと言っていますが、それを作ることが以前は不可能でした。でも一緒に、共同作業でやらせてもらったことで、出来るようになったんです」
「1月にヘレスでTPCをやりましたが、それだってトヨタとの提携がなければできませんでした。つまり、”ハース・トヨタ・ガズー・レーシング”としての提携の意味って、既にそこで出ていたんです」
「今、ハースとトヨタで、チームの文化を作っている途中なんです。一緒にチームを作ってるんです。それがすごく良いことですよね」
そう語る小松代表は、自動車メーカーがF1参戦する意義についても、次のように考えていると説明してくれた。
「僕はメーカーの人間じゃないから、メーカーにとっての意義は分かりません。でも逆にF1としては、世界選手権をやっていく中では、技術革新や将来に向けた環境対策も大きな問題になるわけです。そして持続可能燃料や最近のPUの効率の向上という問題もあります」
「こういうことって、自動車メーカーがいなかったら、できないわけですよ。F1って今はすごく経済的には良い時期なので、チームは結構恩恵を受けています。でもPUマニュファクチャラーって、すごい額を投資しているのに、経済的な恩恵を受けられていません」
「こういうことを、F1委員会で話しています。我々F1チームとしても、PUマニュファクチャラーの貢献度の凄さって、実感しているんです。そのおかげで、ここまで技術革新ができているわけです。F1をチーム、PU、サプライヤー全てにとって意義のあるモノにしていくことについて、長期的に話をしています」
「F1をはっきりと、マニュファクチャラーが『参戦する意義がある』と思ってくれるような、そういうモノにしなきゃいけないというのは明らかですね」
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