F1 イギリスGP

F1分析|「我々の方が、ロングランではフェラーリより良いはず」レッドブルのヘルムート・マルコ博士が自信……その状況を検証する

F1イギリスGPのフリー走行2回目の結果、レッドブルのヘルムート・マルコ博士は「我々の方がフェラーリより速い」と断言する。そのレースペースを検証してみよう。

田中 健一

編集: 2025/07/05 8:21

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Max Verstappen, Red Bull Racing

Max Verstappen, Red Bull Racing

写真:: Steven Tee / LAT Images via Getty Images

 F1イギリスGPの初日FP2で、レッドブル勢はマックス・フェルスタッペンが5番手、角田裕毅が15番手と、マクラーレンはおろかフェラーリの後塵も拝する結果となった。しかしレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコ博士は、決勝でのレースペースに自信を持っているようだ。

 イギリスGPの舞台であるシルバーストン・サーキットは、高速コーナーが多く存在しており、レッドブルのマシンに適したコースであるように見えた。しかしFP1ではフェルスタッペンをもってしても10番手。FP2でフェルスタッペンは5番手となったものの、角田は15番手と、前戦オーストリアGPに引き続き今回もレッドブルは苦戦しているように見える。

 一方でマクラーレンが速いのはいつも通りとしても、フェラーリ勢がこれと並ぶ速さを見せた。FP1ではルイス・ハミルトンがトップタイムを記録し、FP2ではフェラーリが2-3番手。マクラーレンとがっぷり四つのように見える。レッドブルは良くてもその次……といった印象だ。

 ただ、マルコ博士もFP2後に次のように語り、レースに向けての自信を覗かせた。

「アンダーステアには悩まされていたが、我々のマシンのデグラデーション(性能劣化)は比較的一定だった」

「ロングランでは、フェラーリ……よりも我々の方が良いポジションにいると思う。ハミルトンは左側にひどいグレイニングが発生しており、(ロングラン中に)タイヤ交換を余儀なくされた」

 実際のロングランのペースを検証してみよう。このグラフは、F1イギリスGPのFP2での各車のミディアムタイヤでのロングランペースの推移を折れ線で示したものである。上のいくほど、ラップタイムが速いことを意味する。

F1イギリスGP FP2ロングランペース分析(ミディアムタイヤ)

F1イギリスGP FP2ロングランペース分析(ミディアムタイヤ)

写真: Motorsport.com Japan

 このグラフの赤線はフェラーリ(実線はルクレール、点線がハミルトン)、オレンジ色の線はマクラーレン(実線がピアストリ、点線がノリス)、紺色の線はレッドブル(実線がフェルスタッペン、点線が角田)である。

 走り出しが速いのはフェラーリである。しかし彼らは、急激にペースダウン。ルクレールはなんとかペースを持ち直し、1分32秒台前半で踏みとどまったが、ハミルトンは1分33秒台後半までペースダウンしてしまい、この後ソフトタイヤに履き替えた……これが、マルコ博士の言う「左側にひどいグレイニングが発生した」ということを裏付けているだろう。

 対するマクラーレンは、走りはじめこそフェラーリほどではないものの、比較的安定。ペースを落とさず周回を重ねた。逆にレッドブル勢は、フェルスタッペンも角田も、ロングラン前半は若干ペースを落としたものの、その後ペースは上昇傾向に転じている。

 これだけを見ると、確かにレッドブルは、ロングランではフェラーリはもちろん、マクラーレンより優れている可能性も十分にある。当然、各車が搭載していた燃料の量は未公表なため、絶対的な比較というわけにはならないが。

 なお前述の通り、上のグラフはミディアムタイヤでのロングランペースの推移である。しかし決勝では、ソフトタイヤやハードタイヤも十分に使えそうだ。

F1イギリスGP FP2ロングランペース分析(ソフトタイヤ)

F1イギリスGP FP2ロングランペース分析(ソフトタイヤ)

写真: Motorsport.com Japan

 参考までにこちらは、ソフトタイヤを履いた3台のFP2でのロングランである。これを見ると、いずれのマシンもペースを落とさずに周回を重ねた。ウイリアムズのカルロス・サインツJr.とレーシングブルズのアイザック・ハジャーは、それぞれ10周、13周を走った。

 F1公式の発表によれば、ソフトタイヤは8周程度しか保たないとされている。しかしこのロングランペースを見る限りでは、10周以上周回することも十分にできるだろう。2日目以降は、気温も少し涼しくなると予想されているため、ソフトタイヤの方が使いやすいという状況になる可能性も高い。

 ただ土曜日と日曜日には、雨が降るという予報も出ている。この雨が予選やレース展開にいたずら? スパイス? そのいずれかを付け加える要素となるのだろうか。

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