F1 オランダGP
オランダGPは1ストップ戦略が主流? しかし見え隠れする2ストップの可能性。マクラーレン、アストンマーティン、そしてフェルスタッペンは何を狙う
F1オランダGPの決勝レースは、1ストップになる可能性が高いと見られている。しかし、2ストップの可能性も捨てきれない。
田中 健一
公開日時: 2025/08/31 9:58
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Max Verstappen, Red Bull Racing
写真:: Mark Thompson - Getty Images
まもなく行なわれるF1オランダGPの決勝レース。一体どんなレースとなるのだろうか? タイヤの観点から、ピレリのモータースポーツ・ディレクターであるマリオ・イゾラが語った。
今年のオランダGPには、昨年よりも1段階柔らかいタイヤが持ち込まれている。昨年は1ストップが主流だったが、柔らかいタイヤにすることにより、2ストップ戦略の方が有利になる可能性を広げようとしたわけだ。ピットレーンの制限速度も、昨年までの60km/hから80km/hに引き上げられ、ピットストップを行なうことによるタイムロスを1回あたり3秒ほど削減した。このことも、2ストップ化を後押しする一因となっている。
イゾラによれば、その目論見通り2ストップ作戦が最も速くレースを走り切る戦略であるという。しかし実際には、1ストップを選ぶドライバーが多そうだという。
「シミュレーションでは、2ストップ戦略が、走破タイムにおいて僅かに有利であることが示された」
そうイゾラは言うが、オランダGPの舞台であるザントフールト・サーキットはオーバーテイクが難しいサーキットであり、コース上のポジションを重視するために、1ストップを選ぶマシンが多いだろうと推測する。
「コース上でのポジションを確保することが極めて重要であるため、多くのチームが1ストップを狙う可能性は十分に認識している。従って、最初のスティントをミディアム、2番目のスティントをハードで走行するという戦略が最も有力になると考えている」
「これにより、各チームは突然の雨やセーフティカーの可能性をカバーすることができるだろう」
全20台中16台は、ミディアムタイヤとハードタイヤを、1セットずつしか残していない状況で決勝レースを迎える。彼らが2ストップを選ぶならば、必然的にソフトタイヤを投入しなければならなくなるはずだ。このことも、1ストップが主流となる可能性が高いことを後押ししている。
ただ4台がハードタイヤを2セット、ミディアム1セット残して決勝へと挑む。それがマクラーレンとアストンマーティンだ。彼らはピレリが「シミュレーション上最速」という、ミディアム→ハード→ハードという戦略を採れる、数少ない存在である。
なおもうひとり注目したい存在がいる。それが、レッドブルのマックス・フェルスタッペンである。フェルスタッペンは予選Q3まで進出したドライバーの中で、唯一新品のソフトタイヤを1セット残して予選を終えた存在。決勝に向けて敢えて残したのか、あるいはただ単に余ってしまっただけなのだろうか?
実はソフトタイヤは、決勝レースでも使えないことはない。事前のシミュレーションでは、予選1アタックのみで使うタイヤになりそうという見方であったが、実際に走行してみると、予想以上に長持ちしているようなのだ。
「ソフトタイヤに関するフィードバックは良好だ。チームはデグラデーションがずっと大きく、1周しか走れないタイヤだろうと予想していたんだ」とイゾラは言う。
「レース全体、ペースのマネジメントという点を考慮すると、ソフトタイヤは良い選択肢になり得る。スティントの長さを決定づけるのは、摩耗の問題ではなく、デグラデーションをいかにコントロールするかということにかかっている」
またイゾラは、ソフトタイヤを使うシーンについてはこう推測する。
「ミディアム→ハードという戦略でスタートした後、何らかの理由でスティントの長さが足りない、あるいは追加のスティントが必要になった場合、最後にソフトタイヤを使うことができる」
「最初から2ストップの戦略を立てる場合には、ソフト→ハード→ミディアムの順で使うのがいいだろう。レース序盤には、グリップを高めるというメリットを見出せる。そしてその後、ハード→ミディアムと繋ぐのだ」
「今年は気温が低いため、リヤタイヤのデグラデーションをコントロールすることができる。ここでは、熱によるデグラデーションをコントロールすることが非常に重要だ。そしてそれをうまくコントロールできれば、長いスティントを走ることができるだろう」
もしフェルスタッペンが敢えてソフトタイヤを1セット残したのならば、スタートでこれを使い、トラック上でのポジションを上げる……そんな戦略を狙っているのかもしれない。
さて、どんな戦略が正解なのか? 決勝では雨がらみとなる可能性も残っており(その可能性は、当初の予報よりかなり小さくなってはいるが……)、まだまだ読めない。
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