F1 サンパウロGP

【F1プレイバック】1年前のサンパウロGP、角田裕毅が予選3番手&決勝猛ペースの大活躍。今年は昨年以上に大事な大事な1戦に

2024年のサンパウロGP。角田裕毅が予選3番手、決勝でも上位を走るという、めざましい活躍を見せた。あれから1年。再現なるか?

田中 健一

編集: 2025/11/05 2:35

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Pole man Lando Norris, McLaren MCL38, George Russell, Mercedes F1 W15, Yuki Tsunoda, RB F1 Team VCARB 01, arrive in Parc Ferme after Qualifying

Pole man Lando Norris, McLaren MCL38, George Russell, Mercedes F1 W15, Yuki Tsunoda, RB F1 Team VCARB 01, arrive in Parc Ferme after Qualifying

写真:: Zak Mauger / Motorsport Images

 今週末にはF1のサンパウロGPが行なわれる。日本からすれば地球の裏側とよく言われるブラジルでの開催……当然時差はきつい。早起きしてもダメ、夜更かししても辛い……そんなグランプリである。しかし今年も、苦労して見た価値があると思える、そんなレースになって欲しいものだ。

 昨年はまさにそうだった。特に日本のファンにとっては。角田裕毅が躍動したからだ。

 2024年のサンパウロGPは雨に見舞われた。その結果、土曜日の現地時間午後に予定されていた予選は日曜日に順延。現地朝7時半からという強行軍だった。

 しかし順延したとて雨。クラッシュが相次ぎ、なんと5回も赤旗中断があるという、大波乱の展開となった。レッドブルのマックス・フェルスタッペンはこの赤旗に阻まれ、Q2敗退を喫することになった。

 当時RB(現レーシングブルズ)のマシンに乗っていた角田は、この荒れた予選を生き残ってQ3に進出。最終アタックも決め、ランド・ノリス(マクラーレン)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)に次ぐ3番手につけた。角田としては、これが初の予選トップ3だった。

Yuki Tsunoda, RB F1 Team

Yuki Tsunoda, RB F1 Team

写真: Red Bull Content Pool

 そしてその日の午後に行なわれた決勝レースもウエットコンディションでのレース。フォーメーションラップから、アストンマーティンのランス・ストロールがグラベルトラップに突っ込んでしまって動けなくなるなどしたため、スタート時刻が遅れた。

 角田はノリスとラッセルにはついていけなかったものの、3番手を死守。ウエットコンディションだったためDRSの使用が解禁されなかったことも、後続を抑える上での追い風となった。しかしそんな中で雨が徐々に強まり、これを機にタイヤを交換するマシンが出始める。

 27周目、当時ハースに乗っていたニコ・ヒュルケンベルグがスピンして動けなくなったことでバーチャル・セーフティカーが出動。トップ2台や角田らは、ここでピットインした。

 ここで攻めに出たのがRB陣営だった。ライバルの多くがインターミディエイト(浅溝)タイヤからインターミディエイトへと交換する中、RB勢はフルウエット(深溝)タイヤに履き替えた。当時雨雲レーダーでは、強い雨がサーキットに接近しているのが確認できていた。

 RB勢の選択は大成功。雨量は多くなり、明らかにウエットタイヤ向きのコンディションとなっていった。そして角田は、ラッセルよりも1周あたり10秒近く早いペースで走ったのだった。首位に立つのも時間の問題。そう思われた。

 しかしその後雨脚はさらに強まり、危険だと判断したレースコントロールはセーフティカー出動を宣言する。角田らはこれで、前のマシンを追い抜くチャンスが潰えた。そればかりか、セーフティカー中にフランコ・コラピント(ウイリアムズ)が最終コーナーで大クラッシュ。これで赤旗中断となってしまう。実はアルピーヌ勢2台と、予選で失敗したフェルスタッペンは、まだタイヤ交換をせずに走り続けており、彼らは赤旗中断によって、ポジションを落とすことなくタイヤ交換するという望外のチャンスを手にし、結局この3台が1〜3位を占めることになった。

Yuki Tsunoda, RB F1 Team VCARB 01

Yuki Tsunoda, RB F1 Team VCARB 01

写真: Lubomir Asenov / Motorsport Images

 しかし残念だったのは角田だ。角田は最終的に7位となったが、レースの後次のように語って悔しがった。

「ウエットタイヤに履き替えた判断は良かったと思います。でも、セーフティカーと赤旗が出たことが、順位を大きく下げるポイントでした」

「レッドフラッグが出なければ、おそらくどこかの時点で多くのマシンを抜き、多分首位に立つことができたと思います。でも、今日はそういうふうにはなりませんでした」

 F1初優勝が見えた、そんなレースであった。

 今年の角田は、RBではなくシニアチームのレッドブルのマシンに乗って、サンパウロGPに挑む。レッドブル昇格後は苦戦を強いられるレースもあったが、ここ最近では復調。チームメイトのフェルスタッペンとの差も、徐々にではあるが縮めている。

 そして今回のレースは極めて重要だ。フェルスタッペンが大逆転でのワールドチャンピオン5連覇を達成するためにも、チームがコンストラクターズランキング2位になるためにも、そして角田本人の将来にとってもだ。

 角田に求められていることは、フェルスタッペンをサポートするためにマクラーレン勢から1点でも多くポイントを奪い取ること、チームのために1ポイントでも多く獲得することだ。当然日本のファンとしては、日本人ドライバーによる初優勝または表彰台を見たい。しかし首位を走っていても、2番手にフェルスタッペンがいるのなら、その勝利を譲るというのが今の角田の役割である。そしてそんな走りが出来るようならば、彼の評価はグッと上がることだろう。

 今年の角田は、昨年のように深夜に観戦する日本のファンの”めざまし”となるような、そんな走りを見せてくれるだろうか? どうやら現地の日曜日は晴れるようだが、土曜日(スプリントと予選が開催)は雨との予報だ。

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