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F1分析|あくまでも勝ちに行ったレッドブルの積極策……最初から最後まで、アグレッシブかつ緻密な選択だった

レッドブルのフェルスタッペンがスペインGPで採った戦略を検証する。

Lando Norris, McLaren, Max Verstappen, Red Bull Racing

Lando Norris, McLaren, Max Verstappen, Red Bull Racing

写真:: Andy Hone / Motorsport Images

 レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、F1スペインGPで5番手フィニッシュし、タイム加算ペナルティを受けたことで最終的に10位となった。

 このフェルスタッペンは、多くのマシンが2ストップでレースを走り切ることを選ぶ中、早め早めにタイヤ交換を行なう3ストップ(最終的には4ストップとなったが……)を選択して前を追った。この戦略は正しかったのだろうか?

 今回もマクラーレン勢は、圧倒的な速さを見せた。フレキシブルウイングの規制が強化されることで勢いが削がれることを、多くのチームが期待していたはずだが、その期待は脆くも崩れ去った。

 レッドブルはそんなマクラーレンを追う急先鋒であるが、コース上で真っ向勝負をしても勝機はない。そこで考えだされたのが、この3ストップ戦略である。

2025年F1第9戦スペインGPレースペース分析:トップグループ

2025年F1第9戦スペインGPレースペース分析:トップグループ

写真: Motorsport.com Japan

 こちらのグラフは、F1スペインGP決勝での上位5台のレースペース推移を示したものだ。フェルスタッペンは早め早めにピットストップすることで、ライバルよりも良いペースで周回を重ねている。

 当然比較的プッシュして走っていたはずで、デグラデーション(タイヤの性能劣化)は激しく、グラフは右肩下がり……つまりペースがどんどん落ちていっていたことがよく分かる。しかし、ペースが落ちたところでも、2ストップを目指してタイヤをマネジメントしていたライバル勢と、それほど変わらないラップタイムを記録できている。

 それを考えれば、フェルスタッペンの”3ストップで飛ばす”という戦略は、決して間違っていなかったというばかりか、正解だったと言える。

2025年F1第9戦スペインGPレースギャップ推移分析:トップグループ

2025年F1第9戦スペインGPレースギャップ推移分析:トップグループ

写真: Motorsport.com Japan

 それをさらに示すのが、こちらのグラフである。こちらは、レース中のトップ5台の、ギャップの推移を示したものだ。

 赤丸で示した3箇所は、いずれもフェルスタッペンがピットストップを終えた時点での首位オスカー・ピアストリ(マクラーレン)からの差である。ピットストップ回数を経るにつれて、マクラーレン勢との差が縮まっていることがわかる。

 単純にそれだけ見ても、フェルスタッペンの戦略は正しかったと言えよう。しかもこの戦略を無駄なく遂行するために、レッドブル陣営は実に緻密な判断を下していた。

 1回目のピットストップはアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)の真後ろ、2回目はルイス・ハミルトン(フェラーリ)の前、3回目はシャルル・ルクレール(フェラーリ)の前でそれぞれコースに戻っている。ハジャーは同じ”レッドブル陣営”であるため、すぐに譲ってくれることは明らか(とはいえ、本来ならばハジャーの前でコースに戻りたかったはずだが、若干遅れをとった)。2回目と3回目のピットストップ後も含め、遅いマシンに前を抑えられることはなく、いずれもクリーンエアの中で走った。

 このことは、3ストップ作戦を成功させる上で非常に重要であったはずだ。もしコースに復帰した後、遅いマシンに引っかかってしまいペースを失うと、”3ストップで飛ばす”という戦略は成功しなかっただろう。

 とはいえ、それでマクラーレンに勝てたかと言えば、それはまだ別の話。実際問題、3ストップ目を終えた時点でフェルスタッペンは、マクラーレン勢2台の後ろ。しかもマクラーレン勢の2回目のピットストップとフェルスタッペンの3回目のピットストップのタイミングはほぼ同じであり、フェルスタッペンとしてはあとはコース上でオーバーテイクを成功させるしかなかった。

 しかし3回目のピットストップを終えた54周目頃(グラフ青丸の部分)から、フェルスタッペンはマクラーレン勢から引き離され始めていたため、正直に申し上げて3位が精一杯だったはずだ。

 さて話題になっている、セーフティカー(SC)中にハードタイヤを履かせた一件については、後から考えれば戦略失敗……しかし勝利を目指すための唯一の道だったと言える。

 54周目、7番手を走っていたアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)がマシントラブルによりストップし、この車両を回収するために、SC出動となった。この時各車は、残っていたソフトタイヤに履き替えたわけだが、レッドブルはフェルスタッペンに新品のハードタイヤを履かせることを決めた。

 これが仇となり、SC解除後にフェルスタッペンはルクレールとジョージ・ラッセル(メルセデス)に抜かれ、しかもラッセルにポジションを譲る際に体当たり事件を起こして10位に降着することになってしまった。

 フェルスタッペンもソフトタイヤを履いていれば、3位を守ることはできただろう。しかしマクラーレンと同じことをしていたら、逆転はない……そのための賭けの一手がハードタイヤを履くことだった。

 実際SC解除後のペース(レースペースグラフの赤丸の部分)を見ると、各車とも大きく右肩下がりだった。つまり、デグラデーションが大きかったということだ。しかもこの頃には、各車が周回を重ねたことで、路面にラバーが乗っていたはず。ハードタイヤのメリットが活かせる可能性も十分にあった。あと2周ほど早くSCが解除されていたら、そのメリットを存分に享受できていた可能性もある。

 レッドブルとフェルスタッペンは、あくまでも勝ちに行ったということなのだろう。

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田中 健一
F1
マックス フェルスタッペン
レッドブル
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