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ホンダ/HRCと角田裕毅&岩佐歩夢の現在の関係性を、渡辺康治社長に訊く

角田裕毅と岩佐歩夢は、レッドブルがフォードと組むことになった今後も、引き続き”ホンダのドライバー”なのか? HRCの渡辺社長に訊いた。

Yuki Tsunoda, Red Bull Racing, Koji Watanabe, Honda Racing president, behind of Honda RA272

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写真:: Kan Namekawa

 ホンダ/HRC(ホンダ・レーシング)と、角田裕毅および岩佐歩夢の関係は、2026年以降一体どんなモノとなるのか? HRCの渡辺康治社長に話を聞いた。

 2026年シーズンからF1に正式復帰を果たすホンダ。正式復活という形になるが、昨年まで同様HRCがパワーユニット(PU)の開発・製造を担う格好だ。しかしパートナーは、レッドブルからアストンマーティンへと変更される。

 一方で、ホンダの育成ドライバーとして育ち、F1までたどり着いた角田は、2026年のレギュラーシートは失ったものの、リザーブドライバーとしてレッドブルに残ることが決定。岩佐もまだ正式な発表はないものの、レッドブル陣営で何らかの役割を担う公算が高いと見られる。ただレッドブルは今季から、フォードの支援を受けて開発した自社(レッドブル・パワートレインズ/RBPT)製のPUを使用する予定である。

 角田と岩佐はその出自から、”ホンダのドライバー”と言われることが多い。その結果、「ホンダのドライバーだから、他の陣営に移籍するのが難しい」とか、「ホンダと組むことになるアストンマーティンが移籍先最有力候補だ」というコメントをよく耳にする。

 では実際のところはどうなのだろうか?

「ふたりとも、ホンダの育成プログラムを卒業して、そこからステップアップしてきた選手です。HFDP(ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)出身の選手なので、ホンダとしては少なくとも、ホンダのドライバーであるという気持ちは当然あります。ホンダの仲間だと思っています」

 東京オートサロンの会場で取材に応じたHRCの渡辺社長はそう語った。

「しかし一方で仕事として、契約という観点でどうかというと、F1についてはチームと本人との契約になります。つまりレッドブルと各選手が契約するという形になりますから、そこにホンダとしては介在していません」

「角田選手については、ホンダとマーケティング契約という形を結んで、イベントに出ていただくとか、ホンダの商品やブランドのPRに出ていただく、そういう契約をしていました」

 ただホンダと角田の2026年の契約については現時点ではまだ締結されておらず、現在交渉が進行中であるという。また岩佐に関しては、角田のケースとは少し状況が違うようだ。

「角田選手との今年の契約についてはこれからなので、今は具体的な契約は結んでいません。これは今後交渉していくことになります」

 そう渡辺社長は言う。

「岩佐選手については、彼とレッドブルとの契約は、角田選手のケースと同じです。ホンダはそこには介在していません。ただ岩佐選手の場合はスーパーフォーミュラの選手でもあるので、そこについてはホンダのドライバーとしての契約があります。ホンダおよび無限と、契約を結んでいるということです」

「なので岩佐選手はそこの部分については、”ホンダのドライバー”ということになります」

 前述の通り、レッドブルは今季からフォードと強力なタッグを組むことになる。フォードといえば、言うに及ばず自動車メーカーであり、ホンダとはライバル関係という立ち位置だ。

 そういうライバルメーカーのPRを担うドライバーと契約を結ぶことには、ホンダとしては問題ないのか? そう尋ねると、渡辺社長は次のように説明した。

「ホンダ側としては問題ないですよ。重要なのは、フォードというか、レッドブル側がどう考えるかということだと思います」

「レッドブル側がどういう契約内容にしてくるかによって、ホンダが(角田を)起用することができる領域が変わってくる……そういうことが起きると思っています」

「交渉は、角田選手とやっているわけではなく、レッドブルとやっているということです」

 こう聞くと、「なんだホンダは冷たいじゃないか!」とお嘆きの方もいらっしゃるかもしれない。しかしそうではない。F1ドライバーと言えば、世界でトップの20人のひとり。そこにたどり着いたならば、あとは自分で自身の価値をさらに上げ、居場所を確保しなければいけない。いつまでも”メーカーの後ろ盾”に頼り続けるわけにはいかないのだ。それができなければ、日本人ドライバーの”ここから先”は訪れないかもしれない。つまり、F1での優勝とか、チャンピオン獲得とか、そういう領域を目指すためには、それが必要なことのひとつということなのだろう。

 だからホンダの姿勢は、将来を見据えた”エール”のようにも思える。

 渡辺社長は以前、こう語っていた。

「自分自身で、将来のことを考えて、別の道を進んで行ってもいいわけです。その選択の足を引っ張るようなことは、私たちは絶対にしません」

「もちろん、できるだけ我々(ホンダ)のチームで走って欲しいと思います。でも、どんどん出ていってくれていいと思います」

 またHRC四輪モータースポーツ室の桒田哲宏室長も、以前こう説明していた。

「我々のスクールに参加する生徒には、将来F1ドライバーになって欲しい、世界のトップドライバーになってもらいたいという思いがあります」

「もちろんホンダのマシンでそうなって欲しいという思いはありますが、そのためだけにやっているわけではないです。どのメーカーだろうが、どの国だろうが、活躍してくれればそれでいいと思います」

「ホンダとは違う道を行きたいとなれば、それはもう頑張ってこいよと背中を押してあげなければいけません。そしてその時にやってあげられることがあればやってあげればいいんです。金銭面だけではなくて、レースのキャリアの後の人生だったり、自分の夢を達成するために必要なことで、我々が提供できるものは、提供していきたいです」

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